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武龍伝  作者: もんじろう
64/204

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(捕らえられるぐらいなら…)


 陽炎は自ら命を断つ覚悟を固めた。


 突然。


「女一人に、二人がかりか?」


 男の声がした。


 陽炎のやや離れた右側に、いつの

 間にか、細身だが筋肉質な男が立っていた。


 浪人の風体で、歳は三十ほどか。


 長髪を後ろで無造作に、ひと括りに結んでいる。


 太めの木刀を右手に持ち、肩に担いだ格好。


 腰には刀は無い。


「何だ、貴様」


 化彦が言った。


 苛立(いらだ)っている。


「殺されたいか?」


「いや」


 男が答えた。


 まるで、緊張が見られない。


「殺されたくはないが、こんな卑怯を見逃せる性質(たち)でもない」


「邪魔するとでも?」


 化彦の言葉に男は頷いた。


「ああ。俺は、こういう『無法』は嫌いだ」


「殺れっ! 針蔵っ!!」


 化彦の叫びで針蔵が男へと突っ込んだ。


 男は息を吸った。


 そして、吐くと同時に木刀で針蔵の両手を打った。


(木刀が折れる!!)


 陽炎が、そう思った瞬間。

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