表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/85

船の改良




連合会議でのドラゴン退治の報酬は、ウロコ10枚とドラゴンの魔石でけりがついた。


アルフホットの話し合いで「ドラゴンの魔石が欲しい」と前もって言った。


「魔石・・・それはなんだ」


「心臓近くにある石だよ・・・知らないのか・・・」


「ああ、あれか・・・あんな物が欲しいのか・・・それよりドラゴンのウロコの枚数を決めないか・・・」


連合国ではあまり魔石に興味はないらしい。





その魔石を使って、この船を改良中だ。


この国の船大工は使うことが出来ない。

情報がじゃじゃ漏れするリスクは避けたい。

だから私は1人でコツコツと作業をしている。簡単な部分は船員に丸投げにしている。


この国の市場に流れていたドラゴンの骨を買いあさった。



少し値段が高いが、それでも必要であった。

船全体に全て骨を使って補強を施す。めちゃくちゃな強度だと鑑定結果も出ている。


そして船底に大きな魔法陣を描いている。

その魔法陣をコントロールする支援魔法陣が3つも必要であった。


これまでの作業に4日も使ってしまった。私でないと出来ない作業が多過ぎる。




ミランダは街に売りに来た武器・防具商人にたずねて、武器と防具を鑑定指輪で鑑定して買いあさっている。


そして街の情報収集も同時に行なっている。物の値段から人物の性格や街の関わりなど全てだ。


それは枝分かれするように細かく調べあげられた、生きた情報で膨大(ぼうだい)な情報となった。




そして港町バークレイから、帆船が2隻がやってきた。

その中に今回の改良に必要な、色々な物を送ってもらっている。


途中で止まった改良がようやく再開できる。


今回の帆船はアルフホットの注文で、穀物を一杯積んで来ていた。

私は船員に指示して、私の荷物を取りに行かせた。


船上で受け取るなり、船底へ直行。

またコツコツと作業が始まった。


船員にも指示して手伝わせている。船員もなれたようでテキパキと作業を行なっている。



荷物からスライム皮を取り出し、大切な部分にはり付ける。


これでようやく魔力石をセットできるぞ。この部分はちょっと手直しが必要だな。


魔力石を指定の場所に10個をはめ込み、これでようやく魔力補充の問題を解決。

最大の問題のドラゴンの魔石をはめ込む。

荷物からルーン液を取り出し鑑定するも品質に問題ない。


未完成な魔法陣にルーン液を流しいく・・・もう1つの魔法陣にも流し込んでいく。


全魔法をゆっくりと照らし、全魔法が徐々に浸透(しんとう)してゆく。


もう1つも同じように行い、ようやく魔法陣は完成。



そこにマリとバンバやってきて。


マリ「領主さま契約にいくです」


「え!もうそんな時間か、それなら行くか」



そこには真新しい会館が建っていた。

入って待っていると、アルフホットと秘書官が入ってきた。


秘書官はテーブルに書類をだした「サインをお願いします」

私は書類を読んで、サッササーとサインをして秘書官に渡した。


秘書官から鍵と書類を渡され受取った。


アルフホット「頑張ってやってくれ」


「貿易会館はこの2人に任せるつもりだ、何かあったら頼む」


「その2人にか、分かった」そう言って出て行った。


マリ「領主さま、どう言うことです」


「聞いていなかったのか、ここがローランド辺境伯領の貿易会館だ。お前達が貿易官になったと言う事だ。この国の貿易は、お前達に掛かっているから頑張ってくれ。貿易会館の3階が住居だから好きに使うように」


そして鍵と書類を渡した。


「頑張ります」少し涙ぐむマリにバンバがよりそう。


「各国の貿易だが1つの国が難色を示してるらしい。もう少し時間が掛かりそうだ」


「なんとか良い方向に進めます」






いよいよ改良された船のテスト運行が始まった。


船長と船員は緊張している。


「帆を張れー」


・・・・


「風を吹かせー、面舵いっぱい」


スピードが増し沖合いに進み、しばらくして方位指針が指す方向に舵をきる。


方位指針とは通信話具の親話具の方向に針が指し示す。

これでローランドに迷うことなくたどり着ける仕組みだ。



アルト商業自治国にも、違う親話具が置かれているので海で迷子にならない。

だから2つ方位指針が手元にある。1つはアルト商業自治国を指し示している。


もう1つはローランド城を指している。周りに他の船がいない事を双眼鏡で確認。


船長が通信話具にむかって「浮上開始」と叫ぶ。


多分船底の船員が、魔石を置きスイッチを入れているだろう。

船が少しずつ浮かび上がると体に浮遊感を感じた。


何人かの船員は海面を見て「浮いてる、海から浮いてる」


そして充分な高度に達した。



船長「浮上パワーをその位置に止めろ」


高度が同じ高度のまま、帆にあたる風で前進スピードが上がる。



私は巨大なドラゴンが空を飛んでいるのを見て常識が変わった。


ドラゴンが飛ぶなら、船も飛べるだろうと考えた。

ドラゴンの魔石が龍魔法を簡単に発動させて空を飛べるようにしている。


船の荷物で重たいから普通の魔石では浮かばなかっただろう。



しかし軽い乗り物にすれば、普通の魔石でも充分飛べると思う。

帰ったらその乗り物を作ろうと考えている。


船を飛ばした事で、考え方に間違いが無い事に自信が持てるようになった。

本当は船が飛ぶか心配だったのが嘘のようだ。



そして空だと海より2倍のスピードで進んでいる。


これは物流の革命でもある。道を使わず障害物の上を飛ぶのだから。


道の移動から点と点の移動に変わった。最短ルートの移動ができる。

これを革命と言わず何と言うのか。



1日でローランド辺境伯領の陸が見えた。

山を越える為、高度が上がっていく。


私の領土が眼下に広がっている。田園も広く続い豊作であることがひと目でわかる。



ローランド城が見えた、帆にあてる風を止め城に近い湖へ。


そして時間をかけて、ゆっくりと着水。


叔父上とナルタが迎えに来ていた。

警護する兵の他に住民が集まっていた。騒がしく話し合っている。


「何故、船が飛んでる」


「俺は夢を見てたのか」


急ごしらえの桟橋に降り立ち、叔父上と抱き合った。


ミランダは、何故か涙ためて見ている。


「良く無事に戻ってきてくれた・・・心配したんだぞ」


「心配をおかけして申し訳ありません」


「いいんだ、戻って来ただけでもわたしはうれしいぞ」





もし面白ければ。

下の項目の☆☆☆☆☆でポイント応援して下さい。

良ければ5点、悪い1点でもお願いします。


気になる方は、ブックマークを付けて下さい。


書く為の応援をよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