第六十一話 魂の欠片
「どういうことなんですか?」
動くことのないセツナにアヤがそう聞きつつ、セツナのセリフの意味が分からないような顔を浮かべる。
セツナはもう一度くすりと微笑むと口を開く。
「わたしたちですよ、お姉ちゃん」
「……お、おねえ……ちゃんって?」
セツナの言葉を繰り返した途端その言葉の意味を把握していった。
「…………まさかっ」
そう言って、視線を上げたところでセツナの体が白い光に包まれた。
「ミヤリョウヤ?!」
セツナはアヤに答えることなく、三匹の狼に迫った。
左に攻撃するふりをすると素早く右へ曲がって右にいる狼を叩いた。そのせいで、その狼は十メートルくらい転がった後で立とうとした、けれどその前に黒い煙に包まれた途端消えていた。
それゆえに、二匹の狼がもう一回同時に襲い掛かった。しかし、この先のリプレーみたいで、一方の狼を叩こうとしたけれどその他の狼を蹴って、その結果で消えさせた。そして、二秒待たずに残っている狼を白い光に包まれた拳で殴って、この前の二匹と同じく、黒い煙で姿がなくなっていた。
「はあ」
深呼吸をするとセツナは振り返ってアヤの方向へ向かった。歩けば歩くほど白い光がだんだん薄くなり、セツナもいつでも消えるような印象がした。
「お姉ちゃんっす」
セツナが口を開いたが、リョウヤの声が聞こえられた。
「リョウヤわたしも話したいのですよ」
今度はミヤの声だった。
どうにせよ、セツナの体の中にミヤとリョウヤがいたようだった。
「……ミヤ……リョウヤ……なんであなたたちが?」
「これっすか。まあ」
「説明するために時間がないのです」
ミヤの声がリョウヤの声を遮って、そう言いながら白い光がもっと薄くなっていく。
「けれどこれは最後の会える機会かもしれません」
「そうっすね。まあ助けになれたらそれでいいっすね」
「すごく助かったんです。わたしより強いんですね」
涙を堪えながらアヤがそう述べて笑った。
「そうかな」
「そうっすかね」
セツナの口でミヤとリョウヤがそう言うと白い光がセツナの体の傷を治すとセツナから離れてアヤの傷も治した。そして、蒸発するごとく白い光が失せた。
「さようなら」
もう傷の気配がないアヤがそう呟くと微笑んだ。
「……なにがありました? え? アヤさん!」
セツナの声を聞いた途端アヤの視界が黒くなって土に横になった。




