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無能な吸血鬼少女  作者: 愚かな黒ウサギ
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小話1 ザナド・ガナートの疑問



リンゼルちゃんが住んでいた村、ニコイ村が魔族に襲われて全滅したと聞いてから5年が経った。あれから俺とサラとの間に出来た子供は無事に生まれて、今元気に家の庭で走り回って遊んどる。この時間を幸せに感じながらも俺は最近、心の何処かで引っ掛かっている事があった。


その引っ掛かっている事とは、勿論リンゼルちゃんの事や。俺はリンゼルちゃんに聞きたいことも話したいことも沢山あった。それはサラもそうやったと思うけど…。


正直、一つだけ、リンゼルちゃんには心残りがある。いや、聞きたいことがあった。二週間程ニコイ村に滞在してた時に聞くべきことやったかもしれへんけど、何故か“ソレ”を口にすることは許さないとばかりに口が唐突に重くなって聞かれへんかった。


あの時、嫌な気配がしていた……リンゼルちゃんの妹さんに妙な気配が纏わり付いていた。嫌な嫌な気配。だけど、よくよく思い返すと、その嫌な気配はリンゼルちゃんの妹さんにだけ感じる訳じゃなかった。それは俺達とよく一緒にいた、“リンゼルちゃん自身”にも何かおぞましい気配があった。そのおぞましい気配は、妹さん以上にリンゼルちゃんの方から感じた。それが“何か”は俺にも分からんかった。ただ、確かなことがあった。あのニコイ村には、なんやけったいなもんがおる。つかみ所ない、何かヤバイもんが。それをリンゼルちゃんにも話そうと思ってたんやけど、その度に急に俺の頭?が黒い(もや)がかかったように変?になった。なんかそこから記憶が曖昧で、俺も正直あんま覚えてない。ただ、“この子をこの村には置いてはいけない”、そんな思いだけが残った。リンゼルちゃんをこの村に、気味の悪い何かから離さなくては、でなくては、何かもっと、悪いことが、起こるような、この黒い靄が、世界に、広がっていくような、悪夢から、永遠と、覚めないような…………


何や?何を考えた?俺は?ぐっ、また変な黒い靄がかかるっ!ニコイ村から出て、リンゼルちゃんと離れてから何年か経って、その黒い(もや)のようなものは少しずつだけど自然と消えていった。そう思っていたんやけどな……まだ残滓のようなものが残っとったか!なんや!何なんやお前はっ!!お前は一体っ………



~数時間後~


あぁ……またか……また俺は“何かを忘れた”んやな…。一体何回目やろうな?まぁ、考えてもしゃあないか…。そうや、えっと、俺は直前まで何を考えてたっけな?


そうや、結局何もかも分からないまま、リンゼルちゃんは死んでしまっていた。何も聞けず、何も、伝えられないまま…。


正直、後悔だらけや。もっとやれることがあったんやないか?と自問自答しても、何も変わらんことは分かっててもついやってしまう。


俺はあの時、リンゼルちゃんと初めて出会った日、たまたま通り掛かった少女をもう殆ど手癖で、まぁほんと悪い癖で自然と鑑定スキルで鑑定をして、彼女のステータスを見た。


鑑定結果

[リンゼル・ハルジオン

種族:人間 性別:女 年齢:6歳


【特例スキル】

邪眼(右目)効果:下級の魔物や猛獣に恐怖、混乱等の作用が働き、下級の魔物や猛獣はその効果により逃げることがある。心を持った生物であれば邪眼を見れば皆、嫌悪感や恐怖心に駆られるようになる。上級クラスの強さを持つものには効きづらいが一応仄かには効果はある。


称号:【無能力者】【転生者?】【呪われし右目】【■■■】【■■■】【■■■■■】


そう、俺は彼女(リンゼル)が無能力者といった部分にも驚いたには驚いたんやけど、それ以上に、リンゼルちゃんが転生者やって事に何よりも驚いたんや。だから思わず声をかけてしもうた。ただ、【転生者?】と、何故か疑問系で書かれていて、それがよく分からんかった。話して見ると俺みたいに前世の記憶がある訳ではないっぽいし…。何でリンゼルちゃんには前世の記憶がないんやろ?記憶がないわりに何となく俺が教えた日本の文化にわりと適応力は凄くあったから、多分やけど俺と同じ日本からの転生者な気がするねんけど…。記憶は憶えてないけど、潜在的なところで何となくやけど覚えてる感じなんやろうか?


