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第三十一話 破壊されるべきもの

今日はいつもにもまして冒険者ギルドの様子が慌ただしい。

私は受付に行くと受付嬢は手早く依頼書を出してきた。


右隅にでかく『緊急』と書かれたその依頼はあまりにも特殊だった。


「この依頼は……一周回って困惑しますね」


依頼書をみたブリジットちゃんは何故か隣で笑っていた。


依頼内容はダンジョンの破壊。

Sランク任務となっていた。


「お、おまえに、ぴったりの、任務じゃんガハハハ!!!」


「何をそんなに笑ってるんですか!」


「嫌だって、ダンジョンの破壊得意だろ!」


とうとうブリジットちゃんは

笑いすぎてしゃがみ込んでしまいました。

人を何だと思ってるのでしょうか?


「まぁブリジットちゃんにはちょっと難易度が高いかもですね!」


私は強がってみせましたがブリジットちゃんの

様子に変化はありませんでした。


「ちなみに既に現地にはSランク冒険者のコウキンさんが

 到着しており、合流待ちとなってます」


「あの人、1人で歩かせておいて平気なんですか?」


「まぁ……ココアさんと違って、手錠さえアレば

 ただの魔法使いなので……」


そういい、例のごとく受付嬢は

コウキンさんの手錠の鍵を差し出してきた。


「まぁあいつも破壊に関してはココア並だもんな」

「コウキンさんのことは笑わないんですね」

「まぁダンジョンは破壊してないからな。

 あいつはもっと迷惑な存在だ」


なにか下には下がいるみたいな

言い方をされて複雑な気持ちになりましたが

私は堪えました。


「まぁとりあえず現地に向かってみましょうか。

 ちなみに本当に破壊してしまって良いんですか?」


すると真剣な面持ちで受付嬢は答えた。


「ダンジョン最深部が異界化してしまい

 このままだとダンジョンから

 無限にモンスターが発生する可能性があります。

 一刻も早い破壊が望まれます」


「それはダンジョンの最深部を破壊しろと言うことですか?」


「いえ、そこまでは必要ありません。

 入口さえ叩いてしまえば蓋をすることができます。

 ただ問題はそのダンジョンの構造にあります」


「構造?」

「現地に行ってみていただければ

 わかると思います、よろしくお願いします」








という訳で私たちはそのダンジョンの

入口までやってきました。


既に現地にはコウキンさんがいたので挨拶を交わしました。


「いやはや、あの事件以来だね。またよろしく頼むよ」

「よろしくお願いします……しかしこれは……」

「想像以上にこれはやべえな」


ブリジットちゃんが一歩前にでて、

雑にダンジョンの入口を大剣で

叩き割るように斬りつけた!


