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50話⑥

 その頃、食堂では陸遄たちは煌大の帰りを待っていた。


「それにしても・・・煌大の奴・・・遅いわね」


 美雪姉が時計を見ながら言うと


「そうですね・・・何かあったのでしょうか?」


「どうせ・・・女だろう・・・なぁ・・・明梨・・・何か隠しているだろう?」


 彩華姉は明梨たちが何か隠していることに気づいて尋ねると白瑛が


「何故、分かったんですか?」


「直感だ」


 彩華姉は言い返すと白瑛ははぁっと息を吐くと


「さすがです・・・凄い直感ですね」


「まぁな」


 彩華姉はニッと笑みをすると陸遄が説明し始めた。そして、説明し終わると美雪姉は


「とりあえず・・・その清恵さんに会ってみないとね」


「美雪さん・・・め、目が笑っていないです」


 美雪姉が今にでも煌大の所に向かおうとしているところを結女姉が止めた。そしたら、陸遄と周一が


「俺たちが何をしても意味が無いと思いますよ」


「煌大は感が良いから・・・こっちの予想も分かっていると思うよ・・・それに・・・」


「あぁ・・・亞矢が来たようだな」


 陸遄は皆に話しているとそこに亞矢がやって来た。陸遄が美雪姉たちに紹介した。


「この娘は北川亞矢・・・俺と煌大と同じクラスです」


「北川亞矢です・・・よろしく」


 陸遄が紹介すると亞矢も自己紹介した。陸遄は亞矢に


「煌大に目線で促されて席を外したんだろう?」


 言いかけると亞矢はコクッと頷いた。その後の展開が全員、瞬時に理解できた。だが、亞矢は陸遄と周一が落ち着いているかが気になった。


「どうして陸遄くんと周一くんは落ち着いているの?」


 二人は亞矢に問いにどう言い返そうか考えていると明梨が


「陸遄と周一は煌大の右腕と左腕よ・・・陸遄が右腕で・・・周一は左腕よ」


「ふぅーん・・・つまり・・・煌大の考えなんか分かっているということね」


「そういうことだ」


「ちなみに陸遄と周一は親戚関係よ」


「どういうこと?」


 亞矢は紅葉が言ったことに首を傾げると


「俺と周一の母親は姉妹なんだ」


「なるほど・・・だから、親戚なんだね」


 亞矢は陸遄と言い返したことに納得するとそこにある仮説が生まれた。


「ねぇ・・・陸遄・・・言わなくても良いけど・・・貴方たちってもしかして・・・『ジ・エンパイア』の関係者?」


 亞矢の問いに陸遄たちは目を大きく開く。そしたら、美雪姉が皆の方に向くと皆、頷いたので美雪姉が代表して話し始めた。


「その通りよ・・・私たちは『ジ・エンパイア』の関係者・・・いや・・・正確に言うと・・・陸遄たちは『ナイト・オブ・ラウンズ』の実子で・・・私、結女、彩華、そして煌大は『ジ・エンパイア』の総帥の実子よ」


 美雪姉が簡単に説明すると亞矢は表情を変えてはいないが驚いていることだけは分かった。そして


「納得・・・煌大が主席なのも名字が朝宮なのも理解できた・・・かの『剣帝』の息子なんだ・・・清恵・・・規格外な人に好意を持ってしまったね」


 亞矢は清恵に少々同情していると


「何を言っているの?・・・貴方も私たちともう友達でしょう?」


 美雪姉はあっけらかんことを言うと亞矢は


「うん・・・そうだね・・・これから三年間よろしくね」


「えぇ・・・こちらも」


 その後、亞矢は美雪姉たちと談笑しながら清恵が戻ってくるのを待った。




 教室では煌大と清恵が残っていた。そしたら、煌大は真剣な表情になって


「清恵・・・話がある」


 清恵は上目状態で「はい」と言うと煌大は


「清恵・・・俺は君のことが好きだ・・・もし・・・なんだけど・・・俺と付き合ってくれないか?」


 煌大は清恵に告白すると清恵は目から涙をこぼしていた。それは羞恥や悲観からの涙ではないうれしさによる涙である。そしたら、清恵も


「私も煌大くんのことが好きです・・・だから・・・付き合ってください!!」


 清恵も煌大に告白すると煌大に抱きついてきた。煌大は清恵の頭を撫で始めると清恵はさらに煌大に抱きついてきた。そして、陸遄たちがいるだろう食堂に向かった。煌大は清恵と共に食堂に向かっている最中


「(まさか・・・入学早々恋人できるとは・・・夢にも思わなかった)」




 食堂にいる陸遄たちは


「周一・・・」


「あぁ・・・上手くいったようだな」


「えっ?」


「どういうこと?」


 明梨たちは陸遄と周一が言ったことに疑問符を浮かべると亞矢はすぐに気づいた。


「もしかして・・・」


「その通り」


「煌大は良き人に恵まれたようだね」


 美雪姉たちは周一が言ったことでついに分かったようだ。


「そうか・・・煌大は・・・」


「えぇ・・・彼の人生の転換点ですね」


「良かったじゃねぇか」


 美雪姉たちが安心しきった顔をしていた。亞矢以外の皆はその意味を理解できた。そしたら、そこに煌大と清恵がやって来た。皆は二人を見て美雪姉たちは清恵を見ていた。しかし、すぐにやめると煌大に


「煌大・・・いい!!・・・女を泣かせてダメよ!!」


「分かっているよ・・・美雪姉」


「分かっているのならよろしい」


 そんな中、結女姉と彩華姉は


「あの娘さぁ・・・小雪さんに似てないか?」


「えぇ・・・皆から注目を浴びるようなひまわりそのものといっても過言ではありませんね」


 二人はそう言い合っていると煌大は


「とにかく家に帰ろうぜ」


「そうだな・・・明日のこともあるし」


 陸遄もそう言って学校を後にしてそれぞれの家に帰った。


 清恵と亞矢は家に帰る途中、清恵は嬉しそうに歩いていた。亞矢はそんな清恵を見て


「良かったわね・・・清恵・・・煌大くんと付き合えて」


「うん」


 清恵は頷きながら言うと、亞矢は何事も言わずに清恵と一緒に帰った。

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