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タイガーリリー 2話
リリーの強さは戦士達を惹き付け、一つの勢力に成りつつあった。
リリーは、恋と敵意に身を焼いて充実していた。
ネイティブズとの戦争ごっこに飽きた王様には都合が良かった。
ウェンディーが帰った後の何かを埋めるにもリリーの存在は都合が良かった。
そして、彼女達は急速に近づいていった。
リリーの恋は叶ったのだろうか…?
僕らは、族長に和解交渉を頼んだが首を横に振るばかり。
虎は誰にも媚びないし、敵に情けをかけない。
普通の虎は、聡明で無益な戦いはしない。
今の虎は身を焦がし戦いに明け暮れる、まるで限度を知らない子供のように。
僕達は、重い足取りで山間を進む。
タイガーリリーが相手でも僕達は、負けない。
1人1人が強い戦士でも、投げ斧片手に突撃しか知らない相手に遅れはとらない。
昔と違い武器も戦術も進化した。
僕らは昔話の海賊ではなく、兵士に近い。
戦いが始まれば一方的な虐殺になってしまう。
それでも僕達は歩みを止めてはいけない。
リリーは、幸せだったのだろうか…?