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SHADOW  作者: Ak!La
第四章 秩序のカタストロフィ
52/112

#52 強奪

───神暦38326年5月27日───

 国を揺るがす大事件のニュースが流れた翌日。

 買い出し担当になっていたエレンとアーガイルは、二人でイヴレストに降りて来ていた。買い物リストを見ながら歩いているアーガイルに、エレンはふと話しかける。

「……そういや、お前の親父も軍人だったよな……」

 顔を上げたアーガイルは、とても嫌そうな顔をした。

「その話……いや、するなって言ってる場合じゃないか。今回の件、父さんは絶対関わってるし……」

 はぁ、とため息を吐くとリストをしまう。

「父さんは副元帥だし。きっと今回の事件の首謀者の一人だ」

「……あぁそうだ、ド幹部も幹部だった……」

 セシリア軍No.2。それがアーガイルの父だ。二人の泥棒現役時代には既にその座についていた。

「僕の家系は代々軍人でね。先代の元帥なんかは僕の祖父だし。僕も多分軍人になるはずだった。でも君が誘ったからそれは果たされなかった」

 家のことについて、アーガイルはあまり話したがらなかった。幼馴染なのでぼんやりとエレンはアーガイルの家の事情について知ってはいるが、彼の口からそう多くを聞いたことはない。

「…………軍人になりたかった?」

「まさか。僕はあんなところゴメンだ。……兄さんは父さんを恨んですらいるし……」

「ユーヤ兄が?」

 こくりとアーガイルは頷いた。父親の顔すら覚えていないエレンからすれば、物騒な話だなと思う。

「母さんが死んだのは父さんのせいだって。……確かに父さんは、全然家に帰って来なかったけど…………僕はそうは思ってない」

 家族のことを思い出して、アーガイルは物憂げな顔をし、そして大きなため息を吐いた。

「……父さんは何を考えてるんだろう。国を乱すようなことをするなんて……」

「でも、トップじゃないだろ」

「副元帥なら止められる。真の首謀者が元帥だとしても、父さんは十分共謀者だ」

「…………無理矢理言うことを聞かせられてるとか?」

「そういう仲じゃないと思う。大体、父さんはめちゃくちゃ強いし……」

「……あぁ」

 中将のフォレンやレイミアを思うと、軍のトップなんかは手が届かないくらい強いんだろうなと思う。

「────何で俺たち放っとかれてたんだ?」

「さぁ。気に留められてないだけじゃないか、泥棒なんて。探偵の管轄だったっていうのもあるかもしれないけど」

 あの探偵にも同じようなことを訊かれたなとアーガイルは渋い顔をしながら思い出した。

「探偵と軍の関係は複雑なんだ。同じ治安維持組織だからこそ……その関係性は危うい。元々不仲だったけど、まさかここまで悪化させるなんて……」

 どちらも二人にとっては敵だ。それでもどちらかが、あるいはどちらも無くなればいいとは思わない。それは社会にとって必要なものだからだ。それを敵としたのは自分たちの選択だ。

「……探偵がもし消えれば、僕たちを追うのは軍の手だ。そうなったらいよいよ父さんは僕たちを放っておかないだろうね」

「…………俺たち一応指名手配犯だしな……」

 ────と。その時二人はゾクリとした気配を感じた。立ち止まる。背筋が震えた。

「……アル」

「何」

「振り向かないで、走るぞ」

「そう……いや、多分無駄だと思うけど……」

「いいから!」

 アーガイルの手を取り走り出す。が、すぐに背後に気配が迫り、強い光のエレメントにエレンの背筋がピリリとする。

「!」

「────久しぶりだってのに挨拶も無しか()()()()()

 低い壮年の声が耳元で響く。咄嗟にエレンはアーガイルの足元から影で前方へ突き飛ばした。直後エレンが頭を下げると頭上を光が通過した。……いや、腕だ。辺りで悲鳴が上がり、周辺にいた人々が逃げ出して行く。

