まずは双璧から崩します!
さぁさぁ!寄ってらっしゃい!見てらっしゃい!!
世にもおかしな娘のお話だよ!
愛しき母が亡くなるその夜、娘は悪夢を見たんだとさ!
それが摩訶不思議な物語!
どんな物語の最後も、娘は自業自得でまっぷたつ。
夢であればと願いながら、娘は信じざるを得ない!
己の精神年齢と知能指数がそりゃも〜〜〜↑右肩上がり。
体は子供で頭脳がアレになった娘は、打倒まっぷたつに立ち上がる!パンパン!!
聳えたるは2つの双璧!
まるでボス部屋前の中ボスの様!!
さぁさぁ!張った張った!!
まっぷたつか!まっぷたつ回避か!!
手を頭の上でパタパタ仰いで、脳内お祭り騒ぎを解散させる。
突然の行動に、中ボス、じゃなかった。
執事長もメイド長も首を傾げてしまった。
初手から間違える訳にはいかないと、小さく咳払いをして誤魔化してみる。
「2人に、手伝って欲しい事があるの」
その一言に、厳しい眼差しが4つ刺さった。
「恐れ入りますが、今は緊急時。お断りさせて頂く可能性がございます。」
先陣を切ったのは、執事長だ。
ピリピリとする空気に、まぁ、致し方なしと息を吐く。
この頃の私ときたら、悪役令嬢通りのわがまま放題だったわけで。
以降テンプレなので省略ですわ。
「けっこうよ。でも、この家に関わることなの。わたくしも、もう子供ではいられない事は、しょうちしておりますわ」
ピクリと眉をさせて、執事長はふむと顎を触る。
彼が考えている時の癖だ。
「お嬢様。今日は、おままごとは出来ません。お勉強もしなくては、お父上に叱られますよ?」
優しい顔をしながら膝をつき、真っ直ぐ私を見つめるメイド長。
私は、しっかり頷いた。
「あたりまえよ。わたくしが、しっかりしないでどうしますか。……でも、お父様は帰ってらっしゃらない。そうよね?」
メイド長が眉を下げる。
困っている時の表情だ。
「わがフォンティエーヌ家は、わたくしが守ります。踏ん張り時です。でも、わたくしは子供です。子供では居られないけれど、子供なの。」
そう、子供だ。
まだ、あの出来事が夢なのでは無いかと疑っている。
お母様が、私がいい子で居るように最後に叱りつけた可能性だってある。
しかし、この記憶と感情に嘘があるとも思えなくて。
次の言葉を考えあぐねていた時、決定打が訪れたら。
「お嬢様!エターニアお嬢様!!居りました!!確かに!クリス様です!!」
トエルの響きが、屋敷に鳴り響いた。
「執事長、今からおとずれる子供について、お父様にかくにんをして。……ネセラルに追いやった、フラーテの息子だと言えば、すぐに分かるはずよ」
「……承知致しました。お嬢様。」
「メイド長、これから来る子供は、クリスと言うの。まず、暖かいしょくじ、それからお風呂。部屋は……、そうね、取り急ぎローゼを開けて。」
「お嬢様、そこは来賓様のお部屋ですよ…?身も知らない子供は置けません。」
「いいえアニー。あの子は丁重にもてなすの。いずれ分かってからではおそいのよ。とにかく、よろしくね?」
そう押し切ると、私はすぐに身を隠した。
なぜかって?
気まずいからよ物凄く!!
そりゃ!私は初対面よ!?でも、私はあの子の存在を知っていて、殺されない様に上手く付き合っていかなくちゃいけなきのだから、情報収集は大切よ!
うん。そう。そうよエターニア!まっぷたつはごめんだわ!
なし崩しだが、グリフォンとアニーの助力は問題無さそう。
あとはあの子。
クリス・エヴァン・フォンティエーヌ
いざしんじょうに!
まだまだ回想は続きそうです。
早くクリスに会いたいですね!!




