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十八話 《再生せし炎鳥》討伐戦

「《再生せし炎鳥》、そういう意味か」

俺はそう呟いた。

「とりあえず魔法が効くか試しましょう」

メリアが提案してきた。

「分かった、俺が蒼雷で動きを止めるメリアの光で攻撃してくれ」

「任せて!」


「キェェェ!」

怪炎鳥が再び旋回してきて突進してきた。


「"蒼雷よ・貫け・穿雷(せんらい)”!」

俺は眼から蒼雷を迸らせ怪炎鳥を下から上に貫いた。


「キャャャ!」


「"我が光は剣と共に・光剣雨(シャインスコール)”!!

動きが止まった怪炎鳥にメリアが光の剣の雨を放った。


「キェェェ!」

怪炎鳥は炎の膜を張ったがメリアの光剣はそれを貫き攻撃した。


「あれでも再生するのか!」

怪炎鳥はメリアの魔法を受けても再生していた。


「いえ、全く通じてない訳じゃないわ」

メリアが俺の蒼雷と光剣がたまたま同じ所に当たった場所を指した。

「再生速度が落ちてる?」

俺の蒼雷とメリアの光剣が当たった場所が炎の再生が進んでいなかった。

「多分だけどアレスの蒼雷の力だと思う」

「俺の?」

「うん、《蒼の雷眼》の雷にはあらゆる力の働きを鈍らせる力があったはずよ」

「ということは俺の蒼雷で攻撃して再生する前に倒せばいいのか」

(だが問題は…)

「アレスはまだ完全に蒼雷を操れないだよね?」

「ああ、今の俺では蒼雷で攻撃することは出来てもあの鳥を倒せるほど雷はまだ操れない出来たとしても周りのバラン達に当たる」

俺は周りで魔物と戦っているバラン達を見て言った。

非常に悔しいが俺はまだ《蒼の雷眼》を使いこなせてはいない。

「バランさん達に当たらないようにすればいいんだねだったら私が光で結界を張るよ」

メリアがそう言った。

「結界?、そんなことが出来るのか?」

「うん、光であの鳥を包むようにイメージすれば出来ると思う」

メリアは再生を終えて飛び上がる怪炎鳥を見て言った。

「ならメリアを信じるぞ」

俺は右腰に差した龍星も抜き飛び上がる怪炎鳥に向かって言った。

「うん、任せて!」

メリアはその眼に信頼を輝かせていた。


だが次の瞬間

「キェェェェェェ!」

怪炎鳥が大きく咆哮すると左右二匹に別れた。


「何!?」

俺は目の前の光景が信じられなかった。

「アレス避けて!」

怪炎鳥達は翼から炎の羽を飛ばしてきた。

「ちっ!」

俺は地面を蹴り避けた。


「噂の変異種(ゾディアック)かよ!」

(あいつ普通の魔物じゃないぞ!、変異種(ゾディアック)なら納得だ)

「"光よ・集え・我らを守る盾となれ・聖盾(ホーリーシールド)!!”」

俺の目の前に巨大な光の盾が出現して炎の羽を防いだ。

「メリア!」

俺は咄嗟に呼びかけた。

「アレスあの二体とも一気に倒せる!?」

メリアは俺に呼びかけた。

(巨大な蒼雷を落とせば…いや、それだと確実性がない!どうすれば!?)

俺は瞬間的に思考した。


そして脳裏にある事を閃いた。


「メリア、あの二体を斬る!、その為に俺を守ってくれ!」

俺は瞬間的にそう叫んだ。

「!?、分かったよ!」

メリアはアレスが何をしようとしてるのか分からなかったがアレスを信じた。


「"我が光よ・何者にも破られぬ壁となれ・聖壁(ホーリーウォール)”!!」

メリアが詠唱し俺の目の前に巨大な光の壁が出現した。


「「キェェェェェェ!」」

二体の怪炎鳥はメリアの光壁を破壊しようと突進してきた。

「アレスの邪魔はさせない!」


俺はメリアの光壁に守られながら俺は自分の内を感じた。

(《蒼の雷眼》は龍の力だ、つまり《神龍の加護》と合わせられる)

俺は《神龍の加護》を発動した。

「"龍闘気解放”」

アレスの全身から紅色の覇気(オーラ)が立ち上った。

「"蒼雷よ・かの龍共に敵を討て・蒼雷龍身”!!」

アレスが龍星を掲げ詠唱するとアレスの眼から蒼雷が迸り全身を駆け巡り紅と蒼が混じり合った。


「メリア!!」

俺は大きく叫んだ。

「!!」

メリアは自分の後ろで膨大な魔力を感じた。

(これがアレスの本気なのね)