「……エレン!」

「大丈夫だ!」

 地面に手をつきながらエレンは方向転換すると、棒を展開し襲撃者の姿を見る。長身の男。見知った色合いの金髪と、サングラスの奥に隠された黄色の瞳。

「────父さん」

 アーガイルが震えた声で言う。噂をすれば影がさす、とはまさにこのことだ。……いや、もっとも彼は光の守護者でさしたのは光なのだが。


 イーサイル・エウィン。現セシリア軍副元帥。他ならぬアーガイルと、そしてユーヤの父親。エレンは幼い頃に故郷の村で数回顔を見た程度だ。記憶の中の彼より随分と老けている。今は50手前かそこらだったか。

 軍服を着ていない白シャツに黒ズボンの姿を睨め付け、エレンは唸るように言う。

「……何しに…………と言うか何でここが……」

「軍の情報網を舐めるな。コソ泥の潜伏場所なんぞすぐに割り出せる。何しに、とは捕らえに来た以外にあるのか?」

 息子の顔見に来たとかあるだろ、と心のどこかでツッコんでみるが彼がそういうタイプではないのは嫌でも分かる。第一、家に帰らないことでユーヤが恨むような相手だ。

「…………副元帥直々に捕らえに来るなんてね。光栄だよすごく」

「────生意気な口を利くなアーガイル」

 肩を竦める息子に、イーサイルは目を鋭く細めた。

「まぁ良い。用があるのはそこのバカ息子だけだ。お前はそこをどけ」

「捕まえに来たって言われて誰が大人しく渡すか!」

 と、エレンは棒を構えながら疑問に思う。なぜアーガイルだけ? 自分のことはどうでもいいのか。

 イーサイルは強烈な殺気を放っている。二人がかりで掛かろうが瞬殺される気配だ。息子だろうがその幼馴染だろうが手加減する気は一切無さそうだ。エレン諸共捕えることは、彼にとって難くないはずだ。なのに、なぜ。

 だが、そうと言われれば取るべき行動はひとつだ。エレンは振り向かないまま言う。

「逃げろアル。ここは俺が足止めする」

「! ダメだ! かないっこない!」

「狙いはお前だ、大丈夫、俺は死にやしないし────」

「っ……君はまたそうやって………!」

 と、歯を食い縛りそして文句を噛み殺したアーガイルは、(きびす)を返して走り出した。

「────逃がすと思うか」

「それは俺のセリフだ!」

「!」

 イーサイルは体が動かない。見れば影がエレンと繋がっている。舌打ちしたイーサイルはその膂力(りょりょく)を以て体を捻る。

「……何っ!」

 影縛りに掛かった相手は本来微塵も体を動かせないはずだ。が、その力に引っ張られてエレンは体勢を崩す。

「クソガキが!」

「!」

 エレンが繋いだ影を、イーサイルの光の力が逆流する。相反する力が衝撃波を生む。エレンは後ろへ吹き飛ばされた。

「ぐあっ!」

 どっ、と地面に背中から打ち付けられるが、すぐに体を起こす。そして目を疑った。イーサイルの腕から電撃がバチバチと放たれていた。

「一瞬で終わらせる。邪魔をするなら殺すぞガキ」

「…………雷の力って……」

『憑神者です! 光と()の精霊を……』

 リリスがそう言う。そう言えば“闘”の精霊がいるならば守護者にない属性のほかの精霊もいるのか、とエレンはそう思った。

「……まぁそうか、俺みたいなのがしてるならアンタもしてるよな、憑神」

「あ? お前も憑神者か。……二体持ちとは贅沢な。持ち腐れだな」

「うるせェよ!」

 イーサイルの腰には剣が提げられている。だが彼がそれを抜く気配はない。まるで必要ないとでも言うように。

 イーサイルが襲いかかって来た。光による移動、アーガイルのそれよりも疾い。ほとんど反射で体を横へ動かす。さっきまで胴のあった場所を電撃の迸る手が通過する。ガラ空きのイーサイルの背へ、棒を振り下ろす。だが、謎の力で弾かれる。……いや。エレンの目は僅かに捉えた。彼の背中から発された電撃を。

