↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

223/593

223弾 パーティ戦の特訓しよう?

『パーティ戦、バトルロイヤル。指定されたエリアへ行ってバトルロイヤル開始。最後の1パーティになるまでの戦闘。ただし殺害は禁止。他のパーティと共闘は可。詳細は明日に説明。』


 渡された紙にはそれだけが書かれている。


「いよいよなのね。特訓の山場ね。」


 ヘルバティアがそう言って緊張感を漂わせる。


「パーティ戦、ということは私たちの力をつなぎ合わせて戦わなくちゃなりませんね。」


「ふー、腕が鳴るわね。ミアン姉さん。」


「ミヤンは冷静にね。」


 ミアンとミヤンもそう会話しながら緊張感を漂わせるが、


「もうどうせ明日からでしょ、いまさら緊張してどうするのよ。あれよ、危ない時は素早く逃げて勝ち残ればいいのじゃない。」


 メムがそう言って緊迫しつつある空気に冷水を差す。


「メムちゃん、すごいことを言うわね。」


 とヘルバティアが、


「でも、まあそうですね。」


 とミアンが言うのを受けて


「まあ、あのダンのように小汚い手でヘルバティアに泥水ぶっかけるような手でも、なんでも使って逃げて勝てばいいのよ。」


 とメムが言い出す。ちょっと待て、あの手段はお前も同意していただろうが。例え話に出すにしてももうちょっと配慮とかないのか。


「確かに、私にグリーンヒルダイルの死体を投げつけたようにすればいいのかもしれないな。あんな手を使われたら確かに嫌だしな。」


 ミヤンも被害者的立場でそう言い出す。


「そうそう、こうやってダンのように嫌がらせ攻撃をしながら逃げちゃえば勝てるのじゃない。まあ今夜はさっさと寝ましょう。」


 俺をダシにして緊張感はほぐれたのだろうが、なんか釈然としない気分である。



「まあざっとこんなものよ。」


 寝室に戻るとメムがドヤ顔で言ってのける。


「……いや、まあ、さっさと寝ますか。」


「ねえ、褒めてくれてもいいんじゃない。」


「………まあ、明日からの、メム様の、活躍に期待しますので………。」


 俺があまりに釈然としない気分のままで淡々と言うと、


「なんで、棒読みな言い方なの。」


「ああ、そうですか。おやすみなさい。」


 俺はもうこのドヤ顔に付き合う気もないのでさっさと寝ることにする。



 翌朝、ロッジを引き払いドラキャに乗って一番最初に来た事務棟へ行って、そこで皆ドラキャから降りる。

 そしてとある一室に入るとしばらくして、皆が呼ばれて全く別のドラキャに乗って1時間ほど走って着いたところは、キャンプ場みたいなところだった。

 さっきまで居たロッジと違い、まさにテントが2つ張られていて、完全にアウトドアである。ただ付近には穴を掘っただけの……、俺は聞いてみる。


「あの、これは、この穴に用を足すのですか。」


「ええ、そうです。いっぱいになったと思われたら埋めて、こちらあたりで穴を掘ってください。」


 俺たちを連れて来た特訓所所員のシンプルな回答である。

 どうやらかなり実戦向けになっている。文明的な生活からはかなりかけ離れてしまったようだ。


「火の見張りは必要なのかもしれないわね。」


 ミアンが呟く。


「石組みでかまどを作りますか。」


「この辺りにしましょう。」


 俺とミヤンがそう話をする。

 そこへガーワンバーさんとトレガーマさんがやって来て、


「では詳細に着いて説明します。こちらをどうぞ。」


 ガーワンバーさんがそう言って紙をヘルバティアに渡す。


『パーティ戦によるバトルロイヤル。

  ・最後の1パーティになるまでの戦闘。

  ・殺害は禁止。

  ・他のパーティと一時的に共闘は可。

  詳 細

   参加パーティ数 6

   1 戦闘不能の判定は審判役による、パーティ総員の

    降参も可

   2 魔術(魔道具、魔法)と武器による攻撃全部可

   3 殺害は禁止なので攻撃をいかに手加減しつつ戦闘

    するかが肝

   4 猛獣クラスの害獣の出現あり、これの排除は可

   5 バトルロイヤルエリアの中央の塔にボーナスポイ

    ント有り、順位決定の元になる

  注 意

   1 パーティの構成等は一切当方から教えない

   2 ボーナスポイントになるものが何か、塔のどこに

