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後編

「大丈夫ですか?自分の名前言えますか?」


目を覚ますと白い部屋の中にいた。

ゆっくりあたりを見回すと、知っているけど実際に見たことない場所だった。

白い服を着た女性が私の手首を指で押さえながら聞いてくる。


「ここはどこですか?」

「病院ですよ。気分の悪いところはないですか?」


女性の言葉を聞いて私は考える。

私が17年間暮らした世界だった。

私は日本に戻ってきたのだ。

ボロボロの体で。

骨折した足は吊るされていて、失った腕には白い包帯が巻かれていた。


「安静にして動かないでね」


そう言って女性が出て行くと、白衣の男性が入れ替わるように入ってきた。

そして、私の現状を教えてくれる。

病院に運ばれたときは瀕死の重傷だったこと。

運ばれてきてから一ヶ月立っていること。

身元が分かるものを持っていなかったから、身元不明のままだということ。

私は黙ってその話を聞いていた。

名乗るつもりはなかった。

何故なら、私は死ぬつもりだったから。

私は二度死んでいる。

一度目は車に轢かれて。

二度目は心臓を貫かれて。

そして、三度目は・・・



私は病院の屋上から身を踊らせた。


気づくと私は、豪華な椅子に座っていた。

成功した。

私は再び異世界にこれたのだ。

自分の力で。

周囲を確認して私は声に出して笑った。

この場所には見覚えがある。

私が倒した魔王が座っていた場所だ。

三度死んだ私は膨大な魔力と共に魔王になっていたのだ。

手始めに私は亡き戦友たちを生き返らせた。

本人たちはびっくりしてたけど、私の話を聞いて納得して共に戦ってくれる約束をしてくれた。

仲間が腐る前にこの世界帰って来れて良かった。

腐りかけの仲間はちょっと見たくない。

共に魔王を倒した皆は強かった。

次々と魔物達を説得ボコボコして仲間にしていった。

新たな魔王軍団が出来上がった。

それは各国に知れ渡り、多くの討伐隊がやってきた。

特に丁寧におもてなししたのは、私を召喚した国の討伐隊だった。

そこで聞いたのが第三王子が国王になっていたことだった。

王子が魔王を撃ったことが讃えられ、国民の支持を得て国王になったらしい。

魔王とは私のことだった。

あの時王子は私を魔王と偽り私を殺したことで国王の座につけたのだ。

一緒にいた綺麗な女性を王妃に迎えて。

私は笑った。

腹の底から笑った。


「じゃぁ、望み通り本物の魔王を殺してもらおうかな。殺せるものならね」


私は考えた。

男を簡単に殺せる力はある。

でも、簡単に殺してしまってはつまらない。

許せない。

私の心を弄び、地獄に突き落としてくれた王子・・・国王様には最高のおもてなしをしたいと。


先ず初めにその国に諜報部隊を送った。

下僕にした魔物の中で人間に変身できる物を選んだ。

そして、市場、王宮の情報を手に入れた。

国民は今の暮らしに満足してない、それどころか王が変わったことによって税が上がり恨んでいた。

王妃は調べていくとなんと転生者らしいことが分かった。

本来なら王妃が魔王を討伐するところを国王が惚れたため、魔王を討伐するために私を召喚したらしい。

そしてなんと国王は王妃とは別に婚約者がいたのだ。

相手はこの国の公爵の娘。

簡単に別れられないと思った国王は、無実の罪をきせて牢屋に閉じ込めたらしい。

勇者召喚に、悪役令嬢。

某小説サイトの人気キーワードてんこ盛りだな。

私は心の中で思った。

なら、ざまぁのキーワードも追加してあげないとね。


先ず魔物の中特にイケてるメンズ達を王宮に忍ばせて王妃に近づくように指示した。

王妃の趣味が分からないので、様々なタイプのイケメンを送った。

私の忠実なる部下は命令を違えない。

案の定王妃は私の部下をを取り巻きとした。

彼らに嫌われないように王妃は更に自分を高めだした。

そのお金は国費から。

国民たちは上がる税金に憤慨し始めた。

そんな時、王妃の妊娠が発覚した。

国王は喜び国をあげて祝福をした。

国民に酒や食事を振舞った。

国民は喜んでいた。

