お金持ちだからいいわよね、と言った親
娘の同級生は金持ちばかりだ。
私よりもいい服を着て、いい車に乗っている。
そして、新しいマンションに住み、一戸建ての家に住んでいる。
同じ学区だからと集められて通っている学校にはそんな金持ちばかりが集められていた。そいつらは私たちを見下しているかのようだった。
腹が立つ。いいな、あんな風に自分が自由に使える金があって。
旦那が正社員で働いて、私だってパートで働いて。それで小学校にあがったばかりの娘と三つ違いの息子を保育園に入れてなんとか生活しているのに。今すんでいる家賃の安い団地から新しくできたマンションに移り住むのだって到底できないし、一戸建ての家を買うのは夢のまた夢だ。
若い頃は大人になればほしかったハイブランドのバッグやアクセサリーといったすてきなものがたくさん買えるのだと思っていた。でも実際は年金や保険料、家賃に食費。あげればキリがないほどでどんどんお金は消えていくようだ。手元に残ったお金だって、家族でファミレスで外食すればなくなってしまう。
なんでこんなにお金がないんだろう。スーパーで値札と睨み合いながら思う。食材と娘が欲しいと騒いだおまけ付きのお菓子を買って帰ると娘の同級生が目に入った。ああ、あの子の家は確かここら辺でクリニックを営んでいる。ああ、いいなあ。
「あの子はお金持ちだからいいわよね」
そう思ったことが口から出た。
お金持ちだったらこんな苦労はせずに済むんだろうな。
ああ、お金持ちになりたい。




