第十一話【オリハルコンの部屋】
気づくと、瑠璃は水色の部屋にいた。
天井、壁、床が全てオリハルコンでできており、神秘的な雰囲気。
「ここ、どこだ……って、えぇ!?」
彼の周囲には大量の魔物がいた。
巨大な白竜。
七首の大蛇。
腕が六本生えている阿修羅。
上半身が堕天使で下半身が蜘蛛の化け物。
その他にもやばそうなやつらが盛りだくさん。
この巨大な部屋のなかにいるそれらの魔物たちが、一斉に瑠璃のほうを向いた。
「なんだこのメンツ。全員規格外じゃねぇか」
瑠璃は冷や汗をかきつつ、にやける。
「なんかよくわからないけど、こいつらを全滅させればクリアってことだろ? ……面白れぇ」
360度、ゲームのラスボス級の化け物に囲まれており、全部で100匹以上はいるはずだ。
この状況を楽しめるのは、きっと地球上で彼一人だけだろう。
とその時、遠くにいたはずの阿修羅の姿が消えた。
同時に瑠璃は、頭と横腹と太ももの三か所を殴られて横に吹っ飛ぶ。
「──っ!? おい、嘘だろ。見えなかったぞ」
瑠璃がなんとか空中で体勢を整えていると、白竜の尻尾により地面に叩きつけられた。
「重っ!?」
オリハルコンの床と尻尾の間に挟まれ、瑠璃は血反吐を吐く。
「急に難易度上がりすぎ……だろうが!」
白竜の尻尾を持ち上げ、とりあえず脱出。
「右かっ」
横ステップを踏んで阿修羅の攻撃を避けつつ、瑠璃は白竜の下半身を全力で殴った。
拳はめり込んだものの、貫けない。
「お前硬すぎだろ」
横からくる堕天使のビームをしゃがんで躱しつつ、後ろからの阿修羅のパンチを紙一重で横に避ける。
「鬱陶しいから消えろ!」
全体重を乗せて阿修羅の頭にハイキックを入れると、相手の首から上が粉々に吹き飛んだ。
レベルアップの音が響く。
どうやら阿修羅はスピードと攻撃に特化した魔物だったらしい。
「よし、まずはいっぴ──うわっ!?」
突然瑠璃の頭上から雷が降った。
人外の反応速度により腕を掠るだけで済んだが、まともにくらっていれば丸焦げだっただろう。
瑠璃が周りを警戒しつつも一瞬だけ上を確認すると、空に翼の生えた女の子の天使がいた。
背中に魔法陣のようなものが張り巡らされている。
「あいつの仕業か。厄介だし、先に仕留めとくかな」
全身に包帯を巻きつけている化け物による、鎖の攻撃をしゃがんで躱し、その勢いでジャンプ。
「可愛い見た目をしていようと、俺に歯向かうやつは容赦なく殺す!」
近づくのと同時に、天使の顔面に左フックを合わせる。
相手の頭が一瞬で破裂した。
再びレベルアップの音が響く。
「あぁ……。死と隣り合わせで戦えるのはやっぱり楽しいな」
落下しながら、瑠璃はそんなことをつぶやくのだった。




