↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/179

十五話 乗り越える者

前半メリア視点です

アレスが襲撃される数刻前

(アレスと一緒に居ると楽しいな)

メリアは山を下りファリスに向かって飛んでいた。

(アレスは強いくて格好良くて、それに優しいし)

メリアは飛びながらアレスの事ばかり考えていた。

(しかもこの前はアレスからキスしてくれたし)

メリアは自分で言って恥ずかしくなった。

(絶対今度は私からしてあげるからね)

変な闘争心も燃やしていた。


(ん?、この魔力)

メリアはふと足下に多くの人の魔力を感じた。

(あのローブはグラト魔法王国の魔法師の!?)

足下の人達はグラト魔法王国の魔法師ローブを着ていたのだ。

(何でこの国に?)

メリアは気になり近くの森に降りることにした。


メリアは翼を消し近くの森に降り魔力で耳を強化した。

「まだ忌み子は見つからないのか?」

(!?)

メリアは指揮官と思われる男の言葉に激しく動揺した。

忌み子…メリアが魔法王国にいた時によく言われた言葉だ。

「はい、連れの男には我が第三魔法師隊の第一部隊を向かわせましたが誰も見てないそうです」

(あの紋章は王家直属の部隊の紋章!?、あのクソ王子か!)

男達が着ているローブには王家の紋章が入っていたのだ。

(しかも連れの男ってアレスのことね、心配だけどアレスなら大丈夫ね)

メリアはアレスの心配はしていなかった。

恐ろしく戦闘慣れしているアレスが負けるところはちょっと想像出来ない。

「そうか、しかしアルバ殿下にも困ったものだな」

指揮官の男が愚痴をこぼした。

「たかが忌み子一人にしかもご自分の趣味の為に魔物まで呼び寄せるとは」

「仕方ありません殿下の命令は絶対ですから」

副官の男が慰めるように言った。

(まさかあのロックリザードの群れをクソ王子が!?)

「しかし連れの男も可哀想だな」

「忌み子なんぞに関わる方が悪いのですよ」

副官の男はそう言い嗤った。

(あのクソ王子がこの国に魔法師隊を送るなんて予想できるはずないしょ!?、下手したら戦争よ考える頭がないのかしら?)

メリアはある意味予想外の出来事に混乱した。

「まぁ殿下の気持ちも分かるがな、パーティーであの忌み子を見た事があるが他の令嬢達よりも目立っていたからな、殿下が気に入るのも分かる」

(そんな事の為にこの国にまで来たの!?、おそらくは隠密魔法が使える魔法師隊ね)

隠密魔法は影魔法の一種で自分を相手に見えにくくする魔法だ。

「しかしまだ戻らんのか?、第一部隊は」

「ええ、はい」

「なにを手こずっているのか、剣などという野蛮なものに頼る青年だと聞いているが?」

「忌み子を城壁都市ノイスで確認した時には剣で戦っていましたので第一部隊が手こずるはずはないはずですが…」

(やっぱりあの国の連中は変わらないわね)

アレスの卓越した剣の腕を見抜けていない。

(なんか今すぐにアレスに会いたいな)

メリアは魔法王国にいた時の記憶を思い出してしまった。

(いいえ、克服しないと昔を乗り越えるんだ、アレスと一緒に強くなるって決めたんだから!)

