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コイン
「あら、見たことのないコインがあるわね。ずいぶんと傷んでるみたいだけど」
「これは俺愛用のコインでな。コイン投げの時にはこれを使うと決めているんだ。まあゲン担ぎみたいなものだな」
「コイン投げねえ……あなたでも何かを決める時、コインに託すことがあるの?」
「うむ。新しいアイテムを作るべきかどうかで迷った時、コイン投げで決めることがある。表が出たら作る、裏が出たら作らないとな」
「……まさかとは思うけど、両面が表になってるとかじゃないわよね?」
「馬鹿を言うな。運命に身を委ねる時に、そんな不誠実なことを俺がするわけないだろう」
「あなたって妙なところで律儀よね……変なこと言ってごめんなさいね」
「……表が出るまで投げ続けるだけだ」
「さっき謝罪した私に謝りなさいよ!!」




