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第十二話【白竜】

 今までとは比較にならないほどの強敵たちと戦い始めて、かなりの時間が経過した。


 今現在、このオリハルコンの部屋で生きているのは一人と一匹だけ。

 

 片方は、全身血だらけの瑠璃。

 戦いの最中に布の服が破れてしまい、上半身裸になっていた。

 片目は腫れ過ぎてもう開いていない。

 

 そしてもう一匹は、巨大な白竜。

 こちらはほぼ無傷だ。

 

 周囲には100を超える魔物の死体が転がっていて、最初は綺麗だった水色の床が真っ赤に染まっている。

 

「はぁ…はぁ……。だめだ、こいつにだけ攻撃が通用しねぇ」

 

 そう言いつつ、瑠璃はジャンプをして白竜の尻尾の薙ぎ払いを躱す。


 攻撃が当たらないように気を遣うべき味方がいなくなったからだろう。

 最初に比べて白竜の動きが数段良くなっている。

 

 だがそれでも瑠璃のほうが敏捷性は勝っている。


「足りていないのは、攻撃力なんだよな」


 実際瑠璃の攻撃は、めり込んではいるが跳ね返されているのだ。

 ダメージが全く与えられていないわけではないが、攻撃をしている本人はその実感が湧いていない。

 

「……そういえば、この部屋にきてからいくつかレベルが上がっていたよな? 全部攻撃に振ってみるか?」


 もしかすると何か現状が変わるかもしれないと思い、瑠璃は走り出しながらステータス画面を開く。


 それと同時に白竜が白い炎を吐いた。

 狙いは瑠璃の進行方向だろう。

 

「あぶねっ!」


 急いで急ブレーキをかけ、反対方向へと走り出す。


 白い炎は魔物の死体を一瞬にして消滅させた。


 海のように溜まっていた血も、その部分だけが蒸発している。

 床自体になんの傷もないのは、さすがオリハルコンと言えるだろう。

 そんな白い炎の様子を見ていた瑠璃は、思わず目を見開く。

 

「あれをまともにくらったらさすがの俺でも死ぬだろ。……避けてよかった」

 

 それから白竜の尻尾による振り下ろしを横ステップで躱し、ステータス画面へと目をやると、なんとレベルが10000近くも上がっていた。

 

「は、マジで? こいつらそんなに経験値持っていたのか?」

 

 今瑠璃が言った通り、この部屋にいる魔物たちを倒せばとんでもない経験値が手に入る。

 それ相応に強いため、当然と言えば当然なのだが。

 

 ちなみに白竜を倒すことができれば、今の瑠璃のレベルであっても一匹で5000ほど上がるのだが、彼はまだ知らない。

 

「とにかく! これだけレベルが上がっているなら、攻撃が通用する可能性はある」

 

 瑠璃は、白竜からの強力な攻撃をひたすら避けながらも、ステータスとスキルのポイントを割り振っていった。

 ポイントの使い方はもちろん、攻撃力に極振り。

 

「これで少しはまともになってくれよ」


 そう言い、彼は白竜に近づいていく。

 

「グォォォ!!」

 

 迫りくる尻尾や爪による攻撃をなんとか躱し続け、ようやく足元に到着した。

 すると、白竜は突然翼を羽ばたかせて空中へと浮かび始める。

 

「遅ぇよ。……必殺、全力パンチィ!!」


 腕力にものを言わせて、白竜の下半身をぶん殴った。

 ほんの少しだけ皮膚が抉れる。


「グァォォ!!」


 白竜は鬱陶しそうに体を回転させつつも、天井の側まで浮かび上がる。

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