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武龍伝  作者: もんじろう
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104

 すかさず、虹丸の左手が忍びの顔面を打つ。


 怯んだ隙に、虹丸は忍びの刀を奪っていた。


 その刀で忍びを斬り捨てる。


 春馬は迫ってくる忍びたちに「エレメントシェル」を投げたが、易易(やすやす)とかわされた。


「シェル」が忍びたちの後ろの地面で炎を噴き上げる。


 やはり、あらかじめ「シェル」を知り、なおかつ体術で勝る者には当てることは難しい。


 蜜柑を庇い立つ春馬に忍びの刃が振り下ろされる。


 瞬間。


 刀を持つ忍びの顔に、飛んできた刀が突き刺さった。


 忍びが倒れる。


 虹丸が先ほど奪った刀を投げたのだった。


 さすがに虹丸の只者ではない動きに気づいた残りの四人は一旦、攻撃を止めた。


 虹丸は、元は忍びであった。


 正確には抜け忍である。


 虹丸は、かつては常人を越えた不思議な力を持っていた。


 しかし、ある事件の終焉と共に、その力は失われている。


 奇襲の効果が消えた今、強者の剣気を漂わせる白帯と四人の忍びたちを虹丸ひとりで倒すのは難しいだろう。


(何とか澪だけでも)

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