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「俺が始めてこの世界で出来たダチになにしてんの?」
眉間にシワが出来て、夏樹は思いっきりの力を放り絞り足で地面を踏む、すると地面に大きな亀裂が走りますます盗賊二人の顔が蒼白に変わり、1歩2歩下がる。
リーダーはかなり吹き飛び一歩たりとも動かない、どうやら気を失ってるな。
「おいナグ、村長をみとけ、ってもう行動に移ってるか」
テイラの着ている服を半分破って村長の怪我をしているところに止血する。
お、何か人工呼吸し始めた、羨ましい。
「ば、化け物!」
1人の盗賊がそういうと、夏樹は不吉に満ちた顔で言い返した。
「は? 何今更言ってるの? 俺の実力は森で見せたよな、おい」
さっき気づいたんだがこいつらは森で会った地面に埋めたやつ? としょんべん野郎何だよね。
はぁ、すっかりしょんべん野郎を忘れてた、だからこの村がこんな惨状になったのもほぼ俺のせい、だな
「さぁ、この村の有り様をお前らはどうおとしまいを受ける?」
こう言うが俺がしょんべん野郎を見逃したから俺がおとしまい受けないとだめなんだけどな、と言っても例え盗賊だとしてもやっていいことと悪いことがある、俺はただしょんべん野郎を忘れてただけ、だからそこまでの罪はないし? こいつらが村を滅ぼすと言う思考が出なければ村もこんな惨状にならなくてもいいし?だからこいつらが全部悪いよな、そうだ俺はなにも悪くない、はは。
何を言っているんだと突っ込みたいと思っていると思う。
実は夏樹も何を言っているのかは解っておらず、それこそ表情には出ていないが脳内にはかなりの興奮状態に陥っている。
原因はそう、しょんべん野郎を取り逃がしたからでる。
奴を忘れずにきちんと始末をすれば村はこんな事にはなっていなかった。そう脳内が考え夏樹の背中に脂汗が溢れていていた。
「よぉし、じゃあ誰からぶち殺そうか、あぁん!」
「ひぃぃ」
どちらにしようかなと指を左右に揺らして先に倒す方を決める。
「ちょ、ちょっと待て!」
しょんべん野郎が手を伸ばす。
「何だよ」
「お前は勘違いしてるぜ」
「あ?」
何を勘違いをしてるっつんだ、いや、1つだけ気になることが1個、あれは馬車だな、炎の靄でよく見えないが形的に馬車だな、馬車と言えばテイラの乗っていた馬車か? と言うともしかして…
「ここから数メートル馬車を止めてある、そこに僅かながら獣を預からせてもらってるんだよ!」
お決まりの誘い来た! てか
「早く言えよ、ゴラァ」
「ひぃぃ!」
たく、心配して損じゃあねぇか! っても僅かか、残りは殺したと、っけ! 気に入らね。
「しゃらくせ、で、お前らはただ俺を倒すために僅かな生産者を人質にしたんだろ、だったら早く掛かってこいよ、まぁ反撃するけど」
二人はフンと鼻で笑い、勝ったとでも言うような傲慢な表情をする。
「馬車には爆弾を仕掛けてある、下手に動くとこのスイッチを押すぜ」
そう言ってズボンのポケットから鉄で出来ているであろう銀色の箱でスイッチはさくらんぼ見たいに赤い、それを取り出し夏樹を脅かす、だが恐らくその脅しは無意味だろう。
「わあったわあった、そんな物騒なもの閉まってくれ」
「よ、よし、じゃあ動くなよ」
爆弾スイッチをポケットにしまい、腰に携えていた剣を鞘をぬき夏樹に向け固唾を呑み込む。
素直に話を聞いた事に少し半信半疑だったが何せこっちには爆弾スイッチを持っている。夏樹は迂闊には手を出せないだろうと思い盗賊は走りだした。
「夏樹さん!」
お、村長の止血は終わったか、今は村長を安静に寝かせてナグとテイラはこちらを見ている、がなんだその信用していないかの様な表情は、どうせ俺が村人達を救うために動かないとか思ってるんだろうけど残念、いや、村人は助けるよ、だがこんな奴に俺が負けるはずもないし、攻撃も食らう気はねぇよ
