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4-8

 で、話は戻るけど、母親がそこらへんに脱ぎ散らかしてある靴下だとかゴミだとかを回収しに(そして僕にヒステリーを発散しに)無言でノブを回転させてドアを開けた時、寝床が空っぽだったらどうなる事やら。包丁を持って近所の小学校にでも行ったんじゃないかと半狂乱になるだろう。



 時刻はそろそろ六時近く、太陽もそろそろ本気を出しつつある頃だ。ボトルの中の時間の流れがどうなっているのかはいまだにわからない。いつ行っても昼だし、中で数時間を過ごして部屋に戻っても実際の時計は三十分くらいしか進んでいなかったりする。概して内部の方が時間の流れが遅いのだろうか? 両親が起きてくる七時から八時くらいまでには帰って来られるだろうか。

 まあ、悩んでみる素振りはしたが、結局のところ結論は最初っから出ている。僕は蓋を手に取った。

何が何でも海里とボトルの事を知りたい。翌週までホームレスを待っていられない。ならばもう一つの選択、つまり彼女に直接聞き出すしかない。以前それほど詳しくないとは自称していたが、少なくとも僕よりは多くを知っている筈じゃないか。



 栓を抜くと、すぐにそれを手にした腕がくるくると解け始めた。腕が糸巻きの糸のようになってボトルの口に吸い込まれてゆく。

 前は抵抗したから引っかかったんだろう。僕はリラックスを心がけた。そのせいかどうかはよくわからないが、今回は初めて甲板に両足から着地する事が出来た。お見事。

 この時も海里の姿はなく、寝椅子は空っぽだったが、脱ぎ捨てた服が背もたれに引っかかっている。

 海にいるのだろうと水平線に目をやった時、僕はその船を見た。

 別の船が、僕らのヨットのすぐ近くに浮いていた。




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