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武龍伝  作者: もんじろう
96/204

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 鬼麿の動きと右腕の動き、両方を見切った上での無法丸の攻撃であった。


「なっ!?」


 鬼麿は思わぬ奇襲に慌てた。


 右腕が鬼麿の顔に迫る。


 鬼麿が左手で右手を受け止めた。


(まずい!!)


 この隙に無法丸が斬りつけてくる。


 鬼麿はそう思い、身構えた。


 次に来る斬撃を防がねばならない。


 そのまま、しばしの時が過ぎた。


 しかし。


 いつまで待っても攻撃は来ない。


(まさか!?)


 ようやく、鬼麿は気づいた。


 周りを見回す。


 どこにも無法丸が居ない。


 鬼麿が自らの右腕に気を取られた瞬間から、無法丸はすぐさま逃走を開始したのだろう。


 おそらくは陽炎たちを追ったか。


 遊んでいるつもりが、まんまと一杯食わされたのだ。


「ぐぬぬ…」


 鬼麿の双眸が激しい怒りに燃えあがる。


「許さぬぞ、あの男…八つ裂きにしてやる!!」




 闇夜の森の中を逃げる陽炎。


 すぐ後ろには、四つ這いで追いすがる牙狼の姿があった。


 化彦とは途中で、はぐれた。


 間近に敵の気配を感じ、陽炎は覚悟を決めた。


 振り返りざまに左手で手裏剣を放つ。


 牽制である。


 牙狼の隙を突こうと右手に小刀を構えた。


 牙狼は軽々と手裏剣をかわし、跳んだ。


 そして、陽炎の予想をはるかに上回る速さで襲いかかった。


 牙狼の右手が陽炎の首を掴み、吊し上げる。


 抵抗しようと小刀を振る陽炎。

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