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ヒメ「想いが金額に比例するわけではないけれど、一番の貢献はいくら積んだかよね」

※今回はちょっと短め。


ザキ(山鷺)……アニメオタク。リアタイ及びサブスクで視聴するため、円盤を買うことはほとんどない。円盤だと『謎の光さん』が消えたりだとか、OVAで本編では見られなかったワンシーンが見られたりだとかすると、少し迷う。好きな作品の劇場版とかだと比較的買う。


モヒ(元木)……マンガオタク。気に入ったものはどんどん買っていく。グッズは滅多に買わないため、基本的には原作(コミカライズ版もあるため原作とも言い切れないが)だけを買う派。SNSで読めるものでも書籍で手に入れたいが、電子書籍にも特に抵抗やこだわりはない。


ロキ(興梠)……ラノベオタク。原作厨かつ紙書籍派。各レーベルの新人賞受賞作は一通り買うし、ネット発祥で書籍化したものも面白そうなら買う。金銭面や読む時間の都合で全部は買えないことをもどかしく思っている。こちらもやはりグッズ系は買わない。


ヒメ(望月)……ヲタクオタク。人の話を聞いて情報収集するため、基本的に知識は広く浅い。しかし特別ハマった作品があれば原作もグッズも揃えるタイプでもある。過去に二回しかそのようなことは起こっていないため、そこまで出費していない。なお、二作品の共通点は不明。


ザキ「今日は映画持ってきたから、鑑賞会しよー」


モヒ「この部室に見れるもんあったっけ?」


ザキ「ないからパソコン持ってきた」


ロキ「用意周到やな」


ザキ「みんなで見たかったからな」


モヒ「でも俺、基本的にこういうの一人で見たい派やからなあ。ザキはみんなで見たいん?」


ザキ「いや、先に一人で見たうえで、布教したくて持ってきた」


モヒ「厄介オタクめ……」


ロキ「気持ちはわかる」


ザキ「大丈夫やって。絶対面白いから」


ロキ「面白さに絶対とかないやろ」


モヒ「人によるよなあ」


ザキ「まあまあ、いっぺん見てみ」


モヒ「見てる間にネタバレせんとってな」


ロキ「好きなシーンがあっても静かに見ることな」


ザキ「めちゃめちゃ楽しみにしとるやんけ。……善処する」


モヒ「そこは厳守しろ」


ロキ「喋ったらそこで終了な」


ザキ「そんなご無体な」


ヒメ「……ねえ、そのパソコン画面で四人が見るのは無理がないかしら」


モヒ「……確かに」


ロキ「ザキが見んかったらええんとちゃう」


ザキ「俺が持ってきたのに……」


モヒ「もう見たんやろ」


ロキ「目的は布教やろ」


ザキ「それはそうなんやけど! でもそれとこれとは別っていうか!」


ヒメ「今度、図書館の会議室でも借りて、プロジェクターで見れば?」


ザキ「……せやな。そうしよっか」


モヒ「もう脳が映画やねんけど」


ザキ「ワガママ言うな! 映画館でも行ってこい!」


モヒ「ひどい! ワタシをこんなカラダにしておいて! 飽きたらポイなのね!」


ザキ「裏声やめろ背筋が凍る」


ロキ「うわあ~ゾクッとしたわ。なんていうか、筆舌に尽くしがたい気持ち悪さ」


モヒ「ザキはともかく、ロキも敵やったとは」


ロキ「今のは自分から敵を作りにいったとしか」


モヒ「それほどでも」


ザキ「じゃあ見るのはまた後日やな」


モヒ「頼むからツッコんで!! ボケを放置せんとって!!」


ロキ「ていうかそれ、わざわざ買ってきたん?」


ザキ「おう、レンタルやなくて購入。お気に入りやからな」


ロキ「あー、気に入ったのはつい買っちゃうよな。手元に欲しい」


モヒ「それはわかる」


ザキ「俺は滅多に買わへんのやけどな。ブルーレイとか」


モヒ「貢献が足りてへんな」


ロキ「前にも似たような話したな」


ザキ「視聴数増やすだけで貢献になるんかってやつ?」


モヒ「あったなあ、そんなん」


ロキ「まあでも、作者への応援に関しても、レビューサイトに星つけたり、SNSで感想呟いたり、方法はいろいろあるからな」


ザキ「買うだけがすべてやないよな。中には『何十冊買いました』『特典全部集めました』『グッズにいくら使いました』ってマウント取ってくる人もおるしな」


モヒ「なんか恨みでもあるんか?」


ロキ「自分がお金を落とすタイプやないから、否定されてる気分になってムキになってるんとちゃうかな」


モヒ「あー、俺らはお金落とすタイプやしな」


ロキ「誰も共感してくれへんから、余計ムキになる負のスパイラルやな」


ザキ「全部聞こえてるからな! ムキになんかなってへん!」


モヒ「ムキになってる人はみんなそうやって言うんやで」


ロキ「さっき言うたやん。お金落とすだけがすべてやないって」


ヒメ「実際、その通りだと思うわよ? ファンレターの方が心の支えになるかもしれないし、高い評価がつけば嬉しいのが人間だもの」


ザキ「そうやんな!」




ヒメ「ただ、嬉しいだけでは生活はできないし、数字として売り上げが出なければ続きは出せないし、そういう意味では購入以上の貢献はないと思うってだけの話で」




モヒ「トドメやなあ」


ロキ「容赦なかったなあ……さすがヒメ」


ザキ「……ええし。これとか買ったし。俺も貢献したから。ええもん」


モヒ「またスネだしたで」


ロキ「上映会やったら元気になるやろ」


モヒ「それもそうやな」


ロキ「じゃあ今日はこないだ買ったラノベ読んどこー」


モヒ「俺もマンガ読んどこー」


ザキ「……優しさが足らへんと思うねん。この部活には」


ヒメ「貢献しない者は人に非ず、みたいなところあるわよね、オタク」


ザキ「そこまでくるとあまりにも排他的過ぎへん!?」


ヒメ「新規には優しいのにね。古参同士だと途端にマウント取りあうんだもの。面白い」


ザキ「そこでの感想が『面白い』になるヒメがやっぱり一番怖い」


ヒメ「……それこそ理不尽じゃない?」


ザキ・モヒ・ロキ「「「理不尽じゃない」」」


ヒメ「なんでそんなとこばっかり息ピッタリなのよ……!」


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