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ある日突然世界が滅亡したら…  作者: 水上イリス / ICCHAMA
第3章 放浪の旅、まだ見ぬ地へ
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第9話 旅立ち

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 日常が変わってから数週間。僕はある程度の食料を貯蓄し、乾燥させて保存食を作った。そして、煮沸した水を飲み切ったペットボトルに注いで準備をしていた。何の準備かって?僕はある決断をしたのだ。それは、自分の街だった場所を出て、各地を巡る旅にでること。僕はこれまで1人で過ごしてきた。とても寂しかった。うまくいかないことも多かった。辛いこともたくさんあった。一方で、成し遂げられたこともある。でもどうしても埋まらない、欠けているものがあるのだ。それは友人。何でも話せる相手。僕の話を聞いてほしい。面白い話をして楽しく笑い合ってほしい。安心感を与えてほしい。

「どこかにきっと生きている人がいるはずだ。もしかしたら僕の友人や家族も、救助されて遠くへ避難しているのかもしれない。ニュースでは世界滅亡なんて言っていたけど、地上全体に隈なく攻撃なんて不可能だ。絶対無事な地域があると思う。僕は諦めない。だって、これまで諦めずに過ごしてきて多くのことが上手くいった。信じる、信じよう、信じなきゃ!」

僕は数日後に旅立つことを決めた。

 旅立ちの日。僕は自作の保存食とペットボトルに詰めた煮沸した水、火起こしセットなど必要なものをカバンに詰め込んで出発した。僕はこれから各地をまわる。親しい人との再会や自分と同じ境遇の人との出会いを求めて。僕は新たな一歩を踏み出した。

「ビシャッ」

靴が泥だらけになり、浸水を起こした。

「……」

昨日は結構雨が降っていた。水たまりもあちこちにある。だが気が付かなかった。

「新たな一歩は最悪だ。」

微かな微笑を浮かべながら、自虐ネタで自分を奮い立たせる。

「気を取り直して、さあ行くぞ!」

こうして僕の各地を放浪する旅が始まった。


 そんな彼の後ろを、距離を取ってついていく黒い影が1つ。彼はこの存在には気づくことなく、また、これが何者なのかはまだ知る由もない。小柄で黒いこいつは、4つの足で彼の後を追うのであった。

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