中型飛行船
第2魔道工房の会議室。
職人5名と研究員10名がわいわいと話し合っている。
「人が乗れる飛行船を作るべきだ。俺は、はやく空を飛びたいのが分からないのか」
「まだまだ不安要素がテンコ盛りです!墜落した場合は確実に死にますよ!それでもいいのですか・・・」
「運が良ければ助かるかも・・・」
「そんな世迷言は通じません!」
「おいおい、そんなに怒るな。冗談だよ」
「生産管理のあなたが冗談を言っていいのですか・・・」
バツの悪そうに頭をかいて「すまん」と言う。
「わたしから提案です。中型飛行船を製作すればいいのでは・・・それも衝撃砲を載せて空から地上攻撃すれば効果的です。かの国では、ドラゴンのブレス攻撃が大勢の被害を出したと聞いてます」
「それならワシは、賛成じゃー」
「俺も異議なし」
なにやら賛成意見が多い。
議長も諦めたように発言した。
「それでは、中型飛行船に取り掛かります。意義はありますか・・・」
「異議なし」とあっちこっちから発言。
私は飛行場に来ていた。
更に拡張された飛行場は、幅も広がり距離も伸びている。
「あれが格納庫か・・・」
「はい、今は中型飛行船2機が格納されてます」
その格納庫の扉が開かれて、小型走行車に引張られて格納庫から姿を現す。
全長4メートル、広がる翼は5メートルもあった。
「これも遠隔操作で飛ばすので、墜落しても被害はありません」
「嫌々、落ちた場所が街中だったら被害はでるだろう」
「あ!そこまで考えが及びませんでした。街の上空は、飛行禁止でよろしいですか・・・」
「それなら許可するよ」
目の前の中型飛行船は、何故か真っ黒に塗りつぶされているぞ。
「何故、真っ黒なんだ」
「この中型飛行船は、夜間攻撃用の飛行船です。昼間に飛ばすと良く見えるので今回のお披露目に使用することにしました」
「すると格納庫の1機は昼間用か・・・」
「そうです・・・空の色を塗ってます」
なんと翼近くに2つの衝撃砲が装備。
上に出っ張っている部分をどうにか曲線にして、風の抵抗を少なくしているみたいだぞ。
「推進力を増すために魔力石2つも使用してます」
「そうなのか・・・」
「領主さま、始めてもよろしいでしょうか・・・」
「ああ、はじめてくれ」
飛行場の奥に待機した中型飛行船が動き出した。
はじめはゆっくりと動いていたが徐々にスピードが増して、私の目の前を凄いスピードで走り抜ける。
「あ、飛んだ」
鳥偵察機と違って迫力があるぞ。風切り音が半端ない。
飛び去った中型飛行船が旋回して戻って来た。
「領主さま、あの山が目標です」
分かるように旗が立て掛けてあった。西風になびいている。
突然に爆音が響き、土煙が舞う。
土煙が消えると2つの穴が開いているぞ。
「中型飛行船を着陸させよーー」
え、空高くに止まった状態で徐々に高度を下げて、飛行場へゆっくりと着地する。
「真上から降下できるのか・・・」
「はい、空に止まれるなら降下もできるのではと思い、やってみると成功しました。魔力石の出力を下げることでゆっくりと降下できるのです」
「それなら、出力を上げてゆっくりと真上に上昇してから推進力で飛び立てるはずだが・・・」
「あ!うっかりしてました。あはははは・・・」
笑い事ではないぞ。
何処からでも出撃できると思えば・・・良いか?




