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武龍伝  作者: もんじろう
102/204

102

 食べ終わった二人は、ようやく一息ついた。


 その間、澪は二人の給仕をしたり、話しかけたりしていたが、虹丸は何も言わず黙っていた。


「こんなところで何をしてるんだね? あんたたち、子供二人だけかい?」


 澪が訊いた。


 蜜柑と春馬は顔を見合わせた。


 二人とも苦笑いする。


 とても説明できる状況ではなかった。


 春馬が蜜柑に顔を近づけ、虹丸たちには聞こえぬように囁いた。


「この人たちを巻き込みたくないから、早く出ていこう」


 蜜柑が頷く。


 あまりの空腹に二人を頼り、家まで上がり込んだが、自分たちは敵に追われている最中である。


 本来は関わることも避けるべきであった。


「ごちそうさまでした。ありがとうございます、助かりました」


 春馬が頭を下げる。


 蜜柑は居住(いず)まいを正し、指をついてしっかりと頭を下げた。


 虹丸と澪は預かり知らぬことではあるが、小国の戦国城主の娘とはいえ、姫である蜜柑が庶民にここまでの謝意を示すなど、通常はあり得ない。

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