前へ目次 次へ 12/20 12.私の冒険は、こうして始まった 蹴った相手は吹き飛ばされ、無傷で着地した。 一人が、前に出る。 手に持つ杖が、高く振り上げられる。 死を覚悟した。だがその杖は私でなく、隣の『人』に軽く下ろされた。 「こら、男ども! 見るな、目を瞑れ!」 姿を真似たからなのか、言葉の意味がわかる。 どうやら『人』は、私を見て顔を赤くしているらしい。 「お嬢さん、とりあえずこれを着なさい」 ぶかぶかの服を投げつけられる。袖に手を通すと、悔しいことにそれは暖かかった。