メリアは覚悟を決めた。

その瞬間メリアに宿る銀光剣が反応した。



「全く、どこにいるのだ?」

「私を探しているのかしら?」

メリアは翼を生やして銀光剣を持ち魔法士達の前に降り立った。

「「!?」」

魔法士達は硬直した、目の前の少女があまりにも美しかったからだ。メリアの翼は銀色に輝き二対四翼に増え銀色の髪と合わさりまるで伝説の天使のように見えた。

「だ、誰だお前は?」

辛うじて我に返った指揮官が問うた。

「忘れたの?貴方たちが忌み子と呼んだメリアよ」

「嘘を付くな!、そんなはずはない!?、その翼はなんだ!?」

「コレはそうね、私の決意よ」

メリアは堂々と言った。

「私は貴方たちを乗り越える」

メリアは飛び上がり銀光剣を大上段に構え魔力を収束させた。

「止めろ、撃て、奴を撃て!」

指揮官はメリアの剣に集まる魔力の量に驚いた。


「もう遅いわよ!、"我が光は銀の光なり・全てを斬り払う銀の(つるぎ)なり・極大銀滅剣(シルバリーセイバー)”!!」

銀光剣が巨大な大剣になりメリアはそれを振り下ろした。

「なんだその魔法は!?」

指揮官と魔法士達は大地ごと銀の大剣に呑み込まれた。



「感謝するわ、これで私は前に進める」

メリアは銀光剣を霧散させ地面に降り立った。

「なんだこれ、どんな魔法を撃ったたんだよ」

今一番聞きたい人の声が聞こえてきた。

「アレス!」

山から降りてきたのだろう、私は翼を消しアレスに抱き着いた。

「お、おい大丈っぶぅ!?」

私はアレスにキスした。

(大好きアレスぅ)

アレスは驚きながらもメリアの口付けを受け入れた。



「落ち着いたか?」

俺は胸にしがみつくメリアに問いかけた。

「うん…大丈夫」

メリアは少し頬を赤くしながら言った。

「にしてもこれは凄いな」

目の前にはまるで大きな剣で斬り裂いたような後が広がっていた。

「ここにグラト魔法王国の魔法師達が居たの」

「倒したんだな」

俺はメリアに優しく問いかけるように言った。

「うん、乗り越えたよ」

メリアは微笑んだ。

「アレスの所にも敵が向かった言ってたけど…」

「ああ、不意打ちを食らいそうになったよ、それにかなりの手練だった」

「アレスが戦ったのはグラト魔法王国第三魔法師隊よ」

「国の部隊だったのか」

俺は少し驚いた。

「うんでも、全滅したけどね」

「この有様じゃあな」

俺は苦笑いした。

「これからどうするんだ?」

俺はメリアに問うた。

「何も変わらないわ、流石にあのクソ王子も諦めるでしょ、これでおしまいよ」

「そうか」

俺はメリアの言葉に納得するのだった。


「あ、依頼どうしよう?」

メリアが思い出すように言った。

「ああ、依頼分はアイテムボックスにあるんだけど…」

「それ以外はどうしたの?」

「消滅しました」

俺は自白するように言った。

「え?」

メリアの眼が点になった気がした。

「蒼雷に巻き込んでしまってな」

戦いの余波で消し飛んでしまったのだ。

「そんなに激しく戦ったの?」

(アレスが本気になるなんて)

メリアは内心驚いた。

「いや、その…」

アレスは言い淀んだ。

「あいつらがメリアの事をバカにしたからそれにキレちゃって…」

アレスは頭をかきながら恥ずかしそうに言った。

「ふふ、嬉しいありがとうアレス」

アレスの言葉を聞きメリアは嬉しそうに笑うのだった。


俺達はギルドにロックリザードの素材を渡した後宿屋に戻ってきた。


「魔力を使いすぎたよ、《蒼の雷眼》結構消耗するな」

俺はベッドに倒れ込んだ。

「大丈夫?」

メリアが心配そうに言った。

「ああ…大丈夫、メリアこそ消耗してないのか?」

「うーん、銀光剣の魔力を使ったからあまり消耗してないの」

メリアはベッドに腰掛けた。

「銀光剣の魔力?」

俺はアイテムボックスから櫛を出してメリアに渡しメリアの言葉で気になった事を聞いた。


「ありがとう、前までも少しだけなら使えたんだけど前の数十倍の魔力が使えるようになったみたいなの」

メリアは櫛で月光のような髪を()いた。

「また一段と強くなったことか」

「そういうことね、アレス…私の髪梳いてくれない?」

メリアが櫛を渡してきた。

「上手く出来ないと思うが…」

俺は起き上がった。


「アレスがやるからいいのよ、ほら早く」

メリアは後ろを向き美しい銀髪を振りながら言った。

「分かったよ」

俺は観念して櫛を受け取りメリアの銀髪を梳いた。


「アレス、私あなた事大好きよ」

「俺も大好きだよ」

そんな会話を交わしながら二人の夜は更けていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。