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第13話 ヘレン視点 / 優雅な音楽会 / ちょこっとココ視点

☆彡 ★彡(ヘレン視点続き)


 


 とても面白いものを見てしまったわ。ソフィ様のお部屋に3人もの令嬢が入っていくのを見てしまったのよ。私は周囲を見回して慎重に部屋に侵入し、少しだけ破かれたドレスをさらにメタメタに切り裂いた。そうして・・・・・・私はマリエッタ様だけを見たことをソフィ様に申し上げた。




 うふふっ、私はマリエッタ様をこの学園から追放したいのよ。




 エレガントローズ学院は名門だけれど、メイドのお給金はそれほど高くない。ソフィ様に取り入って、ソフィ様の専属メイドにしていただければ一生安泰だと思った。




 ソフィ様はビニ公爵夫人のお気に入りの姪御様だ。そのような方ならば、きっと侯爵以上の爵位を持つ殿方の奥方様になる。ソフィ様はご自分の価値をわかっていらっしゃらない。




 姻戚とはいえ、王の弟を伯父に持つ令嬢は、名門貴族のご子息達にとって、最も人気のある花嫁候補の一人になる。だから、どうしても仲良くなる必要があった。けれど、いつもマリエッタ様がまとわりついていて、一人でいらっしゃることがないのよ。




 マリエッタ様は本当に邪魔な子よ。ソフィ様に馴れ馴れしくしすぎなのよ。




 だから、マリエッタ様に罪を着せた。切り裂かれたドレスをマリエッタ様のせいにすれば、皆が幸せになれる。ソフィ様の信頼さえ勝ち取れば、私は大出世ができるのよ。








☆彡 ★彡(ヒロイン視点に戻ります)




 ビニ公爵様は影とおっしゃったけれど、私は聞かなかったことにしたわ。だって、ボナデア伯母様がびっくりするような、新しい話題を私に提供してくれたのだもの。




「夕食にね、とても素敵な方を招待したのよ。世界的に有名な音楽家のケンジー・ラミラス様よ。高名なピアニストでいらっしゃるし、あの方はメドフォード王国のラミラス公爵家の三男なのよ。美しい演奏を聴かせていただいたら、楽しく皆で夕食をいただきながら、おしゃべりをしましょうね」




「ボナデア伯母様、私は恐れ多くて・・・・・・そのような方は、王城や王立オペラハウスでしか演奏なさらないでしょう?」




「一般的にはそうだわね。でも、彼はよくビニ公爵邸に遊びにくるのよ。なんてことのない日常よ。私はラミラス公爵夫人とは、親友といって良いほど仲良しですからね」




 私は緊張してしまう。音楽家のケンジー様は各国を飛び回っており、シップトン王国にも、演奏のためにいらしたことがあった。けれど、私は遠くの席から拝見しただけで、直接お話をしたことはない。ボナデア伯母様と一緒にいると、今までお会いすることもできなかった方々と会えてしまう。




 嬉しいけれど気後れするわ。




 てっきり、玄関ホールの一角にあったサロンで、演奏を聴くのだろうと思っていた。けれど、時間が近づいてくると、私は侍女達に取り囲まれた。スザンナの指揮の下、髪は輝くように滑らかに梳かされ、頭の後ろで繊細な編み込みになっていく。小さな宝石で飾られた髪飾りが、優雅な輝きを添えた。前髪は額に少し残され、自分でいうのもなんだけれど、とても綺麗に見えた。




 ドレスは光沢のある薄いシルクで仕立てられた淡いレモン色で、小さな白薔薇が幾重にも重なるように刺繍されていた。スカートの部分は少しだけ透けており、歩くたびにふわっと揺れて妖精みたい。




「ソフィはなんて可愛いのかしら! それでいて理知的でクールな印象がありますね。私の若い頃にそっくりです」


「伯母様は、今も可愛らしくてお美しいです」


「ありがとう。さぁ、そろそろパーティホールへ参りましょうか? 今日は一緒に楽しみましょうね!」




 パーティホールはビニ公爵邸の中心に位置しており、エントランスから直接アクセスできる便利な場所にあった。


天井が高く広々としたお部屋で、エレガントローズ学院のダンスホールよりもさらに大きかった。




 壁は白地に花模様が浮き出した美しい布が貼られていて、宝石のような輝きを放っていた。大きなシャンデリアが床の大理石に反射して光と影が踊りだすようだ。




 ホールの一角にはバーも設置されていて、ドリンクやカクテルを楽しむことができた。さらに、そこには豪華なグランドピアノが2台も置かれていて、ケンジー様が奏でる素敵な音楽に酔いしれた。




 この大空間で一流の音楽家の演奏を聴くことができるなんて夢のようよ。優雅な旋律がホールに響き渡る。その旋律は少しずつ変化して、軽やかで華やかな曲調になっていく。私はこの瞬間を一秒一秒大切に胸に刻み込む。ボナデア伯母様との大切な思い出として、一生忘れないわ。




 ケンジー様は音楽家として世界中を飛び回っており、さまざまな国での楽しい経験を共有してくださった。夕食時にそれらのお話を聞きながら、私とボナデア伯母様にビニ公爵様は、大いに笑ったのだった。




 もちろんビニ公爵家のお料理は最高だった!








☆彡 ★彡(ちょっことココ視点)




 お母様とヴィッキー伯母様とともに、私はブリス侯爵家の音楽会に来ていた。会場は石造り建築で、広間は高い天井だ。シャンデリアがキラキラと輝いて、床には高そうな絨毯が敷かれていた。




 音楽家たちは派手な衣装に身を包み、楽器を響かせ楽しい音楽がサロンに流れた。彼らは大きなコンサートホールで演奏するほどの名声は持っていないけれどとても素敵だった。




 宝石を身につけ、美味しい料理と高級ワインを楽しんだ。なんて素晴らしいの? きっと、ソフィは修道院で貧しい、なんの楽しみもない生活を送っているに違いない。




 ふふっ、かわいそーー。




たくさんの小説の中から拙作をお読みくださりありがとうございました。

ちょっとでも楽しい、面白い、続きが読みたいよ、と思っていただいたら

ぜひ、お星様評価もよろしくお願いします。


    よろちく


  / ̄ ̄ヽ ̄ ̄\

 ∠  レ |  ⌒ヽ

  \__ノ丶  )|

   (_と__ノ⊂ニノ


お・願・い・し・ま・す♪

引き続きお読みいただけると嬉しいです!



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