 金属製の棒と腕を通してエレンは感電する。それをイーサイルが見越していたかは知らないが────痺れ、動きの止まったエレンへと、バチバチと激しく弾ける雷撃が襲いかかる。

「!!」

 ズンと大きな衝撃がエレンを襲う。少し遅れて大量の血を吐く。イーサイルの腕が腹に突き刺さり、背中から出ている。そこから持続的に放たれている電流が、エレンの体を蝕む。声すら出ない。引き抜かれて、エレンはそのままうつ伏せに地面に倒れた。

 異変に気が付いたのか、遠くにいたアーガイルが立ち止まって振り向く。それを認めたエレンは、力を振り絞って叫ぶ。

「ばか……立ち止まるな……!」

 思ったほどの声は出ていない。致命傷だ。────普通ならば。だが不死身の体はまだ意識を保っている。アーガイルとの距離はまだ光の力を持つイーサイルの射程圏内だ。全然時間稼ぎが出来なかったことに唇を噛む。

「……こんなものに手こずっていたのか、奴らは」

 ゴミでも見るような目でエレンを一瞥したイーサイルは、アーガイルの方を見ると稲妻を残してその姿を消す。

「!」

 一瞬でイーサイルはアーガイルに追いつく。そしてその右手がアーガイルの首筋を打つ。僅かに放たれた電流がスタンガンのようにアーガイルの意識を奪った。そのまま力なく倒れた体をイーサイルの腕が受け止める。

「…………まだまだ弱いな、こんなものでは」

「────アルを返せ……」

 大きな声が出ない。既に再生が始まっているのを感じるが、助けに行くには間に合わない。……いや。例え立てたとしても、自分にはもうどうにも出来ないのかもしれないが。

 イーサイルはこちらを見ることなく、アーガイルの体を肩に担ぐと光の粒子を残して消えた。

「クソッ………クソッ!」

 地面を拳で叩く。相棒一人助けられない。己の無力さが悔しかった。今になってようやく体が動く。動けなかったのは恐怖のせいもあったのか。どちらにせよ、まだふらつく体を武器を支えに立ち上がったエレンは、とにかく家の方へと向かうのだった。


