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人質占拠事件

豹変する男の上司。

こんな狭い中暴れられては迷惑。

急いで男の確保に。


「動くな! これ以上騒ぐなら公務執行妨害で逮捕するぞ! 」

ほら何をやってる! 」

同僚が男の上司を威嚇する。

だが彼はもはや手負いの野獣。

言葉など通じない。

「うおおお! そこを退け! 邪魔する奴は容赦しないぞ! 」

単なるサラリーマンが調子に乗って慣れないことをすれば天罰が下る。


「退け! そこの女! 」

左横田さん大ピンチ。ただ叫ぶだけで動こうとしない。

恐らく恐怖で身がすくんだのだろうが犯人はそんなこと考えない。

ただ邪魔をしたと思うだろう。


「くそ! そこを退かない気だな? だったら人質を取ってやる」

「何をしてるんですか? 止めてください! 」

男が必死に止めに入る。

あれ? おかしな光景。

「黙れ! これは極秘事項だ。誰にも知られてはいけないんだ」

彼はもうそのことしか頭に無いらしくそれ以上の凶悪事件を起こそうとしている。

何て愚かなんだろう? 男の説得も無理だろう。


きゃああ!

「カス君。助けて! 」

トワが捕まってしまう。

「何をしてるんだ! もう後戻りできないぞ! 」

同僚は説得交渉開始。

だが一つも届かない。


「この女が悪い! 俺の部下を振るからおかしなことになったんだ。

だったら少しぐらい役に立ってもらおうか」

追い詰められた犯人は逃げ場を失い人質作戦にうって出る。

ただのサラリーマンが豹変するんだから底が知れない。

「落ち着いてください! 会社にいられなくなりますよ? 」

冷静な男が興奮気味の犯人説得に当たるが効果はない。

「これ以上余計なことを言うな! 」

豹変した男の上司。



「お願いだ。早く説得してやってくれ! 」

お爺さんが俺に懇願する。

だがトワはもう別れた訳で。俺には何の関わりもない。

あるとすれば共犯ぐらいか。

二人して当て逃げを隠した。それもほぼ俺のせい。

「言われなくても! 落ち着いて」

上司を説得しようとするが俺はその手のことは苦手。

交渉など初めて。どちらかと言うとお客の苦情を聞くのが仕事。

機嫌を損ねずに丁寧に聞き取るのが仕事みたいなもの。


「お前は何も分かってないじゃないか? 

このプロジェクトがどれだけ価値があって人類の希望になるかをな。

これが今世間に知られればアトリ計画もプロジェクトも頓挫するんだぞ? 

まだ誰にも知られてはダメだ。誰にもな。

それなのにお前と言う奴は事もあろうに落としやがって。

大勢の前で平気で極秘計画を漏らしやがる。

俺の権限でクビにするからな! 覚えてろよ! 」


怒りに震える上司。もう俺では手に負えない。

誰か助けてくれよ。警察はこんな時に役立たないでどうする?

凶悪事件を前に怯むなよな。


上司による悪夢のような交番占拠事件。

仕方がない。ここは…… あきらめるか?

前田さんと目が合う。

どうやら惹きつけろと言っているらしい。

仕方がない協力するか。


「大丈夫ですよ。アトリ計画が極秘なのは知ってます。

でももう世間に知られてもいい頃だ」

勝手に決めつける。

「お前って奴は! 」

怒りに震える上司。

これはまずいな。ひとまず退散だ。

しかしいくら上司とは言えなぜ俺が損な役割を引き受けなければならない?


「ごめんなさい! 」

そう言って交番から逃亡。

「待て! 」

振り返ると怒りで狂った上司がトワを放し向かってくる。

よし上手く行った。ただの防衛反応だけれど。

ただ外に逃げては危険なのも事実。


お巡りさん二人は反応が遅れる。

慎重な対応が裏目に出る。

「逃げるんじゃない! この馬鹿野郎! 」

今までに経験したことのない上司の姿。

このままでは怒りで何をされるか分からない。

もう事件を起こして自暴自棄になってる。一刻の猶予もない。


その時だった。ブブンカが勇敢にも飛びついて動きを封じる。

ブブンカはどうにか堪えようとするが上司の抵抗に遭う。

「何をしやがる! 邪魔しやがって! 」

「おお! ソーリー。ソーリー」

謝って許される問題ではない。


「はい大人しくしようね」

前田さんが上司の腕を後ろに回し取り押さえる。

「クソ! 邪魔するな! 」

怒り狂う上司はなおも抵抗を続ける。

「ほら大人しくしろって! 」

だが一向に改善されない。


「はい確保! 」

警察によって緊急逮捕される。

こうして危機は去った。


               続く

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