目次 次へ PR 1/30 プロローグ 「お前には、関係ない」 あの日、夜の冷気に満ちた部屋で、冷たい瞳でそう言い放った幸也さんは、一度も振り返ることなく私の前から姿を消した。 あんなに温かく私を抱きしめて、「俺の横に来い」と言ってくれた人だったのに。 私の孤独な鎧を溶かし、甘える場所を教えてくれた、世界でたった一人の「砦」だったのに。 ——ねぇ、幸也さん。 私はいつから、あなたの「隣」にいられなくなっていたの? どうしてあなたは、そんなにも哀しい嘘をついて、一人で遠くへ行ってしまうの?。