その酒は食事は自分たちが収めた税から出ているのにも気づかず。


その騒動の中地下牢に閉じ込められた元婚約者の元へ向かった。

ボロボロの体で死んでいた公爵令嬢。

犯罪者集団の牢屋に入れられた令嬢は嬲り殺されていたのだ。

死刑の方がマシだろう。

私はその令嬢を仲間にすることにした。

死んでから時間経ってたからちょっと腐ってたけど・・・

私達は同じ人間を憎んでいたから直ぐに仲良くなった。

何日も話し合いの上で、私が国王を復讐する権利を得た。

その代わり令嬢には、宰相、騎士団長、魔術師長、公爵をあげた。

こいつらは私の召喚と令嬢の幽閉にも関わっていた者達だった。

当時は宰相の息子、騎士団長の息子、天才魔術師、公爵の息子だったのが第三王子が国王になって、世代交代したらしい。

国王は渡せないけど、四人上げると言ったら喜んでくれた。


暫くして王妃の妊娠税が追加された。

人々はその日食べるものにも苦労するようになり、餓死するものが出て無法地帯も増えていった。

王宮を除いて国は滅びの一途を辿っていた。

そして、王妃の出産の日。

王宮に王妃の悲鳴と共に赤子の鳴き声が響いた。

誕生を今か今かと待ちかねていた国王はその声と共に部屋に飛び込んだ。

そこで国王が見たのは、血だらけのベットの上で横になった王妃の腹の上で笑う赤子の姿。

赤子は人間の顔をしていなかった。

赤い目が三つ。

口は耳までさけて。

鼻はなかった。

そして王妃の腹は裂けて内蔵が飛び散っていた。

赤子は王妃の腹を裂いて生まれたのだ。

国王は赤子を殺し箝口令を敷いたが、人の口に戸は立てられぬとの言葉通り王妃が魔物を産んだと直ぐに国民に知れ渡っていた。

王妃の妊娠税に苦しめられた国民は憎悪を王宮に向けた。

民の中に紛れ込んだ魔物たちが上手く憎悪の感情を増幅させていったのだ。

そして、民は武器を取り反乱を起こす。

私を召喚した国は3日で滅んだ。

まぁ、主に国を守る騎士団や魔術師と戦ったのは私が生き返らせたゾンビだったんだけどね。

元々死体だった彼らは死なない。

何度殺しても死なないどころか、ゾンビに殺された人間はゾンビになり増加していく。

恐怖に駆られた生き残った騎士団は逃げ出した。

逃げたとしても私が許すはずもなく、騎士団や魔術師達は全員食い殺された。

あっ、逃げ出した騎士団長と魔術師長は約束通り令嬢にあげた。

令嬢は凄く喜んでくれた。

王宮の隠し部屋にいた宰相と公爵をあげた時は抱きつかれた。

ちょっと腐敗臭がしたのは内緒だ。

レディに臭いはない。

そっと、香水を渡しておいた。



私は長い廊下をゆっくりと歩いている。

誰もいない。

生きているものは。

動き回っているのはアンデッドと化した物ばかり。

でも、この王宮で一つだけ生き物の気配がする。

私が監禁されていた部屋。

ノックもなしに扉を開く。

目の前で繰り広げられている光景に私は笑みを浮かべた。

腹が裂け死んだはずの王妃が、元国王の上に乗り痴態を繰り広げている。

優しい私は、国王が愛した王妃を生き返らせて上げたのだ。

国王が殺したはずの赤子も生き返らせて上げた。

そしてその赤子は、国王の指に必死に食らいついている。

足の指はすべて食いちぎられ、手の指も殆ど食いちぎられている。

指が終わったあとは、じっくり食べられて行くのだ。

生きたままで。


「た、助けてくれ」


私に気づいた国王は私に指のない手を伸ばしてきた。

私はその手を叩き落とし、笑った。


「なんて醜い顔。魔王である私に救いを求めてくるなんて笑える。あなたは私を楽しませるためだけに生きているの。苦しんで苦しんでそして・・・生き続けてね」


絶望に染まる元国王に背を向けて部屋を出る。

私と入れ違いに、宰相、騎士団長、魔術師長、公爵のゾンビが部屋の中へ入っていく。

扉を閉めると男の悲鳴が聞こえた。

目の前には令嬢がにっこり笑っていた。

令嬢も楽しんだみたいだ。


後二時間くらいしたら令嬢を伴ってまた部屋を訪れよう。

その時に男の反応が楽しみだ。

次はどんな面白い反応をしてくれるのかな。

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