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スノードロップ  作者: 白城縁
高校三年生 冬
106/372

改札から自宅にて ~くたびれたアヒルたち~

//////////


「ふいー危なかった……あやうく乗り過ごしてしまう所だった」

 僕は柄にも無く少し慌ててしまった事が恥ずかしかったので、周りの目を気にしながらあたふたとしていた。

「良かった……知り合いはいないみたいだ。一安心、一安心」

 僕はもう一度周りを確認してから、特に知り合いはいなかった事に安堵していた。

「さてさて、とっとと帰りますか……この時間なら帰って家に着いて少しすれば昼休みの時間だろうし、ハウも電話に出れるだろう」

 僕は誰に言う訳でも無く時計を確認しながらそう呟くと、意気揚々と改札から出て家へと向かった。


――――――


「……はぁ……今日まで今までした事が無いくらいの勉強をしてきたせいか、やっと全部終わったと思うとどっと疲れを感じるな……朝も浴びたけどもう一回シャワー浴びるか……」

 僕は自宅に着いて早々、崩れ落ちるようにソファーに腰掛けるとそう呟いた。時間的にはもう少し余裕があるようだったので僕は疲れを癒すためにも気合で立ち上がり、お風呂場へと向かった。

「……ふーやっぱりお風呂は気持ち良いなぁ、最近はあまり時間が無かったからシャワーだけで済ませていたけど、やっぱり面倒でも湯舟は張るべきだなぁ」

 時間が無い中ではあったが僕は久しぶりに湯舟に浸かってゆっくりとしたかった事もあり、湯舟を張ってからお風呂に入った。

 湯舟に浮かんだ沢山のアヒルのおもちゃを見ながら僕は、何となくおかしくて笑ってしまった。

「こいつらほんとに面白い顔してるよな……よく見ると一匹一匹顔も違うし」

 一番近くに浮かんでいたアヒルのおもちゃを指で弾きながらそう言った。こんなに沢山のアヒルのおもちゃを浮かべてお風呂に入るなんて藍さんやハウに知られたら何を言われるか分かったもんじゃない。

「うーん、でも逆に何も浮かんでいないお風呂に入るって何か寂しいような気がするんだよな……でも流石にそろそろ別の何か浮かべるしかないかな……」

 僕はだいぶくたびれた様子のアヒルたちを見ながらそう思った。僕の中ではお風呂には何か浮かんでいなければいけないという考えがあったので、何も浮かべないという選択肢は全く思い付かなかった。

「さて、そんな事よりもそろそろ上がるか……ハウに早く連絡しないと昼食食べると悪いし、折角だからお礼も兼ねてハウに美味しいご飯奢ってあげよっと……」

 僕はそう言うと、勢いよく湯舟から飛び出し濡れた身体のまま、制服にいれたままだった携帯を取り出しハウに電話を掛けた。

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