前へ目次 次へ 17/20 17.名前を、でっち上げることにした 黙って見つめ返すと、場を沈黙が支配した。 私が『人』ではないと知られたときに、私は処分されるかもしれない。 それは、困る。 私は、私にすべてを託した兄弟たちのために、生き延びなくてはいけない。 肺という機関に空気を送る。 声帯の状態を確認する……問題なさそうだ。 私は人の経験値として生まれた。ならば「経験値」と名乗るか…… それではさすがに安直だ。ならば、 「ふーど……です」 情けない声が、小さな口から漏れ出した。