0022:メンバー追加?
気配探知は所謂パッシブスキルなのだろう。だだし、起動と停止が出来るようなのでそれは良かった。いつものようにラージラビットを狩った後に予定通りゴブリンの森に向かった。
「アイリーン、ちょっと教えて欲しいんだけど、ゴブリンって倒しても倒しても減らないよね?」
『まぁ、それだけゴブリンの繁殖力が旺盛だということです。伊達に森のゴキブリと呼ばれているわけでは無いですよ。』
「森のゴキブリか。それは確かに繁殖力が高そうだね・・・」
ゴブリンの森に到着し、今日の目標を確認した。
『さぁ、今日も森の中腹辺りまで行って上位種を倒しましょうか。』
「え? そんなことをしたら、また受付嬢に怒られるよね?」
『大丈夫です。早くランクをFまで上げれば良いんですよ。(それに、怒られるのはご主人様だけだし)』
「う~ん、何か騙されてるような気がするけど・・・」
『そんなことはありませんよ。さぁ、行きましょう。』
アイリーンに背中を押されて先に進むことになった。しかも、背中を押しているのはアイリーンの胸だ。狡い技を使うな。
アイリーンの胸に押されて先に進むと、ゴブリン、ゴブリンソルジャー、ゴブリンメイジ、ゴブリンアーチャー、ホブゴブリンが続々と現れる。
ゴブリン達が現れる度にファイヤアローを放ち、アイリーンが先頭になって突撃し盾で攻撃を防ぎ、俺がとどめを刺すという形が出来上がってきた。
『大分、戦闘スタイルが出来上がってきましたね。』
「ひょっとしたら、アイリーンって体で覚えるタイプか?」
『え? それって普通ですよね? 他にあるんですか?』
なるほど、アイリーンは軍隊式か。早めに気付いて良かった。結果として
・ゴブリン x8
・ゴブリンソルジャー x4
・ゴブリンメイジ x3
・ホブゴブリン x3
・ゴブリンアーチャー x2
を倒した。ヤバい、これは受付嬢に怒られるよな。何か良い言い訳は無いかな。
ちなみにゴブリンアーチャーは弓術スキルを持っていたが取得しなかった。
『ご主人様、そろそろ帰りましょうか。』
当然、帰り道のラージラビット狩りも忘れずにやった。無事に町へ着いた。ギルドに着くまでに良い言い訳が思い付かないかなと考えていたが無理だった。
「仕方がない。出たとこ勝負しかない。」
『ご主人様、別に死ぬわけじゃないですし。』
ギルドの中に入った。いつもの受付嬢がいた。逆にいなかったなら良かったのに。いつもの受付嬢がいるなら避けると後で怒られる時間が増えそうだ。諦めるしか無いな。
「すみません。買い取りをお願いします。」
『分かりました。って、あれ? アイリーンさん、その左手は?』
『ご主人様に治してもらったんですよ。完全に再生されています。』
『え? はえ? 完全に再生って、レイさん、凄いですよ。そんなことも出来るんですね。大神官様みたいですね。』
宿屋の女将さんも同じようなことを言っていたな。
「あの、出来れば、内緒でお願いします。」
『分かりました。それにしても仲良しですね。ふふふ。じゃあ、買い取りなので奥へどうぞ。』
『 (小声で) ちょっ、ご主人様。何故、腕を組んでいるんですか? 恥ずかしいじゃないですか。』
俺がアイリーンの腕に腕組みしている。アイリーンを逃がさないように。怒られる時は一緒だ。
そして奥に行き、アイテムボックスからゴブリン達の魔石、討伐証明部位、ラージラビットを取り出した。
査定した受付嬢が、『はぁぁぁ』と長いため息をついた。これは完全に呆れているな。
『レイさん、この前も言いましたが無茶は駄目ですよ。アイリーンさんもレイさんの無茶を止めて下さいよ。』
『申し訳ありません。今後はご主人様が無茶をしないように注意します。』
「え? アイリーン、何を言、、、」
アイリーンから尻をつねられた。余計なことを言うなという合図か。この場を丸く納めるためには俺が悪者になれば良いのか。でも、それってちょっと酷くないか?
とりあえず、買い取り結果は、大銀貨9枚、銀貨8枚、大銅貨4枚となった。報酬を受け取った。
「そういえば、ランクFにはどうすれば上がるの?」
『レイさんの場合はあと少しですよ。ランクG以上のモンスターの討伐数が規定数に足りていないんですよ。』
あと少しでランクアップすることを確認してギルドを出て宿屋に戻った。
夕食を食べ終わり部屋に戻った。いつものようにお湯でお互いの身体を拭いた。
「アイリーン、その、あの、いいかな?」
『………はい、分かりました。ご主人様。』
昨日のことが夢で無いことが確認出来た。至福の時間が終わった後にアイリーンから驚きの提案があった。
『ご主人様、そろそろパーティーメンバーを増やしませんか?』
アイリーンから、パーティーメンバー追加の提案だ。
「えっと、俺って戦力不足?」
『ち、違います。単純にパーティーの戦力アップですよ。そろそろ戦力アップを考えないと、より高ランクモンスターの討伐が難しくなると思いますので。』
「なるほどね。そうすると、やっぱり奴隷メンバーの追加かな。」
『え? 無理に奴隷を購入しなくても良いかと。普通に冒険者を募集する手もありますけど?』
「いや、メンバー間に格差を付けたくないしね。まぁ、細かいことは明日、話そう。」
奴隷に対して見下す態度を取る人がそれなりにいるのは見ていて分かる。
『そうですか、ありがとうございます。』
ベッドの上でアイリーンを抱き寄せた。
「お休みなさい。」
『はい、お休みなさい。』
アイリーンとキスをして眠りに落ちた。




