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遅くなりました、すみません。
ではどうぞ。
とあるホーリック王国ギルド、そこに多くの冒険者がざわざわと他人との耳打ちをしていた。
内容は知っての通り夏樹ともう1人テイラの事について話をしている。
そして1人の受付はこんな思いでいた。
あの人達は何者何だろう。
受付の人の名前はミナ、彼女は突然やって来てこの街を救ってやると言われ頭が混乱に陥っていた。
当然の様にいきなり現れて街を救うなど信じられない。
彼女はそう思っているのだ、ただあの青年夏樹のあの余裕な表情を見ては、本当に救えるのだろうかと疑問にも思っていた。
「あの青年の事を思っているのか」
「へ?」
不意に声を掛けられミナはすっとんきょうな声を漏らす。
顔を上げて前を見ると次第に表情が驚きに変わる。
「ナグさん!?」
「おう、久しぶりミナ」
平然な表情をして片手を上げるナグ。
「久しぶりですね、本当に」
ああと答えるナグに獣人族であるに関してもミナはあまりどうこうという感情はない。
普通獣人族は人権無しの法律に定められているのだがテイラと同じような扱いで、ギルド事態はとっくにそんなの気にはしていなくこうして接触も出来るのだが、国王に関わる兵士に関しては例外だ。
彼には獣人を見つけられる事ができたら国王直々に多額賞金や何らかの権利を分け与えると伝えてあり、それを貰うために兵士たちはギルドの冒険者みたいには甘くは無いだろう、だから今テイラは外に出てマスクをしていないことにとても危機が迫っている。
ギルドが何故兵士みたいに厳しい視線では無いかというとそれはこれまでの獣人族の行いが良かったから。
昔獣人族もギルドで依頼をしていた時に、様々な人には不可能な依頼をこなしていき、重い物のを持ち運んだり、足の速いモンスターを討伐をしてきたりと、これ等は獣人族であるからこそ出来た依頼。
他にも同じギルド同士でいるのだから冒険者にも何らかの感情を抱いている、だからギルドは獣人に親しく接触をしたりとしているのだ。
「色々耳にしてるぞ、国王の税金が高くなったんだってな、それなのに貰える依頼料が安い、街に来たとき皆ボロボロな服着てたぞ」
これの情報は村長から来たものでナグは少し笑みを見せる。
「だけどもう安心していいと思うぞ」
「あの青年の事ですか、何を根拠に」
ミナは訝しくナグを見つめる。
ギルドだって色々国王に抗論した。
だけど国王は決してこちらに耳を向けずに話が終り、今このような現状に陥っている。
ナグは私達ができなかったことを彼が出来るとでも言うのか。
「まぁそんな目をするなよ、そんな事より俺がこの街に来てるって夏樹に話すなよ、ちょっと訳ありでついて来てるからな」
「分かりました」
はぁと嘆息を吐くミナ。
彼女はナグが兄バカと言うことは分かっているので大体の予想は分かっている。
「じゃあ頑張れよ」
「あ、ちょっと待って下さい!」
手を前に出しナグをひき止める。
ミナは蒼白な顔をして夏樹達が危ない狩りに出た事を報告するがナグは特に気にする事もなく心配するなと言葉を残してナグはギルドを出た。
***
テイラと夏樹は街に戻り早速ギルドへと向かう。
夏樹の手には本を持っていたが何故かその事に感嘆と漏らしているのが二人。
「まさかこの本がこんなにも便利だったとはな」
「いったい何ですかその本は、何でもはいるなんて凄いですね」
興味津々と見せるテイラは純粋に目をキラキラ輝かせながら見つめていた。
「いやな、スーからもらったんだよ、これ」
「そうなんですか!? やっぱり凄いんですね、スーさんは、何者何ですか、一流魔法使いとしてもスーって名前は聞いたことも無いですし」
「そんなことより、早くギルドに行って報告しようぜ」
適当に話をそらす夏樹。
スーが何者かはあまり神は知られたくないらしくそこは承知して適宜に受け流したのだ。
夏樹も説明するのが長くなるのであまりこの話をするのは好まずにいた。
歩きながらパラパラと本のページをめくると先程まで3分の1の真っ白な空白があったんだが、そこに狩りをした、レッドウルフと黒い字に表れている。
実はというと狩りが終り街に帰ろうとしたのだがテイラから剥ぎ取らないのですかと疑問系で言われた。
当然夏樹は違う世界から来たのでそのような発想は思いつかず、また夏樹も疑問系で剥ぎ取るのと聞いた。
どうやらこの世界にはこういったものは高値で売れるらしい。
特に脳と心臓ほっぺたがとれるほど美味で貴族や王がよく食べるとのこと。
この話を聞いた夏樹は苦虫をかじったような表情してふーんと話をそらしていた。
血のにおいが臭いので剥ぎ取るのはまっぴらごめんだ。
そこでスーに聞いた所、そのまま本が吸収してくれた。
今載っているのがレッドウルフしか載っていないが100匹も狩ったのでそれ相当の値段で売れる。
他にも装備やお金なども入る。
夏樹が神に聞いた所、ページがいっぱいになったらそれらを整理しなければならない。
ギルドにつき、扉を開けて受付の彼女に近づくと何やら驚愕な表情をして夏樹とテイラに聴こえない音量で何かを呟く。
「ん? 何か言った?」
「あ、いや、何でもないです!」
そこでふとミナは気づく。
あの時何やら急いでいたから私は助け船を授けたけど、カードがないから本当に狩ったのか分からない、どうしよう。
本来でならば倒したモンスターがカードにて記入されるんだけど、カードをもってないない二人は確かめようがないじゃない。
「あの~たいへん申し訳ごさいません、お二人様に伝えるの忘れてたんですけど、カードを発行されていないので本当に倒したのか区別が着ける事が出来ないのですが…」
「そうなのか?」
「はい、何か証拠があればいいんですけど」
ふとテイラが俺の服の裾を引っ張る。
「あの本に入れた物を引き出せばいいじゃないでしょうか」
「だな、ついでにこれ全部売ってくれ」
「……?」
ページを開きレッドウルフと黒い文字で書かれている部分に手でタッチすると、その文字の横に何個引き出すか数字化になって表れた。
それを狩った分だけの100と押すと、本を逆さにして、もの凄い数のレッドウルフが地面に落ちた。
うむ、なかなかグロイ。
「これでいいか?」
「え~と」
ミナはどこからツッコミをいれれば良いのか迷った。
こんな数のレッドウルフを出されて売れと言われても普通は商人売るか屋台に売るかでギルドはこれについてたいようの仕方などしらないし、しかもこれがあのへんてつのないただの分厚い本から出てくるなんで目を疑う。
でも実際に地面に100匹いるだろう数が転がってるし。
馬鹿げている、そうミナの口から漏れた。
夏樹はミナの表情を察したのか、手を前に伸ばす。
「ああと、これの事は何も聞かないでくれ」
「はぁ」
「まぁ、そう言うことだからよ依頼は完了だ、お金くれるんだろ?」
「あ、はい、こちらが依頼料になります、レッドウルフは鑑定をいたしますのでそのぶんの硬貨は明日支払います」
「あんがとよ、じゃあ行くぜ」
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