    あるかは当方から教えない

   3 猛獣クラスの害獣については当方から教えない 』


「えーっと、これはもう全参加パーティで戦って勝ち残れってことですね。どんな手を使ってもいいのですね。」


 渡された紙を読んだヘルバティアがガーワンバーさんらに質問する。


「ええ、そうです。」


 ガーワンバーさんが言葉少なく答える。


「期限は無制限ですか?。」


 俺が追加で質問する。


「最後の1パーティになるまでです。」


 トレガーマさんが答える。ダラダラ逃げ続け期限切れを狙うのは難しいのだろう。


「さあ、パーティバトルロイヤル、間も無く開始します。私たちは隠れて皆さんの審判をしますので、のろしが上がったらスタートです。」


 ガーワンバーさんがそう言って空を見上げる。


 ヒューーー、ドン


 大きな音がして空に球体状の黒い煙が上がる。


「はじまりました。ではこれで。」


 そう言ってガーワンバーさんがスッと俺たちの視界から遠ざかり、後を追うようにトレガーマさんも森の奥に消えていった。



「じゃあ、やるしかないわね。まずは、塔に行くか、相手を探して倒していくかよね。」


 ヘルバティアがそう言って戦闘する気満々だが、


「まずは状況把握が最優先です。他パーティの情報が皆無、ここの地理も不明、え、地図はリーダーが持っているのですね。でもまずは相手とボーナスポイントについての情報を集めたほうがいいですね。」


 俺は明確に反対である。


「でも終了条件は1パーティが勝ち残ったらだろう、とすると、戦っていかなきゃ終わらないだろうし。」


 ミヤンがヘルバティアと同様に戦闘する気満々で俺の反対意見に異議を唱える。


「他の5パーティがどういう戦略を取るのかも不明な状態で、片っ端からパーティを倒していけたとしても、残りの他パーティに共闘されたら人数的にも戦力的にも圧倒的に不利になりますよ。このパーティ戦の特訓メニューの詳細を見る限り、パーティ同士の戦闘を煽っているようですが、あまりに煽りすぎでしょう。」


 俺の意見は的を得ていたようで、ヘルバティアとミヤンが口を閉じて眉間にしわを寄せる。


「ニシキさんの意見はよくわかりました。確かに他の5パーティをまとめて相手にすることがいいとは思えませんし戦力の比較もしていないですからね。ティア姉さん、ここはニシキさんの言う通り偵察中心にして動くのが一番でしょう。」


 ミアンがそう言って俺の意見を推してくれる。


「ええ、それに俺たちにはこの優秀なグランドキャットがいますから、そうですね、メム様。」


 そう言って俺がメムをじっと見ると、


「そ、そんな、いきなり、何を言い出すのよ、もう、当然じゃない。というか何か照れるのですが、ダンはどうしてまた急にそんなこと言い出すのか。」


 そう言いながら、照れてしまうが満更でもなさそうな表情をするメム。


「メム様、ここはメム様の実力を発揮する時です。探知能力をフルに使いましょう。それに必殺技も身につけたのですから、まさにおニューなメム様としてここは一つお願いします。」


「おニューなメム様、って言い様はおかしいからね。そう言うのなら新生メム様とでも言えばいいのよ。あー自分で言うと何かむず痒い気分ね。まあいいわよ。私の実力が発揮され、他のパーティの奴らに私の必殺技が炸裂する日が来たのね。」


「あのー、必殺技は抑え気味でお願いします。……殺害は禁止ですので。」


 褒めておだてたら思わぬ方向に暴走しそうになるこの元女神猫をなんとかなだめすかす。


「じゃあ、ニシキさんとメムちゃんが前方で偵察しながら塔に向けて進んでみましょう。」


 ヘルバティアがそう言って、まずはバトルロイヤルエリア中央の塔に向かうことになる。


「他のパーティが襲ってきたら、返り討ちにすればいいのよね。ティア姉さん、ミアン姉さん。」


 ミヤンが戦闘する気満々のままでそう聞いてくる。


「そうね、ただ複数のパーティで襲ってきたら逃げるしかないでしょうね。」


 ヘルバティアはわかって来ているようだ。


「ミヤン、わかっていると思うけど冷静にね。」


 ミアンがそう言ってミヤンに言いきかせる。


「じゃあ、出発。」


 ヘルバティアがそう言って号令をかけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。