表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/59

失踪扱い

いまいちどころかまったく信用できない警察。

きっと受理しただけなんだろうな。

やはり警察では頼りにならないのか。ここは探偵にでも依頼すべきか。

でも依頼料高いしな。成功報酬だとしてもいくら吹っ掛けられるか分からない。


「落ち着いてください! 一週間で動くことはほぼありません。

あるとすれば営利誘拐。身代金の要求をするでしょうからね。

ですがそのような電話かかってこない? 違いますか? 」

そう誘拐した事実はない。

せめて彼女が自発的に失踪したのか事件に巻き込まれたのか。

そこのところだけでもはっきりすればな。


だが…… はっきりすると言うことは事件性ありの可能性が高い。

それは彼女に危険が及んでいることになる。

せめて連絡の一つでもしてくれれば安心するんだが。

時間が経てば経つほど、無駄に日が過ぎれば過ぎるほど不安は大きくなる。

そして呑み込まれるほどの大きな不安に苛まれ続ける。


仮に犯人から連絡があっても俺ではなく親にだろうな。だから俺には知り得ない。

「当たり前だろ! 俺は裕福なお坊ちゃまでもない。ごくごく一般的な会社員だ。

彼女は世界的有名な社長の娘。一人娘とは言ってなかったから兄弟はいるだろう」

「でしたらやはり失踪では? 何らかの事情で自ら姿を消したことになります」

話聞いてなかったのかな? 営利誘拐もあり得ると思うが。

やはり警察は面倒だから誘拐ではなくただの失踪にしたいのだろう。

仮に自らの意志による失踪なら取り敢えずは無事だと言うことになる。

いや待てよ…… 自らの意志で失踪しそこで事件に巻き込まれたとしたら?

単純な二択とは限らない。もっと複雑な事件なのかもしれない。

もちろんシンプルだってこともあり得る。すべてを疑う必要がある。

だからこそまず一番怪しい隣人を疑うべきだ。


「いや…… 奴らの家に捕まってる! 俺たちを妬む輩がきっとやったんだ! 」

前回は言いそびれたが思い切って隣人トラブルについて話すことに。

「本当ですか? 分かりました。もっと前に教えていただかなくては困ります」

おまわりさんに叱られる。

「いや…… 一週間前は動揺していてつい言いそびれてしまいました」

「初めてで動揺するでしょう。ですが依然自らの意志で失踪した可能性が高い。

家族親戚その他親しい友人には? 」

ここまで来てもただの失踪と決めつけてやがるな。

あれだけ言ってもまだ動こうとしないとは呆れるぜ。

「それは一応当たりました。当然知らないとのこと」

一応とは友人も親戚もよく分かっていない。

彼女の両親にさえ連絡を取るのが怖くて今に至る。俺はどうすれば?

「ご心配いりません。こちらでもう一度確認してみますね」

おいおいまだ済ませてなかったのかよ?

一週間もあって何をちんたらやってるんだ。

人のことは言えないが。


「頼みますよお巡りさん。彼女の命が掛ってるんだ! 」

もう警察に頼るしかない。

「それはもちろん。ですが失踪の可能性が極めて高い。まさか海外旅行に? 」

「俺を信じないのか? 」

「だから興奮しないで! 一体何人の者が失踪してると思うんですか?

年に一万人以上が失踪してるんですよ。白書を持ってきましょうか? 」

そこまでしなくてもいいので首を振る。

「もちろんその中には一人の方が何回も。

警察に行方不明届けを出せばカウントされますからね。

ですがそうだとしても多くの人が何らかの理由で失踪している。

その一人にあなたの彼女が加わったに過ぎないんです。

残念ですが事件性がない限り警察は動けません。

確固たる証拠を示していただかないとこのまま様子を見守ることに」

こちらとしても辛いが手掛かりもないのでと突き放す。


うーん。のらりくらりとかわしやがって。

俺を舐めてるのか? もうイライラする!

いつの間にかタバコに火を着けようとしていた。

もちろん交番内は禁煙だ。

取り締まるお巡りさんが見逃してくれるはずがない。

「ちょっと禁煙ですよ。ここはもちろん歩きたばこも条例違反になります」

優しく注意を受ける。

わざとじゃない。つい興奮してタバコに手が。


失踪して落ち込んでいる憐れな男。

そんなイメージを持ってるのか以外にも優しいお巡りさん。

「気をつけてくださいね」

それとも単純に最近の警察は感じが良いのか。

市民に頼られる警官と言うより舐められる警官がお似合い。


「ではそろそろ…… 」

もう用が済んだだろと目を合わせない。

だがここで帰る訳にはいかない。

何としても警察に分かってもらう必要がある。

隣人トラブルによるトナラ―の暴走こそがこの事件の真相だと言うことを。


                続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