* * *


 玄関に辿り着くなりエレンは倒れ込んでしまった。傷はもう治りかけているものの深いだけにまだ完治とは行かない。血が足りないのか寒気がする。

「エレン?! どうした!」

 異変に気が付いたグレンがやって来る。助け起こしてエレンの怪我に気がつくと青ざめる。

「なんっ……何があった」

「アルが……軍に連れて行かれた……」

「は?!」

 それだけ言うとエレンはグレンに全体重を預ける。意識が保てない。そこへケレンが二階から降りて来る足音がする。

「……どうしたの?」

「ケレン! エレンが!」

「!」

 瞬時に状況を把握したケレンの顔が、医者のものに変わる。階段に足を掛けながら、ケレンはグレンに指示する。

「僕の部屋へ。すぐに治療する」

「分かった!」

 ケレンは先に二階へ戻る。グレンはひょいとエレンの体を抱きかかえるとその顔を覗き込む。

「……おい、大丈夫か」

「────治療はいらない……すぐに治る………」

「放っとけるか! お前これ……腹貫かれてんのか」

「…………」

 息が辛い。目を閉じてただ息をしているとグレンがゆるゆると首をふる気配がする。

「……話は後で聞く。今は何も考えずに休め」

 コク、とエレンは頷く。兄の言葉に少しばかり安心する。緊張の糸が切れたエレンはやがて意識を落とした。


* * *


───神暦38326年5月28日───

 エレンが目覚めると翌朝だった。体を起こすと上裸だった。きっとケレンが血に汚れた体を拭いてくれたのだろう。

「……兄さん! 大丈夫なの?」

 丁度ドアが開いてケレンが現れる。エレンの着替えを手に持っていた。彼の近付く気配で目が覚めたのか。

「────心配いらない。ありがとな」

「僕は何も……何かする前に傷跡がなくなっちゃって」

 それだけ、とエレンの右腕に繋がっている点滴を指差す。そして兄が何か話し始めそうな気配を感じると、片手でそれを制した。

「ちょっと待ってて。お兄ちゃんを呼んで来る」


 起きて服を着たエレンを見るなり、グレンは安堵した様子を見せた。そして兄と弟二人は椅子に座ると、ベッド縁に座るエレンと向かい合った。

「……それで、何があったんだ」

「実は……イヴレストでアルの親父と遭遇して……」

「え。あのおじさんか」

 グレンはエレンよりも彼について覚えているようだった。グレンは腕を組むと思い出すように斜め上を見る。

「昔は仏頂面のちょっと怖い人って印象だったけど、そうか、軍の副元帥だもんな」

「いや。ちょっとなんてもんじゃねェよ。全然歯が立たねェし……俺は不死身じゃなきゃ殺されてたし……アルもあっという間に捕まったし……」

「そうだ、アーガイルだ。軍に連れて行かれたって?」

 グレンの言葉にケレンは眉をひそめる。

「……何でアーガイルさんだけ? 兄さんのことは殺すつもりだったってこと?」

「さぁ、それは分からない。俺のことを捕まえる気がなかったのは確かだけど。アーガイルのことはほとんど怪我もなく連れてったし……」

 気絶はさせられていたが、必要最低限の攻撃だった。エレンに向けられたものとは天地の差だ。

「……アルをどうするつもりなのかも分からない。早く助けに行かねェと、何されるか…………」

「それはそうだが……お前一人で行くつもりか? いくら何でも無茶だぞ」

「何で。兄貴は手伝ってくれないのか?」

 エレンがそう言うと、グレンは困った顔をした。

「そうしたいのは山々なんだけどよ……俺って一応世間的には死んだことになってるだろ? それが堂々と生きてる姿晒す訳にはいかないだろ」

「…………それは俺もな気がするけど」

 恐らくイーサイルはエレンが死んだと思っていると思う。

「ことの大きさの差が全然違う! 俺は大々的に報じられてんだよ! ……だからすまん、今回俺は力になれない」

「そんな……」

 エレン一人の力では難しいことは確かだ。しかも今は軍と探偵の大事件のさなかでもある。これが無関係とも思えない。下手をすれば二勢力のぶつかり合いの中に身を投げ出すことになる。せめて助っ人は一人欲しい。……頼れるのはあと。

「…………イアリには迷惑かけたくねェしな……」

 そもそもここのところイアリの姿はあまり見えない。たまにフラリと帰っては来るが、ほとんど外出している。どこで何をしているのか。

 ロレンたちは軍の関係者だし、そもそも渦中の人間だ。今連絡を取るのは危ういように思う。侵入さえ出来れば協力を仰げるかもしれないが、彼らにも立場というものがある。

 ケレンは論外だ。フェールがいるとは言え、そんなところに連れてはいけない。

「誰か…………あ」

 一人思い当たった。そして彼なら最も頼りになるし、協力を仰げば必ず頷いてくれるはずだ。

「何だ? 誰か頼れる奴がいるのか?」

「ユーヤ兄…………」

 その瞬間、グレンは心底嫌そうな顔をして────そして特大のため息を吐くのだった。


* * *


 ヘルメルクの外れ。例の洋館をエレンは訪れる。この腕を作ってもらった時以来の来訪だ。グレンはついて来なかった。顔を見ればユーヤの悪口が止まらなくなるからだ。それくらい二人は仲が悪い。

