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エピローグ

 魔王討伐成功の凱旋パレードを終えても祭りは終わらず、賑やかさに変わりはない。

「レオン、すごくカッコよかったよ!」

「あ、ありがとう」

 カイのおかげで人間の姿に戻れたのと、カイがパレードを見るのを楽しみにしていると言ってくれたので、最後の仕事と思ってパレードと褒賞の授与式だけ出席した。

 最初から魔王討伐後は田舎に帰ると言っていたのと、宰相様の口添えのおかげで問題なく城を去ることができる。

 ただ、一つだけ予定に変更ができた。


「カイさん、準備はよろしいですか?」

「忘れ物があったらいつでも王城でも、村でも帰れるから大丈夫だよ」

 聖女様と第二王子がカイに向かって口々に言う。

 斜めがけにした魔法バッグを覗き込んだあと、満足そうに頷く。

「忘れ物は大丈夫だと思いますし、村の畑とお墓のお世話は神官様がしてくださるということなので、大丈夫です」

 神官様は眠っている間に第二王子によって記憶の改竄をされた。カイは伝説の聖女の娘ではなく、弟子だと思い込まされたのだ。

 元からカイを娘だと信じたくなかったようで、今では「マリエ様の最後の地を私が守る」と言って教会本部に異動届を出して亡き神父様の代わりに村の教会に住んでくれるようになった。

 畑と墓の心配がなくなったところで、聖女様がカイに提案をした。

「せっかく自覚した力を使えるように修行をしない?」と。

「教会の聖女になるということですか?」

 不安そうな顔をするカイに聖女様は「ふふっ」と小さく笑って首を横に振る。

「私もまだまだレベルアップしたいから、各地をまわる旅をする予定なの。私でよければ、力の使い方を教えられる。薬作りだけじゃなくて治癒の力も使えるようになるわ」

「よろしくお願いします!」

 聖女様の言葉が終える前にその手を取ったカイは真剣な表情をしていた。

「こちらこそよろしく」と微笑んだ聖女様に僕は手を挙げた。

「僕も連れて行ってもらってもいいですか?」

「もちろん。女の二人旅は危険ですから」

「じゃ、私も一緒に行こうかな」

 快く聖女様が同意すると、軽い調子で参加表明してきた第二王子にみんなの視線が集まる。

「第二王子は問題では?」

「ほら、この間のオオイノシシの事もあるし、まだ各地に魔物が多いからね。魔物の被害調査の名目で旅をする許可を得ているよ」

 陛下の御璽付の許可証を見せられては何も言えない。

「よろしくね。カイはどこか行きたい所はある?」

 村以外の場所は隣町と今回来た王都くらいしか見ていないカイに聞くことか、と思って助け舟を出そうとしたけど、それより早くカイが答えていた。

「海が見たいです」

「海?」

 不思議そうにする第二王子と聖女様。

 村はもちろん山の中だし、王都に来る時も転移の魔法陣を使ったため、海を見る機会はカイにないはず。

「母の故郷は海の見える所だったそうなんです。

 母は海が好きだったみたいで、私の名前も母の故郷の言葉で“海”を意味する言葉だって聞いたことがあります。

 母の故郷とは違うと思いますけど、私も海が見てみたいです」

 キラキラしたカイの表情に、みんなが釣られて笑って最初の目的地が決まった。

「よし! せっかくだから魚介類の美味しい港町に行こう」

 先頭を歩き始める第二王子。

 それに続く聖女様がカイの手を引く。

 振り返ったカイに笑って僕もみんなを追って歩き始める。

 今度の旅もトラブルや想定外なことはたくさんあるだろうけど、今度は明るく楽しい旅になりそうだと不思議だけど信じられる。

ここまで読んでくださいました皆様ありがとうございますm(_ _)m


読んでくださっていた皆様のお蔭様をもちまして完結まで辿り着きました。

打ち切りエンドのような雰囲気ですが、予定していた終わり方です。

改めまして、お読みいただきありがとうございます!

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