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 第2章 第14節:「日常化」


急に何も話さなくなった私を、環は怪訝そうな目で見ていたが、それでも、私は何も言うことができなかった。


何か取り繕わねばとあせっても、薄っぺらな話など、とてもできる気分では無かったのだ。


その時、環が道端の看板に興味を持っているような素振りを見せた。

この辺りは柚子の産地らしく、その看板は、柚子味噌を塗った焼きおにぎりを食べさせる店の案内だったのだ。


「寄りますか」

看板がいいきっかけになり、重苦しい空気を吹き飛ばそうと逃さず訊いた。


「さっき、おむすびを食べたばかりなので、また今度にします」


環の何気ない「また今度」という言葉に、『もう既に、このような状況が日常化してしまったのだ』と私は思い知らされていた。

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