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夢見たっていいじゃん!!!!  作者: YUKARI
第三章 始動
18/27

17 2人とレッスン

 レッスンに行く準備をして、マンションの地下駐車場に向かう。


 前を歩くノブくんをチラっと見ると、大輔くんと普通に話してる。

 キスされたのって、ノブくんとあたしが近い場所に居たから……何か、あたしがきっと妄想しちゃったんだ!

 

 なんて、自分に暗示をかけてると、ジュンくんの声に我に返る。


「助手席はダメだ!」

「は?」

「だからダメだって!」


 ボーっとさっきの事を考えながらも、ジュンくんの車の後部座席に大輔くんもノブくんが乗り込むのが見えたから、自然と前に乗るものかと思ったんだけど。

 後ろに3人乗れるけど狭いでしょ? そう思いながらも、渋々と後ろに乗る。


「助手席は、彼女しか乗せないんだと」


 隣に座ってたノブくんが耳元でボソッと言う。


「え? ジュンくんは、彼女いるの?!」

「俺らに、居るわけないじゃん。居たら、秋香さんに何されるか……」


 そ、そうか。

 アイドルだもん、一応は恋愛禁止ってやつがあるよね。

 ……じゃあ、なんでだ? 


「あ、事務所の前に誰か立ってるよ?」


 もうすぐ、事務所に着く所で遠目で仁王立ちした人が見えた。


「おっ。本当だ。ダイ見ろよ?」

「あ、秋香さんだ!」


 ノブくんと大輔くんはコソコソと楽しそうに話してる……これは、ジュンくんのお出迎えと言うやつでしょうか?


「なんで、秋香さんがいんだ?」


 ジュンくんは何も気づいてないから、その姿を見て2人ははクスクス笑ってる。


「ジュンくん、ありがとう!」


 到着して車を降りると、仁王立ちしたままの秋香さん。

 怖くて話かけられないけど、秋香さんの視線は真っ直ぐジュンくんに向いてる。

 そんな様子には気付いてないのか、ジュンくん普通にしてる。


「秋香さん、ちーすっ! 俺、車置いて来るから……って、え、あ? なに? なっ?」


 無言で秋香さんは、ジュンくんの車の助手席をバンッと開けて乗り込む。

 何が起きてるのか分からないジュンくんは、あたし達に助けてと視線を送って来てるけど、もちろんそれは無視。


 彼女しか座らせないって言ってる席に、黙って秋香さんが乗り込んで来たらそうなるよね……。

 

 何が始まるのかな? って、あれ?! 


「ひぃぃぃぃぃっ!」


 車の中から、ジュンくんの叫び声が聞こえたと思ったら、車が発進して何処かに行ってしまった。


「一体、何が……」

「気にしない、気にしない! さぁ、レッスン、レッスン! あははっ」


 ご機嫌な大輔くんに腕を掴まれて、ビルの中に引っぱられてしまった。


 せっかくのお仕置き見れると思ったけど、車でどっか行かれちゃ見れないからしょうがないか。


 レッスンスタジオに入ると、ノブくんが何か紙を見付けて見てる。


「おい、ダイ。俺たちの曲の振り付けを教えとけって、リュウさんからのメモがあるぜ?」

「俺らのデビュー曲かぁ。幸ちゃんは、俺らの曲は知ってる?」

「少しなら……」


 うんうん、そりゃあ……大輔くんも、ノブくんも、知らない人じゃなくなったから、気になってチェックしてたから、それなりには知ってる。


「なら、教えやすいね。2時間で流れ行けるとノブは思う?」

「ジュンより、体力あるっポイから平気なんじゃねぇ?」

「ん。じゃあ、ストレッチして始めようか!!」


 2人ともカラダ柔らかいなぁ。

 自慢じゃないけど、あたし前屈しても手届かないよ?


