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阿久根頑介のTPO
私の祖父は鳶職で、背中には見事な刺青が彫られていた。
彼が、地元の小学校の建設に無償で市に協力する様な、立派な人間で無ければ、私は、刺青を身体に背負う人間に対して偏見を抱いてしまったのではないだろうか。
彼は、私が小学校の頃、亡くなってしまった為、彼が背負った、その覚悟を、私は今、知る由も無い。聴いておけば、良かった。とは、思うものの、覆水は盆に返らない。
私は、刺青を礼賛しているわけでは無い。ファッション感覚で、刺青を入れる若者を私は感心しない。刺青を入れたら最後、社会生活に支障を来したり、家族に迷惑が掛かる事もある。零したミルクを嘆いても、無駄なのだ。
それでも、人様に迷惑が掛からない範囲であれば、好きなだけ着飾って、人生を楽しむのも良いと思う。身体は、生きる為の道具であり、重要な事は、その道具を使って、どの様に生きていくかという事だ。
祖父は、私に、人間は外見では無いという事を教えてくれた。
「イマカルチャー」、二週目。
四人目の講師は、Tシャツ、短パン姿で現れた。
彼は、先ず、私に、人にものを教える立場にある人間は、外見も大切であるという事を教えてくれた。