「……ユーヤ兄? いるか?」

 軋む扉を開けて、声をかける。連絡先はアーガイルしか知らない。エレンには(かたく)なに教えてくれないのだ。ゆえに事前連絡なし。このトラップだらけの洋館も、死なない今はもう怖くない……わけでもなく、普通に怖い。痛いものは痛いし死ぬほどの痛みの辛さはもう体験した。

「ユーヤ兄〜!」

 入り口から叫ぶ。出来ればここから動きたくないな……と思っていると吹き抜けの階段の上にその姿が現れる。

「……何だエレンか。一人か? 何の用だ」

「ユーヤ兄! 助けてくれ!」

「あん?」

 怪訝な表情にイーサイルを思い出す。……アーガイルはそうでもないがユーヤは髪色といい父親とよく似ている。エレンはそんなことを思いながら眉を下げ口を開く。

「アルが軍に連れて行かれた。……力を貸して欲しい」

「は? 何。何で……いや、話は部屋で聞く。来い。足元気をつけろよ」

 ユーヤは足元を指差すと踵を返す。罠の位置を教えてくれない辺り意地悪だ。だがよく見れば分からないものでもない。エレンは注意深く屋敷の中を進んだ。


 ユーヤの部屋は相変わらずゴチャゴチャと散らかっている。本の山に囲まれた椅子に座ったユーヤは首を傾げながら両手を広げる。

「で? どういうことだ」

「そのままだよ。……お前の親父が出て来てアルが連れ去られた」

「は? 何で。……あのクソ親父、今まで俺たちのこと気にも留めてなかったのに…………いや、一昨日の事件があったか」

「無関係じゃないよな。俺もそう思う。……俺も一緒にいたけど、何でかアルだけで……」

 そう言うと、ユーヤは片眉を上げる。

「お前無傷か? 何で無事なんだ。捕まらないなら殺されるだろ」

「いや、殺されたけど…………普通に」

「……え? 生きてるだろ」

「あ」

 そう言えば言っていなかった。グレンのこともあって言えば面倒臭くなると思って、もう片方の腕も失くした経緯は適当に誤魔化していたのだ。ユーヤの性格もあって有耶無耶になっていた。

「実は俺呪われててさ。………死ねないんだ」

「────冗談だろ。非科学的だ」

「いや本当なんだって。……まぁ信じなくてもいいけど」

 エレンがそう言うとユーヤは手を振る。

「いや。そうだ。お前はそういうつまらない冗談は言わない。……信じ難いが信じるよ。何より親父殿の手から無事に生還してるわけだろ。────無謀過ぎるだろ。何考えてんだ」

「アルを見捨てる訳にはいかない。逃げたって普通に追いつかれるし……まぁ、時間稼ぎにもならなかったけど」

「そんな相手のいる本拠地に乗り込むわけか。しかも軍と探偵の戦争真っ只中に」

 ユーヤの言葉にエレンは顔を上げる。ユーヤは肩を竦めた。

「力を貸して欲しいとお前は言った。アルを助けに行くんだろ。お前一人じゃ無理だから、俺に手伝って欲しいってことだ。いいよ。俺も行く。久々にクソ親父にも挨拶したいことだしな」

「ユーヤ兄……!」

「いい、いい、礼は言うな。身内のことだ、放っとけないのは勿論だ」

 そしてユーヤは体を起こす。

「善は急げだ。今夜仕掛けるぞ」

「分かった」

 エレンが頷くと同時にユーヤは立ち上がる。

「丁度暇潰しに新しい装備を作ってたんだ。義手の整備もしてやるから来い」

「えっ」

「敵地に乗り込むからには万全の準備をしないとな」

 隣に立って、彼はそう不敵に笑う。肩にぽんと手を置いて部屋を出て行くユーヤを追いながら、エレンはやはり彼を頼って良かったと、そう思った。



#52 END



To be continued...

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