「大丈夫だ、村人達を守る為なら俺はこの命を犠牲にしたって良いぜ」
「何を言ってるんですか!」
んー、俺が何しようとしてるのかまだ気付かないのか? まぁそれならそれでお楽しみサービスを見せてやるか。
「いや、だってこうしないと人質がバーンて爆発しちゃうからさ」
爆発する姿を表すように手を大きく広げる動作をする。
「テイラとナグはそこで見てな、必ずしも仲間は助けるからよ」
「…夏樹さん」
こう話している間にも盗賊二人は夏樹に近づきは笑みをみせるが夏樹は表情を変えずにへらへらと笑う。
ふん、馬鹿が
「死ね!」
二人は同時に夏樹を攻撃しようと剣を大きく振りかぶり、ダンと前足をを大きく踏み、面をうとうと縦に振りだす。
ははと低い声で呻き楽しそうな表情をする夏樹に対して盗賊は背中に悪寒が走り1人の地面に埋めた奴が迷いに出る。
何を考えてるんだこいつは、俺らは今お前を斬ろうとしてるんだぞ、何でそんなへらへらと笑っていられるんだ、見たこともねぇ、こんな死ぬ寸前に笑う奴なんて、こいつ馬鹿なのか? 待てよ、もしこいつが何かを企んでいたら、いやそこは爆弾スイッチがポケットに入ってるし奴も下手には動けないだろう…ん? ポケット?
二人の盗賊が振りだす剣が夏樹の頭の前まで迫る。
しかしそこで1人の盗賊が1つの確信が脳内にはしる。
しまった! 爆弾スイッチはポケットにある、これじゃ奴が何かを仕掛けてきても手をポケットに突っ込む時点で反応が遅れるじゃねぇか!
「気づいたな、だがもうおせぇよ」
夏樹は1人の盗賊に察したのかそう言い、もう1人はなにがなんだか分かっていないようでポカンと口を開ける。
2つの剣を受け流すと同時に盗賊はポケットから爆弾を取ろうとする。
だがしかし、そんなすきを見せれば当然の如くに夏樹は見逃す訳がないわけで…反撃とばかりに夏樹は二人の頭を片方ずつの手で乗せて地面に向けて思いっきりの力を振り絞って埋める。
「いけないよ、そんなすきを見せたらお兄さんはそこを狙うから~」
ハハハと高笑いをするなか盗賊二人は地面に埋まり気絶をしていた。
ごそごそと夏樹はポケットを探り爆弾スイッチを探す。
「ほらよナグ、受け取れ」
ホイと投げて爆弾スイッチをナグに渡す。
「うぉ」
それをあわふたに受けとる。
「あぶねぇな、丁重に扱え!」
「はは、良いじゃねぇか、奴等を倒したんだから」
「誤ってスイッチ押したらせわないけどな!」
はは、と笑うと同時にナグ達の所に向かう。
「夏樹さん」
テイラの声が耳に刺激する。次の瞬間夏樹に予想外の出来事が起こった。
テイラがいきよいよくこっちに走り込み、夏樹の猛然とすがり付く。
訳がわからないナグと夏樹は頭の上にハテナマークが浮かび上がっていて、テイラの瞳には涙を流していた。
「盗賊を倒してくださりありがとうございます、でももうあんな危ないことしないで下さい」
「あ、えーと」
「しないで、下さい」
「お、おう、分かった」
夏樹はと迷いながらも頷き、テイラの表情が笑みに変わった。
「ありがとうございます」
テイラは手を離して、夏樹の顔を見ようとすると
「ゴフッ」
口から吐血してそれが地面に散らばる。
あれ、何だこの生温いのは、赤い、あれ? 何か腹に違和感が感じる。
「夏樹さん!」
ん? 何でこんなにもテイラが動揺してるんだ? それにナグまで… あれおかしいぞ、意識が薄れていくし何か眠い、俺はどうしたんだ?
ふらっとふらつき夏樹は訳の分からないまま、地面に倒れた。
意識が途切れる前にテイラの叫んだ声が聞こえたが次第にそれは途切れた。
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