エルフみたい
長い...です。いつもよりは。
キラキラとした逆光で眩しい...はやくドア閉めて?
なんてことを今この場で言ったら多分、不起訴で処分されるだろうから言わない。
はぁ。絶対カッコつけるために遅れたよ、絶対。
これも当然口に出せないので、心の中で留めておく。
王子は前へ進んでいった。当然のように、ね。
それも私達は当然のように、道を開ける。
っていうか同い年だったのかよ。王子。
内心で悪態をつきながらも、顔には出さぬように気をつける。まぁ気をつけてなくても、基本は無表情なんだけど。
王子がふと、こちらを見た。
まぁ正確には私じゃなくて父の方。
それも一瞬だったがまぁ、感覚が鋭い父のことだ。おそらく王子の視線には気づいてたはず。
王子はそのまま前に歩きつづけて、司教の前に立った。
その途端に、司教が声をかけた。
「今から能力を確認してもらう。
皆、神に祈りを捧げよ。」
そう言うと、みんなが一斉にに片膝をつき、祈り始めた。
それには勿論王子も含まれている。
なるほど。だから昨日、床掃除をいつもより数倍も熱心にやってたのか。
他愛もないことを考えていて、ステータスの時間が過ぎてはダメだから、私も祈る。
まぁこれに時間制限があるのかは知らんがな。
目を瞑りながら、祈ってみる.....祈るってどうやるんだろう。うーん。とりあえず神さまに呼びかけてみるか。
神さまの名前...なんだっけ。意外と前世で使われてた名前だということは覚えてるけど......。
まぁいっか。
神さま。
神さま。神さま、神さま、神さま、神さま神さま神さま神さま神さま神さま神さま神さま神さま神さま神さま......ポワワン
能力が表示されます。
え?
祈るのってこれで正解だったの。
意外な事実に驚く暇もなく、次々と頭に流れ込む感覚がする。
頭の中で...声.....いや、文字...?
多分、これは文字だ。
頭の中に文字が現れた。
その姿はゲームっぽくて.......凄いワクワクする。
【
自分の筋力 :15
同い年の平均 :10
全年齢平均 :30
自分の魔力 :65
同い年の平均 :15
全年齢平均 :50
自分の反射神経:85
同い年の平均 :4
全年齢平均 :35
自分の知識量 :125
同い年の平均 :10
全年齢平均 :55
自分の理解度 :70
同い年の平均 :35
全年齢平均 :45
自分の感 :70
同い年の平均 :50
全年齢平均 :50
自分の器用 :15
同い年の平均 :10
全年齢平均 :60
自分の才能 :60
同い年の平均 :50
全年齢平均 :40
性格:
文武両道として名がとおる素質はある。
身内以外には無慈悲で切り捨てる。
対人能力の素質がある。
必要なときに考え、直感で動くこともできる。
理論を重視させるときがある。
感情を重視させるときがある。
素質:
天才肌で、器用貧乏。
基本的に、なろうと思えばなれる。
努力が嫌いではない。
魔法:
水・氷・自然・風
補正:
魅了魔法・氷魔法・身体能力強化・天候魔法
】
という感じだ。
頭に流れ込んでくる情報が、記憶として入ってくる感覚がする。
多分これ、一生忘れないもの、なんだと思う。
ご丁寧に同年代と全年齢の平均まで載せてあるなんて、驚きだ。中高生のときにやったテストを思い起こさせる書き方.....。
ていうか改めてみると、私のステータスは凄い...のかな。
いや、全然か........?
まぁとりあえず、基本ステータスは平均以上だし、それなりにできる子ということなのだろう。
記憶量の数値がおかしいが、多分前世も含めているからだと思う。
チートっぽいけど、あんまりチートじゃないんだよなぁ......。
はぁ、同学年の子の平均高くない?こっちは毎日鍛えてるのに。いや、故意に鍛えてるわけじゃないけど。
才能と理解度は大人と10しか違わない。感 なんて大人と同じ数値だ。
やはり同級生の子、凄い。
転生したんだからチートあるかと思ったら、意外と普通な結果。拍子抜け。
とりあえずまぁ、普通の人よりはいいんだよね。
まぁ例えると、英雄にはなれないけど、小さなヒーローにはなれる......みたいな。
例えがわかりづらい?んなわけないよね。
ちなみに、才能とはスキルのこと。スキルを覚えやすい人や、そうでない人もいる。魔法と違って素質はいらない。努力すればいつかはできるというのがスキル。
魔法の才能は...水と氷、風に自然か...。なんだかエルフみたいな構成だなぁ。
あ、エルフって言えば、この世界にもいるんだよね!
って言っても、魔法の熱烈なオタクは森で引きこもってて、この国に来ているのは社交的なエルフ.....らしい。エルフの国もあるし、みんなそこからでないらしい。
まぁエルフにも火魔法を使う人は普通にいるんだけどね。
あと補正って言うのは、素質とリンクしている部分があって、その人が扱えない魔法の補正は体の方が消去してしまう......らしい。
補正の量が3個...いいのか分かんない。
性格は...的を得ているような感じ。
でも神聖な儀式?なのに、診断アプリの結果みたいな書き方で、変。
少しずつ、ざわめきを取り戻してきた。
みんな確認が終わったんだろう。
私も目を開け、辺りの状態を確認してみる。立ち始めている人もいるので、私も片膝をついた状態から起き上がる。
それに気づいた父が、一緒に立ち上がる。
この会場の全員が(見えるところまで)立ったところで、司教...さんが、話し始めた。