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武龍伝  作者: もんじろう
55/204

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 先端が割れた細長い舌が、ちろちろと顔を出す。


「おやおや、皆、子供じゃないか」


 異形の女が言った。


「こいつらに飛刃と腕丸は殺られちまったのかい?」


 くくくっと笑う。


「あいつらも相当、焼きが回ったね」


 腰の鞘から刀を抜いた。


「殺っちまいなっ!!」


 女が叫ぶと同時に忍びたちが一斉に刀を抜いた。


 隼人が蜜柑と春馬の方へと進もうとする。


 女が立ち塞がった。


「春馬!!」


 隼人が呼ぶ。


「隼人!」と春馬。


「蜜柑をしばらく頼む」


「うん! でも、なるべく早くしてよ!」


「おう!!」


 十人の忍びが蜜柑と春馬を囲む。


「刀小僧は、この蛇美羅(じゃみら)様が相手してやるよ」


 ウロコの女、蛇美羅が口を開け「しゃー」と鳴いた。


 赤い舌が踊る。


 隼人が二本刀に両手をかけ、腰を落とした。


「いくぜ」


 こちらも唇をぺろりと舐める。


 一方、忍びたちに囲まれた二人は、じりじりと包囲を狭められ、危機に陥っていた。


 蜜柑を背後に庇おうとする春馬。

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