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0.知らなかった
「えっと⋯…蓮睡は知らないの?」
目の前の男は戸惑った表情で目を泳がせた。
久しぶりにかつての学友に会い、あいつ──霙霞藍が今はどうしているのかを聞きたかっただけ。それでさり気なく話を切り出した。
それなのにどうしてそんな言葉が返ってくるのか理解出来なかった。
ただ、隣にいる男がしまったと顔を顰めていて、どこか様子がおかしい事だけは察した。
「…⋯何をだ?」
平静を装って尋ねたものの、声はやっとの思いで絞り出した。
嫌な予感に胸の音がけたたましく鳴り、体が動かない。蓮睡は初めて恐怖を感じていた。
目の前の男が躊躇いがちにゆっくりと口を開いた。
「……霞藍は死んだんだよ、一年ほど前に」
「は……?」
その言葉に、燁蓮睡は頭が真っ白になった。




