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逡巡憧憬、千日手
どれだけ生活を志せど
規則に身を置けど忘れがたく
ふと月桂冠に憧れては
甘い夢想にひたるのだ
現実の倦怠、不如意、無聊
生活の病が兆すころ
イメージの狩人気取りで
勇み足に鵞ペンを拾うのだ
些細な刺激が詩想を産み
語句がさらなる語句を呼ぶ
小さな世界を思うがままに
読めば胸躍る、そんなソネットを
やがて思い出す 放筆の故。
現実、私の詩は退屈で
イメージをまるで毀したものだ
産みの苦悩に支配されつつ
なおも栄光諦め得ずんば
いっそ指ごとへし折ってしまえ
あるときは無味乾な文字列に倦み
あるときは単調な生活に倦み
あるときは修辞と韻に感動し
あるときは労働にただ感謝する
詩の栄冠か生活のパンか
怠惰ゆえ両立するあたわず
日毎夜毎のわれわれが
主張を主張で洗う闘争
あるいは談合、出来レース
一日あれば決まるものを
責任逃れに先延ばし
その日を一口かじっては捨てる
情熱と意思の欠如か
猶予の喪失への恐怖か
いずれにせよ決めかねて
パンと月桂冠が腐っても
ひとり知らず決めかねて
息絶える間際も決めかねて




