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冷たい玉座 1話

 冷たい風か僕達に突き刺さる。


「こ、これは夢か…?」


 仲間の一人がつぶやいた。


 同感だ。


 風は冷たく肌寒い。


 だけど、大地には花が溢れている。


 僕らはリリーを置いて、山の反対側に向かって降りていた。


 そんなに沢山は歩いていない。


 体も疲れていない。


 それなのに突然僕らは花に囲まれた。


 ヒソヒソ声が、かすかに聞こえる。


「うーむ、まずいな。みんな、なるべく花を踏まないようにして一目散に走るぞ!」


 仲間は不思議そうな顔をしている。


「説明は後だ!逃げるぞ!僕らは妖精の巣に迷い込んだ!生きたままミイラになるぞ!」


 僕は走った。


 仲間も意味は分からなくても僕を信じてくれた。


 妖精のテリトリーでは時間の流れが違う。外の世界に置いていかれてしまう。


 クスクスクス


「逃がさないよ」


 可愛らしい羽を生やした、いかにもな妖精が立ちはだかる。


 仲間は剣を振るうが当たらない。


 当然だ。


 僕は凛と声を上げる「死にたくなければ道をあけろ。容赦はしない」


 クスクスクスと妖精は小馬鹿にしている。


「後悔するなよ」



 僕は唱える妖精の禁断のことば



「目の前はまやかしだ。妖精なんか居ない」


 優しく冷徹に


 目の前の妖精が石になって地面に落ちた。



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