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―――― 0000 prototype ――――

 一番古い記憶は私が『死んだ』日のこと。

 お父さんと歌を歌いながら真っ青な草原で散歩をしていた。キャッチボールなんかもして、それは「どこにでもいる」普通の家族だった。

 楽しかった。こんな日がいつまでも続くと思ってた、そうあってほしいと、願っていた。

 きっと、「一番」幸せな瞬間だったのだろう。

 父親の「仕事」用の端末がアラームを鳴らすまでは。


 「大丈夫だ、すぐに戻るさ」

 お父さんは私の頭を撫で優しく微笑んでいた。けれど幼いながら私は分かっていた。あの時代、この国は諸諸国と水面下で戦争状態であったこと。

―――――お父さんの仕事が、死と隣り合わせであること。


―――――――――――――――


 堅牢な石造りの要塞都市はその外観からは想像できないほどに賑わいを見せていた。

 およそ十数年前まで、この国は他国との一切の戦闘を行わない等恒久的温情を掲げていた国だった。

 然し小規模な諍いはどうあっても発生するもので。

 きっかけはそんな小さなことではあった。噂話に尾びれが付き、果てには顔の広い者が話を膨らませていけば国民の中の憎しみや疑念の規模は次第に大きくなっていた。

 そしてそんな懐疑心は国を統べる者たちの中にも広まっていた。

 然し戦闘の類を行わないと掲げていた国が簡単に武力を用いられるはずはなく、暫くの間政府は黙していたものの他国からの侵略や国民が危害を被る事件が多発していけば沈黙を通すことも不可能となっていた。


 結論から述べるに、政府や重要機関のある都市は要塞のように固い防御壁を建て、地方地方には関所や連絡塔の数を増やすことでどうにか国民は落ち着いた。

 かくして外観は要塞にして、武力を持たない平和を掲げるというあまりにも歪な国が出来上がった。


 だがそれから数か月後、一人の男が政府に直訴した。やはり我々にも「手」は必要だと、ごく一部の人間しかその存在を知らない、秘密裏の「戦闘」の手段を。



ワードで一日1000字程度ずつ書いてます

区切りがいいところまででき次第更新していきますのでのんびりお待ちください

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