キーン!と硬い金属音が響き渡る。




そう、このダンジョンの入口は

すべて金属でできていたのだ。


私は手でコンコンと叩いてみる。

当たり前だが中身が空洞という感触もなく

全てが金属でできている感触だ。


「こんなのダンジョンじゃなくてもはや建造物と言うか

 塹壕みたいなものじゃないですか」


「はは、そうだね。でもぼやいても仕方がない。

 僕達がここを破壊できなければ

 モンスターたちが溢れ出てくるのは時間の問題だ」


「涼しい顔して言ってる場合か。

 正直俺は何にもできない。ココアはどうだ?」


私は考えてみた。

ガトリング、機関銃は論外、火炎放射器も当然ダメ。

となるとほぼレールガンと30cmキャノンが

頼りとなるのだけれども……。


「まぁものは試しだ、まずはココアさん。

 お手並み拝見といこうか?」


そこまで言われたら私も引き下がるわけにはいきません。


できるかどうかはやってみてから考えましょう。


私はフルアーマーウェポンシステムを起動して

全砲門をアクティブにした。


「うおおおおおおりゃ!!!」


火炎放射器以外の全武装を一気に解放して

ダンジョンの入口上部を狙い一斉砲火した。



凄まじい振動と爆音で耳がキーンとする。




絶え間なく30cmキャノンの徹甲弾や徹甲榴弾を撃ち込み

レールガンを何発も撃ち込んだ結果……。


ダンジョンの入口は崩れたが崩壊には届かなかった。




「一体誰が作ったんでしょうか。

 とても自然形成されたとは思えない

 金属強度なんですが……」





そういうとコウキンさんは両手を差し出してきた。


「なかなか面白そうじゃないか。

 私にも是非やらせてくれ」


「ぶっ放したいだけだろお前ら」


「解ってませんね、ブリジットちゃん。

 ぶっ放して対象が消し飛ぶから気持ちいいんですよ。

 これは気分が悪いです」


「お前らみたいな正気じゃねえ奴らの気持ちは

 最初から理解していない……」


今日はなんかブリジットちゃんに

全てをブッパしたい気持ちになりましたが

既に私の弾はゼロでした。


コウキンさんの手錠の鍵を外すと

「二人とも下がっていて」


そういうと片手を天高く掲げた。

すると彼の周りに魔力の奔流が漂い始め、

突如としてその片手の上には建物一つ分はあろうかという

巨大な火球が現れた!




「おい、前回よりでかくねぇか?!」

「前回は2段階にわけましたからね。

 それにこの金属のダンジョンは私の魔法と相性が悪い。

 一度に最大火力をぶつけるのが正しいでしょう。

 いきますよ!」


そういうと彼はダンジョンに向かって火球を放り投げた。


ゴゴゴゴゴゴと凄まじい音を立てて飛んでいくと

ダンジョンに直撃した瞬間

凄まじい爆風が辺りを包み込む。

私は久しぶりに膝をついて爆風に耐えた。

ブリジットちゃんは大剣を地面に突き立てて

しがみついているが吹き飛ばされそうになっている。




そして爆風が落ち着いたあと。


そこには……巨大な大穴が空いていた。




「これは……」

「ですねぇ……」


「入口広げてるんじゃねぇよ!!!」


するとコウキンさんは倒れ込んでしまった。


「MP全部使ってるんじゃねぇよ!?」

「いやあ久しぶりに全力だと気持ちいいですねぇ……」


「お前ら二人ともほんと終わってるな……」




と、手詰まりになってるところに1人の老人が現れました。


「また厄介なのが来たな……」

「厄介とは失礼なやつじゃな」

「ドクター!」


私は久しぶりの再会に喜び飛びつきました。

その瞬間、ドクターは潰れてしまいました。


「ココアよ、装備が重いから

 離れてくれ、死んでしまう!」


私は慌てて離れました。



ドクターは白衣についたホコリを払うと言いました。


「今から5分後にここにミサイル攻撃を行う。

 速やかにここから退去したまえ」


「でもドクター、アレを見てよ」


私はダンジョンの入口を指し示して言った。


「解っておる、とにかくここにいては危険だから一旦離れよう」




ドクターの指示に従い全員が

その場から距離を取って退避したその直後でした。



バシューーーーーという風切り音からの凄まじい轟音が

何度も繰り返されました。




再びダンジョンの入口に行くと

そこにはグチャクチャにひしゃげた入口と

大量の鉄柱のようなものが突き刺さっており

実質ダンジョンは封鎖状態になってました。


「これは、バンカーバスターですか?!」

「左様、こんなときもあろうかと作っておいたのだ」


「こんな時ってどんな時だよ!」

「それは見ての通り、こんな時じゃよ」

「くっ、反論できないがこんなのイレギュラーすぎるだろ!」

「何事も用心に越したことはない」

「そうですよブリジットちゃん、これこそ銃器の力です!」


私とドクターは愉快に高笑いしていました。


「なるほど、私には真似できないがガンナースキルも

 なかなか素晴らしい力を持っているね」


「俺は絶対認めないからな!」


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