「うわっ! カラダ硬いな幸!」


 そう言いながら、あたしの背中をグっと押すノブくん。


「い、痛いっ、痛いっ! 無理無理! 筋いっちゃう!」

「はい、後10秒がんばれ。いーーち、にーーい……あ、ダイ、ここで幸って呼ぶのヤバいか」

「ちょっ! ノブくん、カウント止めるの反則だから! あっ、あぁああぁぁ、うぅううぅぅ……」

「ん? 気のせい、気のせい。よし、ストレッチこんなもんでいいか」


 手加減はしてくれたと、信じたいけど筋が切れるかと思った……。


「じゃあ、俺とノブで通しで踊るから軽く流れ見といて? あ、俺ら逆で踊るとズレルと思うから、鏡越しで見て」

「了解です。先生!」


 普通に2人と会話してたから、忘れてたけど2人ともアイドルなんだよね。

 目の前で、アイドルの本物のダンスが……プチライブが拝める?


 ジュンくんは居ないけど、2人だから、逆にレアだよね? クラスの女子が知ったら、どう思うかなー? 

 なんか、あたし凄い所に居る! すげー、すげー!

 

 あたしが感動してると、ノブくんがデッキのリモコンで、再生ボタンを押して曲が始まった。



 ──曲が始まったら2人の顔が変わった。



 ノブくんが踊りながら数字のカウントを取って、大輔くんは曲を歌を口ずさみながら。


 大輔くんは、ヘラっとした顔で踊ってるけど、だらしない感じにはなってないし、ノブくんはキリっと凛々しい顔で踊ってるけど、硬い感じではない。


 その表情が個性って言うのかな?

 あー、おバカなジュンくんは、見なくてもいい思ったけど、やっぱり3人で踊ってる姿も見たかった。


 やばい、2人供……本当にカッコイイ!

 プチライブって喜んだけど、プチライブなんて言ったら、失礼なんじゃないのかな?

 あたしがこの振り付けを、覚えても2人みたいに魅了するダンスは、きっと出来ないだろうなぁ。


「おーい? ユキ? ちゃんと見てた?」

「あ、うん! 見てたっ。2人が凄くて見惚れちゃった!」

「見惚れちゃったって……」


 はぁ? って、顔したノブくんに少しは照れたのかペシっと頭を叩かれる。

 

「イントロからやるから、最初はカウントに合わせて振り付け覚えろよ?」



 ******



「おーう。お疲れぇ、ユキやってんかー? って、なんでお前らがいんの?! 俺、トモにユキ頼んだはずだったけど?」

「あ、リュウさん、ちわーす。俺たちは、秋香さんに頼まれました!」

「鬼ばばぁ勝手に何してんだよ……そんで? お前ら教えられたのかよ」


 うーむ。

 リュウさんの中ではあたしに前半に、レッスンをしてくれてる人が違ったみたいで、勝手に変えられて少し不機嫌なご様子です。


「あー、言い難いんっすけど……」

「はぁ?! 遊んでたのかよ?!」

「あ、遊んでないです!」

 

 遊んでたのか? と言われて焦って否定したけど。

 教えてもらってて、2人と距離が近くて……特にノブくんにドキドキしたのは認めるけど、ちゃんとやってたつもりです。


 ノブくん、言い難いって……そんなにあたしは、覚え悪かった?!


「じゃあ、何が言い難いんだ?」


 ジロリとあたしをリュウさんが見る。


「あ、あたしは真面目に……」

「ノブっ! ユキからかうの止めなって。リュウさん、曲に合わせて一通りは踊れるようになってますから!」

「はぁ?! お前らの教え方で?!」

「うん。俺らが良い先生なのかって、錯覚したって事が言い難かっただけっすけど?」

「ジュンくんが居たら、分かんなかったけど」


 あれれ? もしかしてこれは、誉められてるの?

 必死で覚えようとしてたんだから、ビックリするから変な事を言うの止めて欲しいよ。


「へぇ、お前らでそこまで教えられたんだ? じゃあ、本当だったらもっと行けたって事か」


 いやいや!