メリアは聖壁を解除した。

「今よアレス!!」


俺は月夜と龍星を鞘に収め一筋の流星となり二体の怪炎鳥に突撃した。

「双魔抜刀…」

二本の刀に蒼雷が収束した。


「倒せ!アレス!」

バランが叫んだ。


「蒼雷の刃」

アレスの刀が怪炎鳥達を斬り裂いた。


だがそれでも怪炎鳥は再生しようとした。


「駄目なのか」

冒険者の一人が呟いた。


「いいえ、アレスの勝ちよ!」

メリアが叫んだ。


「「キシャャャャャャ!?」」

怪炎鳥達にまとわりついた蒼雷の刃達が斬り裂いたのだ。


「再生するなら、再生出来ないまで斬るだけだ」

俺は二本の刀を鞘に収めて言った。


「「キシャャャャ!」」

ついに百を超えた蒼雷の刃により再生が追いつかなくなった怪炎鳥達は地面に沈んだ。


「討伐完了、うぉ!?」

意識が遠のいた、

(流石に魔力と闘気、龍の力を使い過ぎたか?)

《流石ですね新たな継承者、褒めてあげますよ》

神龍様の声が遠くで聞こえた気がした。




「んぅ、メリア?」

俺が目覚めるとメリアの顔が目の前にあった。

「アレス!、良かったよ、二日も眠ってて心配したんだから!」

メリアが抱きついてきた。

「ちょ、メリア、苦し…」

俺は窒息しそうになった。

「あ、ごめん」

メリアが離した。

「二日?」

「そうだよ、死ぬ程心配したんだからね?」

メリアが今度は優しく抱きしめてきた。

「悪かったよ、ごめん」

俺はメリアの髪を撫でながら言った。

「駄目許さないもん」

メリアが拗ねるように言った。

「どうしたら許してくれんだ?」

「もうちょっとこのまま」

メリアはより強く俺を抱きしめるのだった。


「俺が倒れた後どうなったんだ?」

俺はメリアが落ち着いた後改めて聞いた、膝枕状態は譲らなかったけど

「アレスが倒れた時はみんな混乱したんだけど、魔力欠乏だと分かった後はバランさんが混乱をおさめてくれてね」

メリアは俺が眠っていた時のことを説明してくれた。

(俺は《蒼の雷眼》を《神龍の加護》で強引に操作したせいで魔力欠乏になったみたいだな)

「ああ、それとあの怪炎鳥からは宝箱が出たんだけどまだ開けてなわよ」

メリアが部屋の隅を指した。金色の宝箱が置いてあった。

(そういや迷宮ってそういう場所だったな、すっかり忘れてた)

「それと起きたらギルドに来て欲しいって言ったよ」

(ギルドか、今回の件についてだな)

「よっと、それじゃあ行くか」

俺は起き上がり言った。

「体は大丈夫なの?」

メリアが心配そうに聞いてきた。

「ああ、問題ないよ」

俺は眼を迸らせて言った。

「そうみたいね、安心したわよ」

「それじゃあ行くか」

俺はベッドに立てかけてある月夜と龍星を取り言った。

「そうね、ん!」

メリアが手を差し出してきた。

「はぁ、 分かったよ」

俺は小さく溜息つきメリアと手を繋ぎ宿を出た。





「この件を解決してくれた事をファリス冒険者ギルドを代表して感謝する」

そう頭を下げてきたのはファリスの冒険者ギルドの白髪と頬の傷が特徴の老年のギルドマスター、ザックだった。


「こっちは依頼受けて行ったんだ当然ですよ」

俺はそう返した。

変異種(ゾディアック)が出現したのにも関わらず死者が一人も出なかったこれは奇跡と言ってもいいんだぞ、アレス君」

「まぁ本音を言いますとアイツを倒せたのは運が良かったと思いますよ、それに…」

「アレスそこまでにしないさい、話が進まないわよ」

メリアが手を抓ってきた。

「痛っ」

「ははは、仲が良いな君達は、それでこれは特別報酬だ」

「「特別報酬?」」

俺とメリアは首を傾げた。

「ああ、変異種(ゾディアック)を倒した事とゾール地下迷宮初攻略のな」

皮袋の中を見ると白金貨百枚が入っていた。

「こんなに…」

「ちなみにそれには依頼の報酬額も含めてあるぞ」

「受け取らせていただきます」

俺はアイテムボックスに仕舞った。

「それでだ、君達には依頼を受けて王都アドモスに向かって欲しいのだ」

ギルド長は相談をしてきた。

「どうして?」

メリアが首を傾げた。

「王都のギルドから援軍要請があってなこの依頼を受けて欲しい」

ギルド長は依頼書を出した。

「「ドラゴン討伐!?」」

依頼書にはドラゴンの討伐依頼と書かれていたのだ。

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