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家族にも婚約者にも愛されなかった私は・・・・・・従姉妹がそんなに大事ですか?  作者: 青空一夏
本編

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ヘレン視点


 あら……とても面白いものを見てしまったわ。

 ソフィ様のお部屋に、三人もの令嬢が連れ立って入っていくところを、偶然見てしまったのよ。


 私は一度、周囲を慎重に見回した。廊下に人の気配がないことを確かめてから、そっと部屋に侵入する。

 すでに少しだけ破かれていたドレスを、さらに私はためらいなく、メタメタになるまで切り裂いた。そうしてから、あの時、何食わぬ顔でこう申し上げたの。


「マリエッタ様がこのお部屋に入るのを見ました!」と。


(うふふっ……私はね、マリエッタ様をソフィ様から引き離したいのよ)


エレガントローズ学院は名門だけれど、メイドのお給金は決して高くない。

 だから私は、ちゃんと先のことを考えているの。


 ソフィ様に取り入って、専属メイドにしていただければ、一生安泰。

 だってソフィ様は、ビニ公爵夫人のお気に入りの姪御様だもの。


 あの方の将来は、もう保証されているようなものだわ。

 間違いなく高位貴族の奥方になる。

 ――いえ、王子様と結婚しても、少しもおかしくない。


 それなのに……

 ソフィ様は、ご自分の価値をまるで分かっていらっしゃらないのよ。


 姻戚とはいえ、王弟――ビニ公爵を伯父に持つ令嬢。

 そのビニ公爵様は、王に最も信頼され、国民からの人気も高いお方だ。


 高位貴族のご子息たちにとって、

 これほど魅力的な花嫁候補、他にいるかしら?

 だから、どうしても仲良くなる必要があった。

 なのに……


(マリエッタ様、本当に邪魔な子)


 いつもソフィ様のそばにまとわりついて、近づく隙すらない。あまりにも馴れ馴れしすぎるのよ。だから、罪を着せた。切り裂かれたドレスを、マリエッタ様のせいにすればいい。


(皆が幸せになれるじゃない? マリエッタ様を恨んでいる人は多いのだから。そして私はソフィ様の信頼さえ勝ち取れれば、大出世できる)


※ヒロイン視点に戻ります


 ビニ公爵様は「影」とおっしゃったけれど、私は聞かなかったことにした。

 だって、それどころじゃないくらい、ボナデア伯母様が素敵なお話を持ってきてくださったのだもの。


「夕食にね、とても素敵な方をお招きしたのよ。世界的に有名な音楽家、ケンジー・ラミラス様です」


 私は思わず目を見開いた。


「高名なピアニストでいらっしゃるし、メドフォード王国ラミラス公爵家の三男なの。演奏を楽しんだあと、皆でゆっくり夕食をいただきましょう」


「そ、そんな……私は恐れ多くて……。そのような方、王城や王立オペラハウスでしか演奏なさらないのでは……?」


「普通はね。でも、彼はよくビニ公爵邸に遊びに来るのよ。私は彼の母親、ラミラス公爵夫人と親友ですもの」


 胸が高鳴った。ケンジー様は各国を飛び回る音楽家で、シップトン王国にも来訪されたことがある。

 けれど私は、遠くの席から拝見しただけで、直接お話ししたことはない。


(嬉しい……けれど、気後れするわ)


 きっとサロンで演奏を聴くのだと思っていた。ところが、時間が近づくと、私は侍女たちに囲まれた。スザンナの指示で、髪は丁寧に梳かされ、頭の後ろで繊細な編み込みにされていく。小さな宝石の髪飾りが、きらりと優雅に輝いた。


 前髪を少しだけ残されて――自分で言うのも変だけれど、とても綺麗。

 ドレスは淡いレモン色の薄いシルク。

 白薔薇の刺繍が幾重にも重なり、スカートは歩くたびにふわりと揺れる。

 まるで妖精みたいだわ。


「ソフィ、なんて可愛いのかしら! それでいて理知的でクール。私の若い頃にそっくりね」


「伯母様こそ、今もお美しいです」


「ありがとう。さぁ、パーティホールへ行きましょう。今日は一緒に楽しむのよ」


 ビニ公爵邸のホールは想像以上だった。天井は高く、広々としていて、学院のダンスホールよりもはるかに大きい。白地に花模様の壁布が宝石のように輝き、シャンデリアの光が大理石の床に反射して、影まで踊っている。


 バーには色とりどりのドリンク。

 そして、豪華なグランドピアノが二台も。


 ケンジー様の演奏が始まると、ホール全体が音に包まれた。

 優雅で、華やかで、夢のような時間。


(この瞬間を、忘れたくない)


 夕食の席では、各国での演奏の思い出を語ってくださり、そのたびに、ボナデア伯母様とビニ公爵様は楽しそうに笑った。もちろん、お料理も最高だった。


※ちょっとココ視点


 私は、お母様とヴィッキー伯母様と一緒に、ブリス侯爵家の音楽会に来ていた。石造りの建物は立派で、シャンデリアがキラキラ、床には高そうな絨毯。


 音楽家たちは派手な衣装で、軽快な音楽を奏でている。

 大ホール級ではないけれど、十分に楽しい。


 宝石を身につけ、美味しい料理と高級ワイン。

 ――あぁ、なんて素敵なのかしら。


 きっと、ソフィは修道院で、貧しくて、退屈で、なんの楽しみもない生活を送っているに違いない。


(ふふっ……かわいそー)



たくさんの小説の中から拙作をお読みくださりありがとうございました。

ちょっとでも楽しい、面白い、続きが読みたいよ、と思っていただいたら

ぜひ、お星様評価もよろしくお願いします。


    よろちく


  / ̄ ̄ヽ ̄ ̄\

 ∠  レ |  ⌒ヽ

  \__ノ丶  )|

   (_と__ノ⊂ニノ


お・願・い・し・ま・す♪

引き続きお読みいただけると嬉しいです!



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