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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
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花結びの園

摂理を弾(アイ)く倫理()の盾()』の発動方法も聞いた、父との確執にもケリがつき、シャドウは両親から真広という名前をもらった。


短時間ではあるが、やる事はやったしやりたい事も殆ど終わった。これ以上、花結びの園と呼ばれるここに留まる理由も無いだろう。


「行くのね」


「うん。少し長居しちゃったくらいだから急がないと」


むしろ『摂理を弾(アイ)く倫理()の盾()』の発動方法を聞くだけのつもりだったので、時間的にはだいぶ長くなってしまった。

これ以上はいられない。惜しいと言えば当然と答える。ここにいれば両親とずっといられるかも知れないと考えると後ろ髪を引かれる思いはある。


「少し、寂しいわね。やっと会えたのに」


「仕方ないさ。こうして出会えたのも奇跡だ。『繋がりの力』とメモリーが偶然にも作り上げたそれらも、長い間維持できないのは俺達も何となく分かっているだろう?」


「そう、ね。こうして言葉を交わすことが出来るだけで凄いことだものね」


私も真広もまとめて抱きしめる母がそう呟く。父の返事は冷静で酷くも聞こえるかも知れないけど、それが現実だしそもそも亡くなったハズの両親と出会い、会話を交わし、触れ合うことが出来た。

それ以上を望むのは無謀だし、それこそ人道を外れたことをしなければならないと思う。


そうまでして、両親と会いたくないと言われれば勿論否だけど、両親がそれを望むとはとてもじゃないけど思わない。


「もう一度、会えるのか?」


「会うこと自体は真白の『繋がりの力』を使えば良いだろうがな。長時間は真白自身に負担が掛かる。控えるべきだろう」


「そうか、なら良い」


「ははは、そのぶっきらぼうさは直した方が良い。俺がそれで苦労した」


真広も父も、言葉数が少なくて表情が動かないタイプだ。それで色々苦労したらしいし、実際その不器用さが私との軋轢を生んだ原因の一つになってしまっていた。


理解者がいれば問題は無いけど、その理解者を作るのに苦労しては元も子もない。愛想は程々に良い方が得だ。

人との繋がりは色々なものを手繰り寄せる。良いも悪いもあるけれど、それでもあった方がプラスなのは私が体験済み。真広も友人を増やしていければ問題はないと思う。


「真白は自分の事をちゃーんと気にすること。没頭するとお水を飲むことすら忘れるんだから」


「うっ……。気を付けます」


「まぁ、沢山の人に恵まれたから大丈夫だと思うけれどね。あとは貴女が決めた為すべきことを為しなさい。母としてミルディース王国女王として、貴女の行く末を見守ります」


「うん、任せて」


母からの釘刺しと激励に強い頷きを返す。お母さんの子供として、そしてその力を受け継いだ者として、血筋と歴史に恥じない言動を心掛けないとね。

国は滅んでいても、私がミルディース王国の歴史を何一つ知らなくても。一つの王家の末裔であるという事は誇りに、そしてその自覚と覚悟は持って然るべきだ。


勿論、それを鼻にかけてはいけないし吹聴して偉ぶってもいけない。ま、人間界でミルディース王国の王家末裔です。なんて言ったところで妄想癖のあるヤバい人にしかならないだろうけど。


「じゃあ『いってきます』」


「『いってくる』」


「あぁ、『いってらっしゃい』」


「気を付けて。『いってらっしゃい』」


今度は意識してその言葉を投げかけ、返される。あの時は無意識に発した「いってきます」とは違う。家族へ向けての言葉。

いつからか私が言わなくなってしまった言葉で、真広が初めて言う言葉かもね。


大事な言葉だと思う。もう言えないと思っていた人達に送り出されて、私達は現実世界へと戻った。



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