それにもう一つ、【転生者?】以外にも気になる称号がある。【呪われし右目】や。なんやこの称号?最初見た時、中二病感満載やな~!って暢気に思ってたけど、まさか邪眼なんてけったいなもんを持ってるとはな…。まぁ確かに特例スキルっちゃスキルやな。効果も結構凄そうやし…。彼女、一体何処からこんなもん手に入れたんや?彼女自身の元から持って生まれた力でもないやろうし、【呪われし右目】……誰に呪われているんや?誰かがリンゼルちゃんに授けたんか?これは本当に呪いか?守っているようにも見える……やけど、それにしては、なんやろう?なんか気味の悪い“憎悪”にも似た何か嫌な気配も感じた。……なんでや?う~ん、考えても考えても分からん!それにもっと分からん事がある!


【■■■】【■■■】【■■■■■】


これ何っ!?本当に何っ!?これが一番意味分からん!黒く塗り潰されているコイツは何なん!?リンゼルちゃんの事は考えれば考える程、謎が深まるばかりや。


なぁ、リンゼルちゃん、君は一体何者なんや?君は転生者なんか?それとも……。


なぁ、君は一体、どんな因果を背負ってるんやろうか?君は何者で、何をしにこの世界へやって来たんやろうな…。まぁそれは俺にも言えることか…。


俺達転生者は、一体何しにこの異世界に飛ばされたんやろうな…。


なぁ、リンゼルちゃん、俺な、何となく、本当に何となくやけどな、リンゼルちゃんは生きてるんやないかって思うんや。商人のほんのちょっとした直感のような、そんなもんやけど、何となく、当たっているような気がする。なぁ、リンゼルちゃん、もしかしたら、俺達は、君とまた会える気がするんや。


なあ、もし、もしも、本当に生きて会えたら、リンゼルちゃん、君には聞きたい事が沢山あるわ。リンゼルちゃんと別れてからこっちも土産話沢山あるからさ、またゆっくり話そうや。


「パパ~…?どしたの~?ボーッとして…?」


「ん~?あ~悪い悪い。ちと考え事をな…」


俺がぼんやりと過去の事を振り返っていると先程から庭を駆け回って遊んでいた愛娘が俺に話し掛ける。


「考えごと~?また商売とか売った買ったの話~?私と一緒にいる時はお仕事のことは考えるのは無しよ!無し!」


「アハハ……一体何処でそんな台詞を覚えてくるんだか……マセてますなぁ最近の子は……絶対サラやな、間違いない。まぁ確かに可愛い娘の前で考え事は良くないな…」


「ええっ、全くそうよ!」


プリプリと腕を組みながら怒り顔なお子様(我が愛しき娘)はジト目で(パパ)を見てくる。


「それじゃ、遊びますか~我が愛しき“リンゼル”様~?」


「ええ!あそこで水溜まりがあったわ!飛び込みに行くわよ!」


「ちょっと待って!?水溜まりっ!?それちょっっ!!」


ザブーンッ


それはそれは綺麗に我が愛しき愛娘は水溜まりに入っていきましたとさ…(完)


あ、リンゼルちゃん、その、ごめんやで?その、サラと俺の娘の名前、リンゼルちゃんの名前貰っちゃった!それに関してはホンマにごめん!なんかまた会えそうな気がするからその時にまた謝るな!リンゼルちゃん、娘ともその時に会うと思うけど、その、めっちゃませてるけど、その、堪忍してやってや。


その、ホンマごめん…。

ノリで名前決めちゃった…(・ωく)




 



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