前へ目次 次へ 16/20 16.自己紹介を、強いられた 知らない場所に連れられた。 「狩り場で拾ったの。私が育てることにするわ」 相手の顔色を確認すると、困惑しているようだった。 「育てると言っても……」 「あなたは何も心配しなくて良いわ。それでこの子を私の養子にしたいのだけど」 「養子……ねえ。その子の名前は?」 「そうね、そういえば。あなた、名前は?」 どうやら私に聞いているらしい。 名前とは『人』が持つ個体番号のようなものだ。 そんなもの、私が持つはずもないのに。