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俺、ヒーローなんだけど   作者: くま太郎


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これから

 ハザーズのアジトを壊滅させたとなると、本部に報告に行く必要がある。それは分かる……分かるけど、一緒に行く知り合いが多すぎるんですけど。

 月山と健也は攫われた被害者で、俺の戦いを間近で見ていたから来てもらう必要がある。

 秋待さん。イベントの出番があるから、三十分位の聞き取りになるらしい。

 そしてバーディーアンの三人。ポーチャーと戦っていたヒーローだから、今後の事も含めて本部での話し合いが必要。

 それは分かっている。この状態で行くと、絶対に弄られる。


「吾郎、怪我してるんだから、一人で歩いたら駄目だよ。ほら、僕に捕まって」

 鷹空さんはそう言うと俺に寄り添ってきた。

 甘い匂いが鼻をくすぐり、柔らかな感触に包まれる……やばい、思考が停止してしまう。


「マスクかぶっていないと、デレデレがバレバレだな。さっきまでと別人過ぎないか?」

 月山、こんな奇跡二度とないんだぞ。ヒーローだって、ご褒美が欲しいんだよ。


「あ、亜空間を抜けるぞ。俺についてきて」

亜空間を抜けると、そこは本部だった。川本さんが、亜空間との入り口を繋いでくれたんだから、当たり前なんだけど。

 そしてこれも当たり前だけど、川本さんが出迎えてくれた。なんかもの凄いニヤニヤした顔で俺をみているんですけど!


「おい、吾郎。その程度の怪我で一人で歩けないなんて修業が足りていないんじゃないか?」

 川本さんがからかう様な口調で話し掛けてきた。

もちろん、一人で歩ける。

 歩けるけど、鷹空さんが僕が付き添ってあげるって言われたら、断れないよね。


「初めまして。鷹空翼と言います。サンサンクさんの指示で、吾郎に付き添っています。エスパレオンさんからも言って下さい。吾郎、僕の言う事聞いてくれないんです。怪我しているのに、一人で歩こうとするんですよ」

 そう言ってため息を漏らす鷹空さん。俺の位置からは表情が見えないから心配になるんですけど。


「聞いていたけど、ここまでなのかよ……口の中にガムシロップを直で突っ込まれた気分だよ。吾郎、後からブラックコーヒー奢れ。まずは皆を案内しろ」

 なぜか顔をしかめる川本さん。なんでブラックコーヒーなんだろ?


「秋待さん、月山、健也の三人は職員さんから聞き取りがある。鷹空さ……バーディーアンの三人は俺について来て下さい」

 さっきから職員さんが、俺達をちらちら見てくる。そして俺と目が合うとニヤリと笑う。中にはわざわざ見に来ている人もいた。

 話が広がるの早くないですか?


「ここが本部なんだ。初めて来た。吾郎は良く来てるの?」

 そう言うと鷹空さんは、俺の顔を覗き込んできた。鷹空さん、顔が近いです。

(職員さんはまだ良い。仲間(じょうきゅうヒーロー)に見られたら、確実にいじられる)

 にやける顔を無理やり戻して真顔に戻す。


「週に四回は来ているよ。週一で夜勤もしているし」

 下手したら自宅より本部にいる時間の方が長いかもしれない。

(この魔力は?だよね。あの三人(サンサンク)が、こんな面白イベントを見逃す訳ないもんな)

 そう、サンサンクが、こっちに向かってきているのだ。


「それで真顔に戻したつもりか?吾郎、鼻の下が伸びているぞ」

 美樹本さんが肩パンしてきた。しかも、ハーレムライオンに殴られた所を狙ってきている。

これでも怪我人なんですけど。


「ゴロちゃん、嬉しそうな顔しちゃって。スタッフの皆にも教えなきゃ」

 美影さんはそういうとスマホを弄り始めた。お店に行き辛くなるので止めて下さい。


「鶏君、一人で歩けないほど、足が痛いのなら診察するぞ。なんなら手術しても良い」

 獺川さん、大丈夫ですからメスをチラ見せしないで下さい。

 そして流石はサンサンク。俺をいじるのに遠慮がない。


「セツカさんとNEKОさん?なんで、本部にいるの?吾郎と知り合いみたいだし」

 鷹空さんが驚きのあまり、固まっている。鷹空さん、美樹本さんと美影さんのファンだもんな。


「私達もヒーローなの。サンサンクって知っている?ウィッチ系ヒーローの先輩として、

貴方達の指導係になってあげる」

 美樹本さんが優しい顔でバーディーアンの三人に告げた。俺と扱いが違い過ぎませんか?

 そして美樹本さん達は、鷹空さん達の前で変身。同時にあがる感嘆の声。

サンサンクはバーディーアンと同じウィッチ系ヒーロー。確かに指導役として適任だ。


「サンサンクに鍛えて頂けたら、絶対に強くなれます。ご指導お願いします」

 副浪さんは、そういうと深々と頭を下げた。

ごめん、健也。お前の幼馴染み確実に強くなってしまう。

サンサンクは指導力が高い。でも、教え方がかなりのスパルタなのだ。

それは俺が骨身に染みて分かっている。


「ヒーロー専門医の獺川医師がレッドクレリック様だったなんて。私の……全ヒーラー職の憧れの方が目の前にいらっしゃる。しかも、ご指導して頂けるなんて……信じられません。奇跡ですわ」

 白鳥さんがキラキラした目で獺川さんを見ている。獺川さんは医師としても、ヒーラーとしても優秀だ。

 サンサンクとの訓練は、怪我しても疲れても獺川さんがきちんと回復してくれるから終わりが見えないんだよな。


「凄い。エンジェルホワイトさんだ。僕、ホワイトさんみたいなヒーローになりたいんです」

 鷹空さん、やめて。美樹本(エンジェルホワイト)さんの戦いは俺のトラウマなんだよ。

(戦闘スタイルは美影(ブルーパラディン)さんの方が近いんだよな)