 誰が教えてくれても、必死だったからあれが2時間の限界だって。


「じゃあ、3人で流して踊ってみろよ。ユキをセンターにして、ちゃんと出来てたら2人はもういいから」

「分かりましたぁ」


 ドスンと胡座をかいて、あたし達3人の目の前にリュウさんは座る。

 

「じゃあ、曲流すぞー。ユキは踊れなかったら、そこの2人のせいだから気にしなくていいからなぁ! あはは」


 それプレッシャーなんですけど、なんて言わせてくれる訳もなく、リュウさんはピッと再生ボタンを押す。


 大輔くんとノブくんの教え方が、別に覚えにくかったって事もないし、クリスタルのダンスと曲は何かテレビで見てたから、簡単な所は実は頭に入ってたんだよね。


「へぇ……後は違う事を教えるから、お前ら帰っていいよ」


 よ、よかった……!

 2人を解放するって事は、あたしが出来てたって事か。

 朝からずっと、色々と手伝ってもらってたから、これ以上は迷惑かけれないし。


「帰りは、ジュンが家まで多分送ってくれるから、俺はジムで時間潰してるわ。ユキ、頑張れよー」

「ノブとジム行ってもつまんないし、リュウさんここで見ててい?」

「は? 見てるってそんな……ねぇ? ユキ?」


 あたしの相手しなくていいのに、ここに居させるのも悪い気もするけど……。


「リュウさん、別にいいでしょ?」

「ユキは大丈夫なのか?」

「う、うん? でも、大輔くんのせっかくのオフが……」

「大丈夫、大丈夫! 俺、大人しくしてるから」


 なんか、リュウさんがオドオドし始めたけど。


 あれ? あっ!

 そうだ、リュウさんも大輔くんもあたしが女って、お互いに知らないと思ってるの?


 リュウさんは、秋香さんに怒られるのがヤだから、女って気付いてないであろう大輔くんに、なんで、ユキにそんな甘いの? って、聞かれるのが面倒なんだ。

 厳しくは教えるって言ってたものの、秋香さんがバックに居るから多少は女としてリュウさん扱ってくれてるし。


 それだったら、大輔くんは居ても大丈夫だと思うけど? ま、後でちゃんと言ってあげればいっか?


「リュウさん、時間もったいないのでよろしくお願いします!!」

「お、おう」


 うん。いつも通りだ。

 前半が振り付け覚えるだけだったたから、そんなに体力使ってなかっような気がするから、もう少しハードな感じでも大丈夫なんだけど。


 何をリュウさんは気にしてたんだろ?


「ユキ、はい。そこ足の使い方ちげーよ?」

「あぁ、そっか。はい、もう一度よろしくお願いします」

「て、ちょっと! 待ったぁぁああああ!」


 突然、慌てて私とリュウさんの前に大輔くんが割って入って来た。


「おい、ダイ邪魔しないって言わなかったか?」

「これ、ユキのいつも通りのレッスンなの? リュウさん」

「は? そうだけど?」

「ユキは、大丈夫なの?」


 ん? 何が? こないだのレッスンよりは緩のが若干あれだけど……心配してくれてるのかな?


「大輔くん、どうしたの? あ、リュウさん、いつもより緩めにしてくれてるみたいだから平気だよ?」

「緩め……?」

「うん。リュウさんもあたしが女って知ってるし、ねぇ? リュウさん?」

「「はぁっ?!」」


 なんで、2人が同時に叫ぶ?!


「ユキ! なんで、ダイが知ってるなら、先に言わないんだよ!」

「……あれで、緩めなの?!」


 はぁっと大きな溜息きを吐く2人。

 な、なんだ。あたし何かしたのかな??


「ダイ! あれは、その、あれだ!! 鬼ババに言うのは……」

「リュウさん、あれ俺達のデビューの時よりヤバいじゃないっすか!」

「女ってわかってたんだけど……ほら、本人は緩いって。なっ?! あはは」

「なんか、あたし変な事した……?」


 ジッと2人があたしを見ながらボソボソ何か話をしてる。


「これじゃあ、ほぼ決定じゃないっすか……リュウさん」

「あ、そうみたいだな?」

「何を話してるの?」

「いや、なんでもないよな? じゃあダイもレッスン付き合え!!」

「え?! ええええぇぇええ?!」


 こんな感じで、大輔くんも巻き込んでレッスンは終わった。


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