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なんてこった、自分が性急すぎる事を理解し、他人がすぐ返事をしなくてもそれを待てるだけの度量を身に付けている! 兄貴、あんたこのまま成長すればブッダになれるよ。
「今、仕事がちょっとアレなんだ。俺これから仕事戻るから、明日……んー、いや、明後日までに考えといてくれ。いいか? 明後日の夕方にまた来るから、その気があるなら荷物を纏めとけよ。一日も待たないからな」
「うん」
一方的に言いたい事を伝えると、兄貴は部屋を出ていった。僕は耳を澄ませたが、母親と会話しているような感じはなかった。多分、黙って帰ったんだろう。すぐに車のエンジンが目を覚ます音がして、それが遠ざかって行く。
僕は再び横になった。
とたんにすさまじい焦りがこみ上げ、激しい動悸がしてきた。体がガクガク震えているような気すらする。
あと一日。明日一日で、結論を出さねばならない。
兄貴のところへ行くのか。また学校へ行くのか。この生活を断ち切るのか。
津田海里をどうするのか。
目の前で希望がチラつき初めている。僕は過去の教訓から何一つ学べず、再びそれに飛び付いてしまうのだろうか。愚かにも。
人生において悩んでいられる時間というのは長いようで短い。とりわけ僕のような人間は、悩み事それ事態に意味があると思い込む。繰り返すけど、本当は大した事は考えちゃいないのさ。いつだって結論を先延ばしにするだけして、結局機を逃すという最悪のパターン。
後から「何でもっと早く決断しなかったんだ」ってまた悩んで、悩んで、悩み続けて……
決心が固まったのは翌日の昼下がりだった。それまで何をしてたのかって? だから、悩んでたんだよ。オーバーヒートした頭がチャレンジャー号みたいに爆発してぶっ飛ぶまで、布団の中でえんえんのたうち回ってたんだ。
いい加減この終わりなき思考の迷宮から脱出すべく、僕はマークシート式ですべてを纏めてみる事にした。




