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武龍伝  作者: もんじろう
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 春馬は眼を丸くした。


 しかし、そんな蜜柑を誇らしく思い、好感を抱いた。


「ボクたちは、これで失礼させていただきます」


 蜜柑が言った。


「おや、まあ」


 今度は澪が眼を丸くした。


「もう少し、ゆっくりしててもいいんだよ。何なら泊まっていったっていいんだから。ねえ、あんた」


 虹丸が「ああ」と頷く。


「ただ、布団が二組しかないから、二人ずつ寝ないとねぇ」


 澪の言葉に、蜜柑と春馬が「ええ!?」と真っ赤になった。


「いやだよぉ。男二人と女二人に分かれて寝るんだよ! あははは!」


 澪が大笑いした。


 突然。


 虹丸の眼光が、ひときわ鋭くなり、がばっと立ち上がった。


 小屋の戸を開け、外へと飛び出す。


「あんた!?」


 澪が慌てて後を追う。


 蜜柑と春馬も二人に続いた。


 小屋の入口辺りに立つ虹丸と、やや離れた位置で向かい合う男。


 白帯である。


 小屋の入口側は鳳衆の忍び六人が囲んでいた。


「見つけたぞ、がきども」


 白帯が言った。


「あんた」


 澪が不安げに虹丸の背中に抱きつく。


「皆殺せ!!」


 白帯が刀を抜き、叫んだ。


 忍びたちの刃が、一斉に四人に襲いかかる。


 蜜柑の瞳が見開き、銀色に輝いた。


 真っ先に虹丸へと斬りつけた忍びは、あっさりとその手首を受け止められた。


 相手が、ただの百姓と思っていた忍びは驚く。

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