 美樹本さんは、サンサンクの魔法担当だ……ただ、近接戦もえげつない位強い。


「……確かに戦闘訓練は、俺よりサンサンクの皆さんの方が適任ですね。お願いします」

 気持ちを込めて頭を下げる。勝手な話だけど、バーディーアンの三人には危ない目に遭って欲しくないのだ。

 その為には強く在る必要がある。でも、俺には鍛える事が出来ない。

 俺の戦い方はコカトリスの能力がベースになっている。ウィッチ系であるバーディーアンのお手本にはならないのだ。

何より俺は連携を教える事が出来ない。

 沈黙……頭を上げるか迷っていると、背中に衝撃が走った。誰かが俺の背中を叩いたようだ。


「なーに、真面目な面して頭下げているんだよ。お前に言われくても、きちんと面倒見るから安心しろ」

 頭を上げると、美樹本さん(はんにん)が優しい顔で微笑んでいた……本当に優しい人だ。前に男前って言ったらボコボコにされたけど。


 照れ臭い。バーディーアンの三人はヒーローの後輩である前に、同い年の女の子。そのうち二人は同級生な訳で。

 その人達の前で本人に意思を聞かずに熱血展開してしまったのだ。

 気を取り直してヒーローモードに変更する。


「皆さんにアシスタントして頂く前に、俺が主に関わっている仕事をお伝えしたいと思います。それと仕事なので、話し方を変えますので了承して下さい。基本は私の仕事援護ですが、深く関わっている案件が二つあります。まずは埼玉を根城にしているデストラックス。そしてデストラックスを担当しているバグズファイブの育成」

 バグズファイブは特訓を頑張っているそうで、この間デストラックスを一体倒したそうだ。


「デストラックスって、肉フェスでコカトイエローさんが倒したハザーズですよね」

 分かっていたけど、鷹空さんの敬語は、心に堪える。物凄い距離を感じてしまう。


「デストラックスの問題は動物保護団体と関係を持っている事です。その間を取り持ったと思われるのが、城宮学院に出るオッフェン。こちらは皆さんがアオリインプと戦った時に見たので覚えていると思います」

青春戦隊ユースファイブ。出来ればもう関わりたくないんだけどな。でも、今やオッフェンは最重要ハザーズになっている。


「城宮に友人がおりますけど、最近は仮面の男は現れていないと聞きます。出るのは戦闘員ばかりでユースファイブが対応していると聞きましたけど……コカトイエローさんが注視する理由があるのですか?」

 白鳥さん、城宮に知り合いがいるんだ。流石はお嬢様。


「多分、様子を見ているんだと思います。オッフェンは、他のハザーズと違って社会慣れしているんです。しかも、人化の術を持っていて、城宮に潜んでいる可能性があります。人間に化けて他のハザーズの仲を取り持っているしいんですよ」

 戦闘員しか出してない理由は、ユースファイブを油断させる為だと思う。

 どの生徒がハザーズか分からないし、どんな隠し玉を持っているか分からない。下手に手を出さないで、様子を見るしかないのだ。


「訓練をしつつ、何かあったらコカトイエローさんのアシスタントをする。それで良いんですね?」

 副浪さんの言う通り、今すぐに動く案件はない。夜間援護の時は呼べないし。


「とりあえず明日から実家に帰省しますので、具体的な事は帰って来てからになります……改めてよろしくって事で、お土産買ってくるよ。リクエストあったら、ライソして」

 健也と月山、それに仕事関係の人達にはお土産を買ってくる予定だったし。


 翌日、バーディーアンの三人は普段通り、止まり木でアルバイトをしていた。

 ある意味これまでと変わらない日常。しかし、麗美はあるものを見て恐怖を覚えていた。


「つ、翼さん。そんなに必死にスマホを見てどうしたんですか?大酉さんに送るライソをお考えとか?」

 翼が鬼気迫る表情でスマホを見ていたのだ。眉間に皺を寄せ、悩んでいるのか唸り声が漏れている。


「青森の名物に津軽塗りがあるんだよ。リクエスト、夫婦箸と夫婦茶碗、どっちが良いと思う?箸なら吾郎の家に置いておけるし……泥棒猫への牽制にもなるよね」

 麗美の背中に寒気が走る。

(危ない。まだお付き合いしていませんわよね?と聞くところでしたわ……考えるのよ、麗美。安全な回答を)

 それは猛犬の尻尾を踏みにじる様な危険な行為である。


「お菓子が良いと思いますよ。翼さんのご両親の心証も良くなりますし」

 麗美は自分で自分を褒めた。友人(つばさ)の猛ダッシュにストップをかけつつ、危険スイッチを押さないベストな回答だと。


「そうだよね。流石は麗美。きちんと吾郎が使っている食器を見てからじゃないと駄目だよな」

 麗美は、この時獺川さんに胃薬を処方してもらおうと心に誓っていた。


女性キャラ多いけど、ハーレム展開には絶対になりません(笑) 好きな女性キャラいますか?

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― 新着の感想 ―
>好きな女性キャラいますか? やっぱり、翼さんが好きです。 こういう吾郎みたいな自己評価の低い主人公には、一途な子と結ばれて報われてほしい。 確かに、女性ヒロインも増えて本名とヒーロー名とかが混乱し…
バーディアンの協力者であるとまり木のオーナーの反応が知りたかった…
ヤンデレベルが高過ぎる…女の影(誤解)でもあろうものなら闇堕ちしそうなんだけど…確実に結婚生活前提で動き続けてるんだよな
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